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三界大戦記―好色皇子と三界の姫たち― 作者:安里優

第二部:人界侵攻・蒼雷編

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第24回:祝宴(中)

「ただいま、エルザマリア嬢はお召し替えの最中です。あの裾では踊れませんから」
「それはそうでしょうな」

 賓客たちは天幕の隅に移動して、若者たちが踊り始めるのを見守りながら、スズシロから説明を受けていた。
 主に相手をしているのはリースフェルト伯だ。ファーゲン伯はあまりの緊張からか、沈黙を守っている。いや、自分が口を滑らせる可能性に気づいて、自重しているのかもしれない。そうであれば、まだ冷静になったと言えるだろう。

「エルザマリア嬢や皇子は今回の主役ですから、出番はもうしばらく先になります。それまでは、しばし、こうして様子を見ていていただきたい」
「ふむふむ」

 踊りの場は、先ほどより広がっている。周囲の者たちが興味を抱いて立ち上がったためだ。
 一方で、軽快な音楽に合わせて体を動かす者はまだまだ少ない。おそらくは、魔界と人界、その様式の違いに戸惑って、思い切れずにいるのだろう。
 だが、すでに踊り始めた女性たちに導かれ、どんどん参加者は増えていっている。

「ご覧の通り、今回に限りましては、自由にやらせています。正直、こちらの風習と我々のやり方のすりあわせが出来そうになかったので」

 彼女の言うとおり、踊る者たちは、めいめいが思い思いに体を動かしている。基本的には男女の組になり、向かい合って踊っているものの、お互いの手を取ったり支えたりはしていない。
 それをするには相手と動きを合わせる必要がある。そこまではなかなか難しいようだった。

「このような催しが繰り返され、呼吸があってくれば、きっと雅やかな動きも出来るようになるでしょう。ですが、まずは楽しんでもらうのが先です。カラク=イオの者には、儀礼など気にするなと通達してあります」

 そのスズシロの言葉に、リディアは隣に立つスオウを横目で見やった。
 その顔は、穏やかな笑みで覆われている。それは、先ほど、彼女が彼の誘いを受けた時に見せた嬉しげな表情と変わらない。
 当たり前の話だが、スズシロの言はその主であるスオウの意向だ。

 宴席の客を楽しませようとするのは招く側としては当然の姿勢ではあるが、それをはっきり打ち出せる者はなかなかいない。まして、客とはいえ多くはスオウの配下である。
 このような立場では、祝われて当然という態度の者も珍しいわけではない。
 そこで、形式や儀礼など後回しで良いから、まずは音楽に乗って楽しんでもらおうとはっきり言えるのは、彼女としては好感が持てた。

「ああ、歌も始まりますね」

 楽隊の動きでスズシロが気づいた通り、楽曲に歌が乗って聞こえてくる。

 美しい歌声。

 いかにリディアが極北語に長けていても、歌としてそれを聞くのははじめてであり、いまひとつ意味も掴みにくい。
 だが、その歌声は耳に心地よく、うきうきとしてくるような楽しさが込められていた。おそらく、極北語などまるでわからない者たちも、そこにある喜びの色は感じ取れたことだろう。

「我が部隊の一部は軍楽隊を基幹としておりまして」

 なるほど、とリディアはじめ人界の者たちは得心した。親衛隊ならば、そのような役割の兵も含まれるか、と。
 だが、スズシロは少し悔しそうに頬に手を当てる。

「真の姿を現せば楽器もいらないし、もっとよい声も出せるのですが……。威圧感を考えるとなかなか……」

 ひゅっと笛のような音がする。どうやらそれは、ファーゲン伯の喉から漏れたものであるようだった。
 真っ青になった顔からして、どうも彼は魔族が示す獣の相にかなりの恐怖を抱いているらしい。

「まあ、今回はここに限らず宴の最中は真の姿は示さないということで定まっておりますので……。もし酔って粗相する者を見かけたら、我々にお知らせください」
「あ、酔ったらついつい変身とかあるんですか」

 オリガがおもしろがるように言うのに、スズシロは小さく頷いた。

「あります。自制心が弱い者だと。……この陣にそのような者がいるとは考えにくいですが」
「おいおい、スズシロ。顔が怖いぞ」
「それは失礼」

 茶化すように言うスオウに、参謀たる女性が返す言葉はあたたかい。そのやりとりだけで、周囲の空気は明らかに弛緩した。

「さて、これからの手順ですが」

 だんだんと踊りの輪が広がっていくのを見ながら、スズシロが改めて告げる。

「まず、リースフェルト伯とエルザマリア嬢の組で踊っていただきます。同時に、皇子とオリガ様」
「え? アタシもっすか?」

 唐突に話を振られたオリガがびっくりしてスズシロとスオウの顔を見比べる。スオウが彼女に優しくほほえみかけた。

「お願い出来るかな?」
「まあ……はい」

 ちらっとこちらを見やるオリガにリディアが目で頷いてやると、彼女は諦めたように首肯する。

「続いてファーゲン伯とエルザマリア嬢、皇子とリディア殿下となります」
「承りました。皇子殿下をエルザマリア様にお渡しすればよろしいのですね」
「お願いいたします」

