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うちの執事(セバスチャン)が無能すぎる

作者:原雷火
青年はすやすやと気持ちよさそうに寝息を立てる。

色白でスッキリと整った目鼻立ちから、気品がほのかに匂い立つ。光沢のある黒髪は女のわたくしが嫉妬するほど艶やかで、ビジュアルだけなら100点満点のイケメンですわ。

身長は180センチを優に超え、小柄なわたくしが並ぶと大人と子供くらいの差になりますの。そんな大の大人が、ベッドの上で毛布にくるまりパジャマ姿にナイトキャップまでかぶって、大きなテディベアを抱きながら寝ているなんて……仕草だけならまるで幼女ですわね。

「いつまで惰眠を貪っているのかしらセバスチャン? 主人よりも遅く起きるなんて、執事の風上にもおけませんわよ?」

あまりに気持ちよさげなその顔が憎たらしいので、青年――セバスチャンのほっぺたを人差し指でグリグリすると、彼はパッと目を開いた。

ラピスラズリのような瞳の透き通った群青に、つい見とれてしまう。まるで南海のリゾートの海のように神秘的で……って、いけませんわ。この目で訴えられるとつい、コロッといってしまいがちな自分が恨めしい。

テディベアを抱いたまま、視線だけこちらに寄こしてセバスチャンは口を開く。

「これはこれはお嬢様。おはようございます。今日も良い朝ですね」

「おはようございますとは、それこそご挨拶ですわね? もう昼前ですのに」

セバスチャンはあくび混じりに言う。

「申し訳ございません。早起きは苦手なモノでして。三文ぽっちの得ならば、私は起きずに寝ていたいのです」

悪びれないところがますます憎たらしい。セバスチャンという響きがとっても有能そうなのに、まさか執事が朝に弱いだなんて……苦手で済ませて良いことではありませんわ。

「ああ……もう。ともかく遅めとはいえ朝食の準備が整いましたから、すぐにダイニングにいらっしゃい。ちゃんと着替えてからでしてよ?」

「承知致しました。つきましてはあと五分ほど、睡眠時間に充てさせていただきたく思うのですが……」

その五分が十分となり、二十分になるのは迷惑ですわ。

わたくしは執事の顔をビシッと指さした。

「お黙りなさい。五分もあればスープが冷めてしまいましてよ。食事がいらないというのであれば、いつまでも……それこそ永眠してくれても結構ですけれど」

「それは困りますお嬢様。食事抜きだなんて残酷な仕打ちは、お優しいお嬢様に相応しくありません」

眉尻を下げた困り顔で、セバスチャンはようやくベッドから身を起こした。

この大男が困る顔が、わたくしは好き。食事を人質にでもしない限りなかなか見られないのが、この楽しみの唯一の難点ですわ。

セバスチャンは続けた。

「ではさっそく着替えたく思いますので、お嬢様にうら若い成人男性の裸体を鑑賞するご趣味が無いようでしたら、退出していただきたく存じ上げます」

ムキィ! 言われなくても分かっていましてよ。

「大急ぎで着替えなさい。一人では無理だから着替えを手伝って欲しい……なんて頼まれても、わたくし困ってしまいますから」

「お嬢様はもう少し、ご自身の確かな目で選んだこの執事めを信頼くださいませ。着替えくらいこなして見せますとも」

それができないというなら、人としてどうかと思いましてよ。

ああ……もぅ……掃除も洗濯も料理も駄目で、紅茶さえまともに淹れられないあなたの、どこを信頼すればいいのかしら?

言い返してやりたいところだけど、言ったところで改善されないのは、王都に引っ越して来て三日と経たず思い知らされましたし。

黙り込むわたくしに、セバスチャンは続けた。

「お嬢様。そのようにじっと見つめられては……私に恋心を抱いても、それは実らぬあだ花ですので、お諦めください」

ムムムキィ! 睨みつけていただけで、どうしてそんな解釈になるのかしら? この駄執事!

