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嬉しいこと

作者:武田道子
嬉しいこと

一番最初に見つけた桜のつぼみ
一番最初に聞いた鶯のさえずり

一番最初に口にした苺
一番最初に見た流れ星

一番最初に見つけた赤い楓の葉
一番最初に見た満月

初雪に初日の出
季節が変わるたびに
月が変わるたびに
明日が来るたびに
何かまた新しいことに出会う
喜び

新しいものとの出会いが重なり
いくつもの初めてのことに出会い
それが雪だるまのように
毎年毎年膨れ上がり大きくなっていく

けれども変わらないことがある
初めてはどんなに時がたっても
何度似たようなことがあっても
同じ人が二人いないように
たった一度きり
人は永遠に一番最初との出会いと
肩を寄せ合っている

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