 皇女としての態度で応じ、鷹揚に頷いてみせるリディア。スズシロの説明はそこで一通り終わったようなので、彼女は踊る男女を見つめた。
 音楽に身を任せる人々の数はだいぶ増えて、それに伴って音楽の軽快さはさらに増している。思わず歓声をあげたくなるような、そんな音曲だ。

 宮廷の夜会ならばけして演奏されそうにはない楽曲。
 しかし、それは、体の根源を揺さぶる。その旋律に、思わず手足を動かしたくなる。

「皆様が踊る時にはもう少しおとなしい曲調になるかと思います」
「それは少々残念な気もしますねー」
「落ち着いた雰囲気の曲も楽しんでいただきたいものですから」

 オリガの言葉へのスズシロの答えは、それはそれで一つの事実なのだろう。
 ただ、他の思惑もあるはずだ。
 たとえば、着替えてきたとしてもエリの衣装はそれなりのものだろうし、リディアがいま身に着けているものも同様だ。以前交渉の折に着たような深紅の装束よりは簡素だが、それほど激しい動きが出来るものでもない。
 賓客たちにはしたない姿をさせるわけにはいかないという配慮もあるのだろう。

「ああ、エリが来た」

 スオウの言葉に、皆の視線が集まる。その先に、優雅ながらも動きやすそうな衣装に着替えたエリの姿があった。
 そうして、賓客たちもまた踊りの輪に加わることとなるのだった。


                    †


 まるで演武だな。

 オリガとスオウの踊りを見守りながら、リディアは笑いをかみ殺していた。
 オリガはまるで剣か棒でも持って戦いの技を繰り出すかのように体を動かし、スオウもそれを手刀や脚で受ける。踊りと言うよりは、まるで形稽古であった。
 それでも舞踊の場を崩さない流麗な動きを保っているのは、これまでのオリガの鍛錬のたまものであろう。

 しかし……と、彼女は首をひねる。

「魔界には武器を用いての術というのはあまりありません。なにしろ、我らの真の姿そのものが武器ですから」

 彼女の疑問に応じるように、スズシロが口を開く。リディアはその言葉を黙って聞いていた。

「狩猟のための矢や槍はありますが、あくまでも狩りのためのものであり、戦うためのものではありません。ただし、わずかながら例外があります。皇帝家です」

 皇帝家の者は、そうそう簡単に真の姿を現せない。故に、身を守るためにも幼い頃から武器術を学ぶ。そのため、魔界では指南役の一族と皇帝家の者たちだけが武器を用いた技を伝えているのだ。

 スズシロのそんな説明に、リディアは深く頷いた。
 武術の系統は違っていても、スオウもまた鍛練を重ねてきたということだ。そうでなければ、オリガの技をああも見事に受けられまい。

「あれは皇子もかなり楽しんでいらっしゃいますよ」

 スズシロはそう言って笑みを深くする。リディアも微笑んでそれに応じた。

 そうして、彼女の番が来る。
 リディアの元にスオウを連れてやってきたオリガは実に嬉しそうに、こう言ったものだ。

「いやあ、いい汗かきましたよ!」

 苦笑しながらオリガと交替し、リディアはスオウの手を取る。
 スオウは彼女が踊りを了承した時と同じように優しく彼女の手を包み込みながら、その時のようにすぐに手放しはしなかった。
 彼の手はそのまま彼女を踊りに導いていく。

「供の稽古につきあわせてしまいました様子で」
「楽しませてもらいました。人界の武術も興味深い」
「武術だけでありましょうや?」

 先ほどより、歌声もずいぶんとゆったりとしたものになり、お互いの体にふれあいながら動くことも出来るようになっていた。
 二人はお互いの目の動きで次の足を出す方向を確認しながら、穏やかな歌声の中に体を泳がせる。

「それだけではありませんな」
「では、どこまででありましょう?」
「全てを」

 お互いの瞳をのぞき込みながら、二人は小さく笑う。

「人界を味わい尽くそうと仰いますか」
「欲が強いのです」

 スオウの瞳には彼をのぞき込むリディアが映っていた。おそらく、自分の瞳にも彼自身が映っているのだろうと、彼女は思う。

「後ほど、お時間をいただきたく」
「ええ、お約束いたしましょう。ただ、一つお願いがあります」
「なんでしょうか」
「ぜひ、打ち解けた口調でお願いしたい」

 そこで、スオウは言語を人界の言葉に切り替えて言った。

「これでも北方語はかなり上手くなったと思うんだが、どうかな?」
「……了解。約束するよ、殿下」

 同じ北方語で応じてから、スオウの手の動きに従って、リディアはその場でくるくると回る。彼女の黒髪がふわりと広がり、同じく裾も広がって回った。
 周囲から歓声が上がる。

