挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
三界大戦記―好色皇子と三界の姫たち― 作者:安里優

第二部:人界侵攻・蒼雷編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

37/125

第10回:退陣(中)

 逃げを打った男たちをその巨大な顎でひっかけ、たくましい脚ではじき飛ばし、鋭い爪で引き裂いていく巨狼の姿を、驚嘆の面持ちで見つめる者たちがいる。
 暴れる獣が引き起こす惨劇から少し離れた地面のくぼみや崖のへこみに隠れる九人の女性たちだ。

「あ、あ、あれって、月呑狼ハティの『相』ですか!?」

 その中で、くぼみに伏せた上で地面と似た色の布をかぶって身を隠しているカリンが、隣で同じように隠れているフウロに声をかける。
 夕暮れの光の中では、そんな簡単な擬装でも離れた場所から気づくのは難しかったろう。
 問いかけのほうは、驚きにまみれつつも声を抑えているのはさすがと言えた。

「そうだな」

 一同の中では唯一人動揺を見せていない彼女は言葉少なに頷く。その視線はカノコが変じた巨狼から外れることはない。

「『凶相』の一つですよね」

 こう尋ねかけるのは、カリンとは逆の側にいたもう一人の兵だ。これにも赤毛の大隊長は肯定を示す。

「『凶相』つっても、色々あるが……。月呑狼ハティには明らかな欠点がいくつかある」

 そんな風にフウロは話し始めた。
 彼女の言うとおり、魔界には『凶相』と呼ばれる『相』がいくつかあると言われていた。
 発現すること自体が珍しく、それを実際に見たことのある者はさらに少ない。

 なぜならば、その『相』の持ち主はことごとくその『相』のせいで悲惨な死を迎えると言われているからだ。
 たった一度『相』を発現しただけで、悲劇を生み出すと怖れられる。それが『凶相』だ。

「一つは獣化するためにとんでもない力がいることだ。あんな血まみれになる必要はないがな。……そのあたりはカノコがあいつらを脅すための演出だな」
「食べなくてもいいんですか?」
「いや、食うのが一番楽なのは確からしい。他にも手はないわけじゃないみたいだが……」

 フウロは小さく肩をすくめる。おそらく、他の手段というのは戦場では取れない方策なのであろう。

「もう一つは、ここにあたしたちが待機してる理由だ。あの『相』はな。一度変じると、狂乱して我を忘れちまうんだ」

 一同はその言葉に巨狼の暴れぶりをじっと見つめ、深く納得する。

月呑狼ハティは強いが、退くことを知らない。だから、あたしたちはその退き際を見極めてやらなきゃいけないんだ」

 決然と言うフウロの瞳は、その間もずっと巨狼の戦いぶりを観察し続けているのだった。


                    †


 逃げ出した兵たちを追って、それらを蹴り倒し、踏みつぶし、噛みちぎった巨狼は、そのままの勢いで黒銅宮の追撃部隊二百の隊列へと向かった。
 月呑狼ハティの出現に呆然としていた兵たちがようやくのように獣化を始めようとし、隊長たちが指示を飛ばし始めたその時。

 眼前にまで迫っていたはずの巨体が、消えた。

 驚愕から立ち直りかけていた兵たちの精神は、そのことによって再び動揺する。
 それはほんのわずかではあるものの、彼らの獣化を遅らせた。
 そんな中途半端な状態の彼らの頭上から、巨大な質量が降ってくる。

 月呑狼ハティは消えたのではない。彼らの視界に収まらぬほどの跳躍で、一気に兵たちの頭上へ移動していたのだ。
 兵たちのど真ん中に落ちた月呑狼ハティに潰された兵の苦鳴が響き、戦友のむごたらしい様を見た兵の悲鳴がとどろき、恐怖と裏腹の怒号が飛ぶ。
 肉が潰れ、骨が割り砕かれる音は、幸いにもそれらに呑まれた。

 着地した月呑狼ハティは、兵たちがなにか動きを取ろうとする前に前肢を振り抜く。
 丸太が振り回されているようなその一撃で、獣化を終えていなかった兵が幾人も吹き飛び、その中でも爪がひっかかった男たちは見事に肉を切り裂かれた。
 その主を失った騎竜や、振り払いに巻き込まれつつも生きのびた竜たちが、哀しそうな鳴き声をあげつつ右往左往する。