ハァ……こんなことになるのなら「お屋敷を出て花の王都で一人暮らしがしたい!」だなんて言わなければよかったですわ。



朝食のスープを温め直し、パンにベーコンエッグというメニューをセバスチャンは美味しそうに食べる。食事の所作だけは上品で、普段のガサツさが嘘みたい。

「お嬢様の手料理はどれも愛情がこもっていて、大変美味しゅうございます。これでしたらいつでも素敵な殿方とご一緒になることができますね」

ニッコリと目を細めるセバスチャン。

「わ、わたくしが結婚して殿方の家に入れば、専属執事も不要になって、あなたは職を失ってしまいましてよ?」

「ああ、それは失念しておりました。どうかお嬢様、そのまま気高く売れ残り続けて一生私めをお雇いください」

ヒモのような状況に甘んじたいだなんて、本当に情けない執事ですわ。

「一年だけなら付き合ってあげますわ。そういう約束でしょう?」

「…………」

パンを小さく一口サイズにちぎって食べるセバスチャンが、不意に手を止めた。

「ところでお嬢様は、どうして王都で一人暮らしなど始めようと思われたのですか?」

「逆に聞きたいですわね。あんな田舎にいつまで引き籠もっているのか……と」

引っ越し先のメゾネットは、それは実家のお屋敷と比べれば手狭ですけれど、この狭い部屋には掛け替えのない自由が詰まっていますもの。

セバスチャンは溜息を吐いた。

「つまり、なんとなく王都にやってきたのですね」

「な、な、なんとなくとは失礼ですわね! この広い王都になら、きっとわたくしにもできることがあると思いますの……というか、紅茶も淹れられない執事に言われたくありませんわ!」

小さく眉間にしわを寄せてセバスチャンは席から立ち上がった。そのままわたくしに背中を見せて、部屋の戸棚の前に立つ。

「なにを仰います。私はまだ本気を出してはいないのです。ではさっそく、食後の紅茶をお淹れいたしましょう。とびきり美味しくて、お嬢様も認識を改めるに違いありません」

あら、ずいぶんと大きくでますのね。

「ではさっそく執事の仕事をしていただこうかしら?」

戸棚についた無数の取っ手や引き出しを前に、セバスチャンは仁王立ちすると無言になった。

「どうしましたの? わたくしにとびきり美味しい紅茶を淹れてくださるのでしょう?」
ゆっくりとこちらを向いてセバスチャンは静かな口振りで告げる。

「ところでお嬢様。茶葉はどちらの棚にしまわれたのでしょう?」

紅茶を淹れる以前のところで躓くのが、わたくしがこの目で選んだ信頼にたる執事の実力……ですわ。



食後の紅茶はわたくしがごちそうして、セバスチャンには食器の後片付けをさせてみたものの……つかの間、実家から持ってきた食器の最後の一セットを、セバスチャンは落として割ってみせた。

