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異世界の仲人さん

作者: みぃ

 異世界に転移…そんなことが私の身に起きるだなんて……!


 ある日の夕方のこと。仕事を終え、いつも通りに帰宅したはずだった。ドアを開けたら、そこにはいつも見慣れた玄関があるはずだったのに。なんで草原?



 ※



 異世界に転移したら、チート能力や知識チートで大活躍! そんな小説のような展開は無く。草原から遠くに見えた町に向かい、言葉だけは何故だか通じることがわかり助かったけれど。意味はわかるのに日本語というわけではないから、お店の看板とかはなんて書いてあるか読むことができず。

 これからどうしようかと途方に暮れつつ町をうろうろしていたところ、親切な人に出会えて。


『ここはどこ?』


『気付いたら知らないところにいて、家がわからない…』


 なんてことを話していたら、とにかくうちに来なさいということで居候させてもらえることになったのだけど…。



 居候させてくれたのは、夫婦で食堂を営んでいるリックさんと、ナタリーさん。食堂の手伝いをするという条件で、家賃は無料。食事は3食賄い付き。頑張って働けば、少しだけどお給金が貰えるし、余裕がある日には読み書きも教えてくれるという…破格の好待遇! 良い人過ぎる…!



 ※



 食堂はとても繁盛していて、この世界に転移してからの1年間はあっという間に過ぎ去った。学生時代の飲食店でのバイト経験も役に立ち、仕事自体にはすぐに慣れることができた。

 そして、その頃には簡単な読み書きはできるようになっていた。町の人達にも聞いてみたし、読み書きができるようになってからは、図書館でも調べてみたけれど…やっぱりここは地球とはまったく別の世界。それを痛感することになったのだった。


 突然この世界に転移したのだから、突然帰れることもあるかもしれない…との淡い期待もあったけれど、2年3年と過ぎていくうちに、少しずつ期待する気持ちは削がれていった。

 この世界にずっといるのであれば、このままずっと居候というわけにはいかない。リックさん達は気にしないでって言うけれど、何か仕事を始めて自立しなければ。でも、私に出来る仕事って…?


 ちなみに日本では婚活のイベントを主催する会社に勤めていた。毎週のように開催されるイベントの内容を考え、イベント当日は司会進行をしたり、参加者のフォローをしたり。忙しかったけれど、充実した毎日を過ごしていた。

 そんな仕事は、この世界…いや、世界も広いだろうからどこかにはあるのかもしれないけど、少なくともこの国には無さそうだ。軽くリサーチしたところによると、結構婚活の需要はありそうな気もした。

 イベントの開催で無くても、お見合いの仲人とか…それくらいからなら休日を利用して始められるかも。そして、それが軌道に乗ってきたら本格的に事業を立ち上げて……。



 まだまだリックさん達にお世話にならなければ生活出来ないけれど、少しずつ自立の道を模索していこう!

いつか連載の形で書きたい物語。その始まりの話を短編として投稿しました。読んでいただき、ありがとうございました!

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