 それによって隊列はさらに乱れ、巨狼への反撃は余計に遅れる。
 いや、そもそも反撃できるような状況ではなかった。
 巨狼はその巨体ごと、隊列の内側に入り込んでいる。間近にある者が攻撃しようとしても、周りを囲む仲間たちが邪魔になる。外周の者たちは、巨狼に近づくことが出来ない。
 それらを統率し、それぞれに有効な攻撃距離を作らせる指揮官たちの声は、いまだ落ち着かない兵たちの耳には届いていなかった。

 もちろん、月呑狼ハティは部隊が立ち直るまで待つような悠長な真似はしない。
 体を震わせるほどの憤怒に囚われた巨狼は、暗く燃える瞳を煌めかせながら、周囲の空間ごと揺らすような咆哮を叩きつける。
 それによって恐慌に陥るのは、兵よりもまずその騎竜たちだ。主の制御も受け付けず、てんでばらばらの方向に向かう騎竜たちに翻弄される兵を、大顎が襲う。

「ぐっ! 離せ、このっ!」

 甲虫のような硬い外骨格を身にまとった兵が、月呑狼ハティの牙に引っかけられて宙に持ち上げられた。
 おそらく彼は自らの装甲に絶対の自信を持っていたのだろう。巨大な獣の口の中にいることを自覚しても、そこから抜け出そうと手当たり次第にその口元を攻撃するだけの余裕がたしかにあった。

「ぐぉっ!」

 だが、いくら殴りつけようと、腕から生える鋭利な刃物状の器官で切りつけようと月呑狼ハティの顎が開くことはなく、かえってその圧力を増していく。

「貴様……! ぐがっ! やめ、やめろ、やめ……ぎゃああああ!!」

 絶叫と共にぐしゃりと甲殻が潰れる。その合間から肉と血があふれ、月呑狼ハティの口を汚した。
 まだ動きを止めていないその男を、巨狼はぺっと吐き捨てた。べしゃりと落ちた体は、びくびくと痙攣し、そして、二度と動かなかった。

 その光景に、一瞬の静寂が訪れる。

 いや、音はあった。
 月呑狼ハティは次の攻撃に移るために大地を踏みしめていたし、竜たちは興奮して甲高い声を立てていた。獣化した兵たちの装甲がこすれる音も、息づかいもあったに違いない。
 だが、噛み砕かれ、吐き捨てられたその男を見たその時、兵たちの心が転換点を迎えたのだ。
 恐怖が敵愾心に。混乱が怒りに。緊張が解放に。

「攻めろ! それしかないぞ!」
「攻撃だ! 第二小隊、下がりながら撃て!」

 そんな兵たちの心にようやく隊長たちの声が届く。
 そして、鳳落関の兵たちの反撃が始まった。


                    †


「よし、行くぞ」

 戦況を見守っていたフウロがそう指示を下すと、彼女を除いた部下たちは揃って擬装を捨て去り、獣化を始めた。
 鳳落関の兵たちは、月呑狼ハティに意識が集中し、たった十人ばかりの獣化に気づくことはない。

 巨大なカマキリのような祈虫相いのりむしのそうの面々は、いつも通りの大隊長付分隊の五人。
 残りの三人は、全身に棘のようなものを生やす『相』の持ち主だった。体中、特に肩口から高く生えたいくつもの棘のせいで、本来より大柄に見えるその相を、烽火相ほうかのそうという。

「あの、でも、かなり有利に戦ってるようですけど」

 その烽火相ほうかのそうの一人が、巨狼の様子を指さして言う。その手の甲部分も甲殻の上にびっしりと棘が生えていた。
 そして、彼女の言うとおり、月呑狼ハティは反撃を受けつつもしっかりと応戦している。
 まだ追い込まれているとは言えない状況に見えた。

「だから今なんだよ。有利なうちに手じまいにするのがいくさだろ」

 それに見た目ほど有利に事は運んでいない、とフウロは思う。

 いまも、月呑狼ハティは暴れまくっている。その足下には半死半生の兵たちが転がり、その周囲には同じように死傷者や竜が倒れている。
 だが、まだ動ける兵たちは、巨狼の周囲から離れ始めている。攻撃を仕掛ける者もいるものの、それも一撃与えたら別の方に避け、他の者が一撃与えて月呑狼ハティの注意が逸れたらまた攻撃の準備を整えるという風に、組織だった反撃が生じつつある。
 きっとすぐに連携の取れた強力な攻撃へと移ることだろう。