この先、大切なティーセットにだけは、絶対に触れさせられませんわね。

「困りましたねお嬢様。これでは昼食の準備ができません」

割った皿の破片を掃き集めて、まるで他人事のようにセバスチャンは溜息交じり。
本当にポンコツですわ。

ふと、思い出したように、わたくしはカレンダーを見る。隔週の火曜日に赤い丸で印しがついていた。

「仕方ありませんわね。たしか今日は蚤の市は開かれているはずですし、そこで食器を新しく買いそろえましょう」

なにか掘り出し物もあるかもしれませんし、買い物に出るのは心が躍りますわ。

「昼食に間に合うでしょうかお嬢様?」

「食べることしか頭にないのかしら。今食べたばかりですのに」

セバスチャンが子犬のような瞳でじっとわたくしを見つめる。

「わ、わかりましたわ。買い物を終えてから王宮通りのカフェで食事にしましょう。もちろん荷物持ちくらいはしてくれますわよね?」

セバスチャンの表情がほころんだ。

「お嬢様の手を煩わせるようなことはいたしません。お任せください」

恭しく一礼をして、セバスチャンは足下の破片を手早く片付けると出かける準備を整えた。

この数日で、怠惰な駄執事を動かすのが食欲だというのが、なんとなく分かってきましたけれど……まるで大型犬と暮らしているみたいな気持ちですわね。

ああ、けれど我慢我慢。こんな生活も一年続けて、息災に過ごすことさえできれば、お父様も執事の監視を外してくれると約束してくださいましたし。

王都の華やかで刺激的な暮らしを続けていれば、きっと一年なんてあっという間ですわよね。



身なりを整え外に出る。メゾネットは縦長の集合住宅で、王都の中心地から少し外れたところにありますの。

今はお父様の仕送りでやりくりしていますけれど、いつか自分で稼いだお金で自立したいですわね。

セバスチャンを引き連れて、わたくしは乗り合い馬車で蚤の市が行われている宮廷通りに向かうことにしましたわ。

乗り合い馬車に乗客は、わたくしとセバスチャンだけ。

走り出すと、突然馬車は猛スピードで大通りから脇道に突っ込んでいきましたの。

「あら? 宮廷通り行きの馬車なのに、反対方向ですわね」

「様子がおかしいので少々見て参ります、お嬢様」

セバスチャンは突然客車の昇降口を開くと、サッと客車の上に跳び乗りましたの。

本当に人騒がせで、大仰ですわね。御者に「行き先が違う」と一言注意すれば良いだけですのに。

ガタンガタンと石畳に車輪を軋ませて、馬車は人気の無い裏町に迷い込んでしまいましたわ。

柄の悪い方も多いというので、少々怖くもありますけれど、馬車に乗っていれば問題ありませんわよね。

ほどなくして、忙しく飛んでいった車窓が、嘘のようにゆったりと流れ始めましたわ。

どうやら御者が気づいたみたいですわね。

そのわりに、セバスチャンが帰ってこないのは変ですけれど……。

客車から御者側についた小窓を開けて、わたくしが声を掛けると、御者は首をぐったりとさせて、座席に揺られていましたわ。

代わりに手綱を握ってセバスチャンがちらりとわたくしを見る。

「お嬢様はそのまま客車にておくつろぎください」

「あら、どうしてセバスチャンが馬車を操っているのかしら?」

「どうやら御者の方は夜通し働き詰めだったようで、意識を失ってしまい馬車の操作もおぼつかないようでしたから。このまま裏町を抜けてUターンいたしますね」

ピシッピシッと手綱を振るって、セバスチャンは少しだけ馬車を走らせる速度をあげましたわ。

「意外ですわね。中々の手綱捌きですわ」

「お褒めいただき光栄の至り。以前に少々ですが心得がありまして」

「セバスチャンは執事になる前は御者でしたの?」

「いいえ。私は執事になるべくして此の世に生を受け、執事一筋に生きてきました」

「その割には執事の仕事が何一つ身についてはいませんわね。けれど、一つでもセバスチャンの得意なことがあって、ホッといたしましたわ。人間だれしも取り柄というものはあるものですのね」

セバスチャンは「さしずめ私は取り柄しかありません」と、普段の自分を棚に上げて誇らしげに言ってのけましたわ。

本当に困った人ですわね。



セバスチャンは蚤の市そばの停留所に馬車を止めましたわ。御者はまるで気絶しているみたいに深い眠りに落ちていて、無理に起こすのも可哀想なので寝かせておくことにしましたの。


それから、わたくしとセバスチャンは骨董品の居並ぶ露店で食器類を吟味しましたわ。

市場では珍しい東洋の白磁の出物があったので、見とれていると……。

「お嬢様。そちらの白磁は東洋のものではございません」

「あら? ご主人は東洋の希少な品と言っていますわよ」

並べた品物に囲まれた店主が顔を真っ赤にする。

「やい兄ちゃん! こっちは目利きで食ってんだ。難癖つけるたぁどういうつもりだ?」

「ご主人。品物は良品ですが、釉薬の使い方がマールセンに酷似していますよ」

マールセンは隣国にある陶磁器の街で、その名が磁器の名称になるほど有名ですけれど……そういえば、実家で見た東洋の白磁よりも、マールセンの磁器に似ているような……。
セバスチャンが東洋の白磁(?)を指で軽く弾く。