 ここまでにも見事な踊りを見せた者は多かったが、ここまで息を合わせた者は皆無であった。
 緩やかな曲にしたのはこのためもあったかと感心しながら、リディアは心地よい音曲とスオウの手に身を任せるのだった。


                    †


「それでは、すぐ戻ってきますので」
「父上によろしく言っておいてくれ」
「はい。必ず」

 いまだ祝宴の続く陣城の外れ、そこにエリとスオウの姿があった。
 もう夜も更け、祝宴そのものが大天幕から外にまで広がっている。規定の式次第が終わり、飲めや歌えの大騒ぎと化しているので、主役である二人が抜け出ても、誰も気にしない状態となっていたのだった。

 誰も、と言っても幹部はもちろん別だ。
 いま、エリがまたがる中型竜の手綱を握るのはミズキであるし、スオウの横に立っているのはフウロである。

「では、気をつけてな」
「任せてくださいませ」

 スオウが言うのにミズキが頷いて、竜に前進を命じる。ゆったりと南に進む六脚竜に手を振りながら見送って、スオウは赤毛の女を連れて歩き出した。
 少し行ったところで、スオウは連れの女に話しかける。

「リースフェルトから急いで帰ってもらって悪かったな」
「いえいえ。疲れたのは騎竜で、あたしは別に。むしろ、旅団長が殿下の婚約の式に出られなくて残念そうでしたよ」
「まあ、婚姻の式典には出てもらおう」
「じゃあ、殿下」
「うん」

 言って、フウロはすすっと脇に逸れていく。スオウの視線の先で、もう一つの人影がフウロに合流するように移動をはじめた。
 あれは、オリガであろう。

 そして、彼の向かう先、作りかけの土壁の陰に置かれた木箱に尻をひっかけている人物。
 それは、男物の簡素な服に身を包むゲール帝国第十一皇女(リディア)に他ならない。

「おや、着替えたのか」
「面倒だからな」
「ふむ」

 三つの月に照らし出されるリディアの姿をスオウは物珍しげに眺めた。
 そのつややかな髪は月光を吸い尽くすかのように黒く、その豊かな胸は男物の衣装であっても十分に存在感を示している。

「これはこれで似合っているな」
「よせよ。それより、エリはショーンベルガーに戻すのか?」
「結婚じゃなくて婚約だからな」

 だから、共に夜を過ごすというわけにはいかないとでも言うのだろうか。リディアは思わず苦笑してしまった。

「また形式的だな」
「実際、まだ口づけも交わしてない」
「好色って噂は間違いだったかな?」
「いいや」

 言ってスオウはリディアのものとは別の木箱を引きずってきて、そこに腰掛けた。

「女は好きだよ。膚を重ねるのもな」

 そこで彼は静かに微笑んだ。

「それでも、エリとはもう少し時を重ねるほうが楽しそうでな」
「ふうん」

 うさんくさげに彼を見返しながら、リディアはそれ以上言わない。

「ところで、言葉の方は大丈夫かな?」
「ああ、似てるとはいえ北方語はこっちも母国語じゃないしな。ちょうどいいだろうさ」
「では、そのように」

 そうして、二人の会談は、祝宴の喧騒を背景に始まった。

「話を戻すけどよ」
「うん」
「エリとの仲を大事にしてるって考えていいんだよな?」
「ほう? 気にかけてくれるのか」
「こないだ色々話を聞かせてもらったからな。それに、人界のもんとしちゃ気にもするだろ」

 驚いたように言うスオウに、リディアはさも当然だというように応じた。彼はそれに嬉しそうに微笑む。

「もちろんだ。俺は彼女を信頼しているからな。頼むに足る女を欲しいと思い、大事にしたいと思うのは当たり前だろう?」

 ふふんとリディアは鼻を鳴らした。どこか満足そうな風情でもある。
 それから、彼女はじっとスオウを見つめた。彼はまばたきもせず、その視線を受け止める。

「好色は好色でもうちの親父とは違うってことかね」
「父上というと、ゲール皇帝陛下か」
「まあな」

 そこでしばらく黙るリディア。それは、どこか不機嫌そうな沈黙であった。

「母さんがよ」

 そう続けてからも、しばらくためらうように彼女は口を開きかけては閉じるのを繰り返した。

「うん」

 スオウが促すように頷いて、ようやく心を決めたという風に口を開く。

「うちの母さんは人界一の美人って言われたくらいのべっぴんでよ」
「ほう? 君よりか」
「よせやい。足下にも及ばねえや」

 一つ笑ってから、彼女は声を低くして続ける。

「ところが、何の後ろ盾もない庶人でな。孤児だったって話もある。母さんが言わねえから、本当のところは知らないけどよ」
「ふうむ」
「まあ、想像通りの成り行きだろうよ。評判を聞きつけた親父は、母さんを後宮に召し上げた。そこまではしかたねえ。あんまり気分がいいもんじゃねえが、しかたねえ。……だけどよ」