 それで即座に月呑狼ハティが劣勢になるわけでもないのはフウロもわかっていた。
 しかし……。

「それとな。月呑狼ハティにはもう一つ欠陥があるんだよ。あれはとてつもなく体力を消耗する。たぶん、カノコのやつこの後三日は目を覚まさないぞ」
「それほどですか」

 巨狼の姿を取ることがどれほどの負担であるかを理解した部下たちは、もう疑問を述べることなくフウロに従って動き出した。
 打ち合わせ通り、祈虫相いのりむしのそうの五人はその場に留まり、フウロを含めた四人は巨狼が暴れ回る敵部隊に向けて駆け出す。

 月呑狼ハティの存在感に比べれば、彼女たちの動きなど小さなものだ。それでも、彼女たちに気づく者が敵の側にも現れる。

「ここだ。撃て!」

 そこで、フウロは烽火相ほうかのそうの三人に命じた。
 それまでの勢いを無理矢理に殺し、ぐっと構える烽火相ほうかのそうの面々。
 彼女たちの脳裏にフウロの事前の命令が蘇る。

『いいか、ありったけの棘をたたき込め。月呑狼ハティに当たってもいい』
『いいんですか?』
『ああ。かえってこっちを新手の敵だと思ってくれる方がありがたいんだ』
『なるほど』

「それでは、遠慮無くいかせてもらいます!」

 一人がそんな風に叫び、三人の体から、大小とりどりの棘が発射された。体から離れるときに回転が加えられるのか、ゆるく回りながら宙を進む棘。
 その軌跡を目で追えるほどの速度のそれは、敵の頭上にさしかかったところで、一気に爆散した。
 散らばった破片、そして本体の残骸のいずれもが、炎をまとい、後に白煙を引く。
 一瞬にして鳳落関の兵たちと巨狼の頭上がけぶった。

 場合によっては様々な色の煙を生じ、遠隔地との意思の疎通を可能とする発煙(きょく)を放つ烽火相ほうかのそう。けれど、いまはただ煙と炎に重点を置いた棘を放っていた。
 棘から生じた煙は絡み合い重なり合い、分厚くその場を覆っていく。地に落ちた棘はまだそれでも燃え続け、自ら煙を吐き出すと同時に、周囲の可燃物に燃え移っていった。
 中には、運悪く破片が直撃して、その背に炎を背負って転げ回る者までいる。

 もちろん、月呑狼ハティもその煙に巻き込まれ、戸惑ったようにうなりを吐き出していた。
 その巨大な影目指して、フウロが走る。獣化することもなく進む彼女は立ちこめる白煙を利して、その巨狼目指してひたすらに駆けた。

 彼女の姿が自分たちの放った煙の中に消えてしばらく。
 烽火相ほうかのそうの三人は場所を移動し、敵から察知されぬようにしながら、煙の中をじっと見つめていた。
 彼女らとて煙の中を見透かせるわけではないのだが、それでも目を離すわけにいかない。煙が少しでも晴れるようなら、再び棘を撃ち出すよう命じられていたからだ。
 しかし、いまや煙の下には月呑狼ハティのみならず彼女たちの大隊長がいる。軽々に第二波を撃つようなことは出来なかった。

 そうして、彼女たちが焦れ始めた頃、煙の幕を破って、赤毛の女性が現れる。その背にぐったりとした小さな体を背負って、彼女はすさまじい勢いで走っていた。
 逆に置いて行かれそうなその鬼気迫る様子に、烽火相ほうかのそうの三人も撤退を開始する。

 こうして、彼女たちは待機していた祈虫相いのりむしのそうの五人の背に乗って、戦場を離脱した。
 後には煙に巻かれ、敵がいつ消えたのかもわからぬまま混乱する鳳落関の面々が残されるのみであった。


                    †


 鳳落関の追撃を足止めすべくカノコが巨狼に変じて大暴れを始めようとしているちょうどその頃。
 陣城の司令部天幕ではハグマがスズシロからの報告書を読んでいた。
 もちろん、これはヤイトとスオウの会談が行われる以前、ユズリハが解放された庶務中隊を連れて陣を離れた時点で送られたものだ。

「庶務中隊でカラク=イオに参加する者は四百八十七名か。かなりの率だな。憲兵がいるからか……。いや、鳳落関で閉じ込められていたその反発だろうかな」

 呟く声に応じる者はいない。幹部は出払っていて、副官たちは司令部天幕の中でも離れた場所にいる。傍にいるのはその報告書を携えてきた伝令だけだ。

「皆、こちらに向かっているのか?」
「はい。最終的にこちらに属したいと考える全員が」
「なるほど」

 彼のすぐ傍で膝をついている伝令に確認して、ハグマは報告書を置き顎を撫でる。

「いずれにしても、これで騎兵と騎竜歩兵合わせて二千を運用できる、か……」

 カラク=イオの成立を宣言した時点でスオウに従った兵は二千に届かなかった。さらに補給をはじめとする組織運営に必要な人員を考えれば、直接戦闘に関われる戦力は千五百といったところだったろう。
 ところが、庶務中隊はそもそも組織運営を主眼として編成され、訓練された者たちである。
 彼女たちが加わることでカラク=イオは組織としてより強靱になる上に、直接戦闘員をより増やすことが出来る。
 ハグマが言うとおり、その数は二千に達するだろう。