どこととなくくぐもったキンッという音ですわ。すると、途端に店主の顔が青ざめましたの。

セバスチャンは店主をじっと睨みつけた。

「ほら、音が違うじゃありませんか。東洋の白磁はもっと透き通った音色を奏でます。そうですよねお嬢様?」

「そ、そうですわ。よく気づきましたわねセバスチャン。今のは、わたくしがセバスチャンを試していましたのよ」

皿を手にしたままセバスチャンは恭しく一礼した。

「さすがお嬢様のご慧眼。このセバスチャン、感服いたしました。ということでご主人、ここは相談なのですが……こちらのセット一式をお譲りいただけますか? ええと……おいくらでしたでしょう?」

それからは交渉というには一方的な虐殺が始まりましたわ。セバスチャンは東洋の白磁改め、マールセンの磁器一式を市場価格の十分の一まで値切り倒して購入しましたの。

店主にとってはさぞや恐ろしかったことでしょうね。

それにしても意外ですわ。執事の仕事はろくにできないのに、わたくしよりも陶磁器に精通しているうえに、価格交渉までできるだなんて。

どうしてセバスチャンが執事をしているのか、他に才能を活かす仕事がありそうなものなのに……。



満足のいく買い物ができたところで、わたくしはセバスチャンと近くのカフェで遅めの昼食を摂ることにしましたわ。

サンドイッチは美味しいけれど、コーヒーは苦手ですわね。砂糖とミルクたっぷりでようやく飲めますけれど、紅茶の方が好きですわ。

王都のどこを探せば紅茶のお店があるのかしら?

「お嬢様はコーヒーが本当に苦手なのですね」

「王都はコーヒーが飲めるカフェには三歩歩けばぶつかりますけれど、紅茶のお店はなかなか見つかりませんわね」

「でしたらお嬢様が紅茶の専門店を開かれてはいかがですか?」

「それは素敵ね。セバスチャンにしてはなかなか良いアイディアかも。けど、接客業なんてわたくしに出来る気がしませんわ。ところでセバスチャンは執事の仕事を天命のように言うけれど、そんなに好きなのかしら?」

セバスチャンは胸を張った。

「はい。他にどのような仕事があろうとも、私には執事しかありません」

執事服も似合ってはいるけれど、好きな事と才能が噛み合っていないのって不幸かもしれませんわ。

なんとかコーヒーを飲み干すと、すぐに給仕の女性がやってきましたわ。

「お、おお、お代わりはいかがですか?」

先ほど料理を運んできた給仕の女性とは違う方ですわね。こちらが断ろうとすると「ご、ごごごご遠慮なさらずに。当店からのサービスです」と、わたくしのカップにコーヒーを注ごうとしてきましたの。

それにしても、ずいぶんと緊張なさっているようですけれど、新人さんかしら?

と思った瞬間――

パシッ! と、セバスチャンは給仕の女性の手首を掴む。

「お嬢様はコーヒーが苦手なので必要ありません。ところでお嬢さん……」

ラピスラズリ色の瞳でセバスチャンはじっと給仕の女性を見据える。ええッ!? まさか一目惚れしたとでもいうのかしら?

給仕の女性が視線を脇に逸らすと、セバスチャンは「そうですか。ええと、お嬢様。お花を摘んでまいります」と、言い残して、セバスチャンはなぜか給仕の女性を引き連れたまま店の厨房の方に行ってしまいましたわ。

ま、ままままったく、わたくしを放置して良い根性してますわね。

不思議と顔が熱くなって、心臓がバクバクを音を立て始めましたわ。

べつに特別意識なんてしていないのに……ば、ばかぁ!