 ぎり、とリディアは奥歯を鳴らした。スオウが驚くような苛烈さで、彼女は続ける。

「親父は母さんが身ごもった途端、後宮を追い出しやがった」
「……申し訳無いが、俺は君の父上を好きにはなれないな」
「はんっ。当たり前だ。血の繋がってる娘が嫌ってるくらいだからな」

 スオウの婉曲な批難を、当然と受け止めるリディア。彼女はそこでさらに嘲るように笑った。

「だけどな、これで驚いてちゃいけないぜ。あの野郎は、母さんを十年以上放っておいた後で、また呼び出しやがったんだからな。今度は、自分の臣下と結婚させるために」
「なんだと?」
「うちの帝国じゃ、皇帝が寵臣に寵姫を下げ渡すなんてことが、たまにあるんだよ。だけど、さすがに自分とこから放り出しておいて、誰かへの褒美のためにまた召し上げるなんて、聞いたことねえよ。まあ、そういう意味では独創的だな、あの親父は」

 そこでスオウは口を開きかけ、結局声を発せずにそれを閉じた。ぎゅっと彼の拳が握られるのが、リディアには見えた。

「うん、まあ聞いてくれ」

 優しい声で、彼を落ち着かせるように言う。それは、あるいは自分自身の心を平静に保つためのものであったろうか。

「その相手が、アルリク・ゼラ=ゲルシュター。オリガの本家……伯父だよ。だから、まあ、あれとは義理の従姉妹ってことになるか」
「なるほど」
「そのアルリクもな……。まあ、愚物から嫁を下げ渡されるくらいの阿呆だ。その上に皇帝の血を引く娘がくっついた美人の嫁をもらって、色々と狂っちまったんだろう。見栄を張りすぎて、身代を食いつぶしちまった。最悪なことに、一族の財産を全部な」
「どうしてだろうな? その男に微塵も同情できない」
「まあ、する必要もねえよ。あいつが一族を借金まみれにしたおかげで、オリガは士官学校を中退させられたんだからな」

 ふふっとリディアは笑った。
 それまでの雰囲気とは明らかに違うそれに、スオウは首を傾げる。

「ん?」
「いや、なんか嬉しくてよ」
「え?」

 彼女の言葉の意味がわからないという顔のスオウに、リディアはおもしろがるように続けた。

「だって、あんた、本気で怒ってるだろ?」
「当たり前だ。君の父上は、一体女をなんだと思ってる。その人生を抱えることも出来ずに自分のものにするなんてのは、許される事じゃない。当たり前だろう」

 ましてや、一国の皇帝である。
 金に困っているわけでも、力がないわけでもないだろう。
 それなのに、好き勝手に女を弄び、放り出すなど、許されることではない。
 スオウは心の底から怒っていた。

「俺は女が好きだ。柔らかい膚が好きだ。抱き合うぬくもりを愛している。とろけるような甘い声を好む。腕に感じる重みは至福だ。俺に甘えてくれる心も、俺を甘えさせてくれる懐も愛しくてならない。子を成してくれる女は、世が生み出した至宝だ」

 だから、俺は君の父上が許せない、と彼は言った。
 スオウは一つ残念そうにため息を吐く。

「君は、俺がゲール帝国を滅ぼす理由を差し出してしまった。大義ではないかもしれんが、俺には十分な理由だ」
「こんな小さい軍でか?」
「これは、いずれ三界を制覇する軍だからな」

 スオウは大まじめに言った。
 ゲール帝国の軍が十分の一も出てくるだけで潰されそうな軍勢のことを。

 リディアは笑わなかった。
 ただ、彼を見つめて小さく呟く。

「望むところだよ」

 その言葉が聞き取れなかったであろうスオウが小首を傾げるのに、彼女はたたみかけるように言葉を放った。

「なあ、一つ取引をしないか」
「取引?」

 ぐっと身を乗り出してくる彼女に、スオウは不思議そうに応じる。この話の流れで、取引とは一体何事だと思ったのであろう。
 当然の疑問だ。

「あんたらの協力が欲しい。この身がゲール帝国の皇帝となるために」

 だが、そんな彼の戸惑いなど意に介さず、リディアは言った。

「報酬は、ゲール帝国第十一皇女……いや、ゲール帝国女帝リディア・ゲルシュターと、ゲール帝国そのものだ」

 そう、はっきりと。
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