 なお、騎兵とは軽快に動く二脚・四脚竜に乗り、突撃行動が取れる兵を言い、騎竜歩兵とは、輸送型の四脚・六脚竜に乗り、基本的に竜から下りて戦闘する兵を言う。
 徒歩歩兵が多い部隊もあるが、親衛旅団はその点機動力の高い部隊であった。
 もちろん、それはそれだけの竜を養わないといけないということでもあるが……。

「よし、わかった。礼を言う」

 その後も彼はいくつか伝令兵に疑問を確認し、いずれも返答を得られたハグマは伝令の兵にそう言って立ち上がるよう告げた。

「では、ゆっくり休んでくれ」
「返書はお出しになりませんので?」
「どうだろうな。ユズリハたちもこちらに向かっているということであるしな。まあ、必要あるまい」
「そうですか。それでは、一つお耳に入れたいことが」

 ずいと近づいてくる兵にハグマは小首を傾げる。
 あえて口頭で伝えねばならないようなことが生じているとは思えない状況であるから当然であったろう。
 それでも、何事かあったと考えたのだろう彼は、彼女に耳を寄せた。
 あえて断ち切られた左腕の側を彼女に寄せたのは無意識のことだったか、あるいは兵の立ち位置からだったか。

「なんだ」
「実はですね……」
「ああ」
「今日があなたの命日です」

 言葉より前に、彼女の腕がハグマの脇腹に走る。その腕は真っ黒な剛毛に覆われ、鋭い爪を刀のように生やしていた。
 最短距離を走るその手は、人の動きとは明らかに違う。おそらくは見えないところで肩までその体を作りかえていたのだろう。
 さらにその爪は、不気味な色の粘液をまとっていた。

 だが、不自然な色に染まった爪がハグマの体に触れようとしたその時。
 びゅるりっと伸びたものがある。
 肉色の触手、とそれは見えた。
 何本もの触手が女の腕を掴み、その場に留めようとしていた。

「なっ!」

 驚愕の声を上げつつも、女の動きは止まらない。獣化されていないほうの腕で触手をはたき落とし、掴まれた腕はひねりを加えてなんとか爪を届かせようとする。
 けれど、腕を掴む触手は六本にも増えている。人の指ほどの太さのものから、彼女の腕と同じほどの太さのものまで。
 その全ての触手は、失われたはずの左腕から伸びていた。

「隻腕の名に惑わされてくれる者が多くて助かる」
「くそっ」

 暗殺の失敗を悟った女は、ここでハグマを殺すことにこだわるのを止めた。その判断は、けして批難されるほど遅かったわけではない。
 獣化を解くことで触手の締め付けが緩んだ隙に、逃走へ移ろうとする女。

 だが、その鼻先にばしゃりとかけられたものがある。その液体を思わず吸い込んで思い切りむせた彼女は、途端にがくんと膝をついた。

「な……に……」

 自分でも予想できなかった体の動きに、彼女は愕然と声を漏らす。だが、それを疑問に思う思考さえ緩慢に引き延ばされ、女の意識は闇に落ちた。

「なかなかの効き目だな」

 手に持っていた瓶を懐に戻し、崩れ落ちた女の体を腕一本で拘束するハグマ。天幕にいた兵たちが慌てて駆け寄ってきた時にはすでにその左腕から現れていた触手は影も形もない。

 女が自分の暗殺を企んでいたこと、他の幹部にも警戒するよう伝えること、女がおかしなことをしないよう拘束し監視を続けることなどを言い渡し、ハグマは集まってきた部下たちを退かせた。

「ああ、一人残れ。……そこのお前でいい」

 その中で、彼に指名された兵がその場に残る。
 皆が声の聞こえない場所まで移動したところで、彼はその女に笑顔を向けた。
 命を狙われたことの余波か、いつもよりさらに獰猛な、獣のような笑みであったが。

「助かった。事前に注意を受けていなければ、危なかったぞ」
「団長のお健やかなこと、実に喜ばしい限りですわ」

 灰金のゆるやかに巻いた髪を揺らすのは、かつての辰砂の姫、ミズキに他ならなかった。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