ほどなくして――

セバスチャンだけが戻ってきましたわ。本当に何事もなかったような、ケロッとした顔をして。

わたくしがどんな想いで待っていたか、知りもしないのでしょうね。

「では、そろそろ帰宅いたしましょう。お嬢様」

「トイレにしては遅すぎますわね」

「ついでに支払いを済ませておきました」

「あ、あら、セバスチャンにしては気が利きますのね」

それなら時間がかかったのも納得ですわ。不思議と気持ちがホッとなりました。

なぜかしら?

きょとんとしたまま固まるわたくしに、セバスチャンは微笑みかける。

「私はいつだってお嬢様のために、回せる気はすべて回しております」

よっこらしょ……と、年寄くさく呟きながら、セバスチャンは食器セットの包みを持ち上げた。

色々ありましたけど、こうして良い食器も買うことができましたし……って、そもそもセバスチャンが食器を割らなければ、蚤の市になんて足を運びませんでしたのに……まあ、楽しかったので良しということにして差し上げますわ。



わたくしたちが席を立つと、ものの数秒で後ろの方が騒がしくなった。先ほどのカフェに王立警備隊員が数人、集まっている。

「なにか事件でもあったのかしら? まさか支払いをせず、わたくしたちが食い逃げをしたなどということにはなっていませんわよね?」

「お嬢様は心配性ですね。私を信じてご安心ください」

だから心配なのですわ。

さてと、今日はセバスチャンの意外な一面をいくつか見ましたけれど、家に帰れば再びポンコツの駄執事ですものね。

夕飯の準備の最中に、新しい食器を割られてもたまりませんし、今夜もわたくしが食事の準備をしてあげないと……これではどちらがご主人様なのか、わかりませんわね。



翌朝――

相変わらずセバスチャンがグースカ寝ているので、メゾネットの一階ポストに新聞を取りに行って戻ると、わたくしはざっくりと紙面に目を通しましたの。

大変ですわね。馬車を使って若い娘を狙う人さらいが捕まったり、美術品の贋作を扱う組織が一晩のうちに壊滅したり、人質をとってその家族に要人の毒殺をさせるだなんていう、汚い手口を使う暗殺者まで王立警備隊の手でお縄になっただなんて、ずいぶんと王都というのは物騒なところですのね。

くるくるっと新聞を丸めて棒状にしてから、わたくしはセバスチャンの部屋のドアをノックしましたの。三回ノックして返事が無いので中に入ると、今日も今日とて、セバスチャンはすやすやと気持ちよさそうに寝息を立てていましたわ。

パコン! と、新聞紙でその額に一撃お見舞いすると、セバスチャンはラピスラズリ色の瞳を潤ませて、わたくしに抗議しますの。

「もう少し起こし方に優しさがあってもよろしいではありませんか。私は朝が弱いのです。では、五分後にまたお会いしましょう」

そのまま目を閉じてセバスチャンは眠りの世界に戻っていきましたわ。

今日は珍しく目の下にクマを作っていますけど……おかしいですわね。わたくしよりも先に就寝したはずですのに。

「朝食の支度ができていますわよ!」

新聞棒でパコンパコンと、文字通りたたき起こしてやりましたわ。

ちょっぴり満足。

ようやくスイッチが入ったようで、むくりと身体を起こすなり、セバスチャンはにっこり微笑んで一言呟きましたの。

「おはようございますお嬢様。今日も良い一日になりそうですね」

「そういう台詞は、わたくしより早く起きられるようになってからにしてほしいものですわね」

「魚に空を飛べと仰るがごとくですよ、お嬢様。それよりお腹が空いて死にそうです。すぐに食事にいたしましょう」

ムムムキィ!

うちの執事セバスチャンは無能すぎますわ!

けど……こんな駄執事……わたくしくらい心の広い人格者でなければ、きっと面倒看きれませんわね!
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