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フェアリィ・ダンス
二刀流最後の使命
 SAOでの戦友、ALOでの好敵手達が我先にと現れた浮遊城に向かって翅をはばたかせ飛んでいく。たった今、澄んだ水色の瞳を持ったアスナが、同じ色の髪をなびかせながら、リーファの手を取って飛んでいった。
 彼女の肩に乗っていたユイが、俺の肩へと移動する。
 俺は一瞬、今は無きあの頃のアインクラッドを思い浮かべた。そして自然とある名前を呟いていた。その城を作り、その城とともに命を絶った男の名を。
 だが、感傷に浸るつもりはない。次の瞬間には俺は顔を上げ、アインクラッドを仰ぐとにやりと笑った。
 上空では仲間たちがホバリングして俺を待っている。
 俺は天を指差して叫んだ。
「よし――行こう!!」
「いや、ちょっと待ってもらおう!」
 俺が言葉を放ち終わった瞬間、上空から叫び声が降ってきた。
 ぎょっとした顔でアインクラッドの方に振り向く一同。だが、彼らのほとんどはその声の主を知っているはずだった。
 もちろん俺も知っている。
 だから叫び返してやった。
「二次会には来れたんだな! インシュヴァルツ!」
 それに応えるように、上空から猛スピードで何かが飛来してきた。ソレは、パーティーの中で一番アインクラッドに近づいていたクラインの目と鼻の先で停止する。
 クラインが、おわっ、と間抜けな叫び声を上げたが、笑いは起きなかった。
 翅を広げたインシュヴァルツが、彼の愛剣、エクスキャリバーを俺たちの方にむけていたからだ。
 何のつもりだ、と言おうとしたが、声が出ない。ふと自分の体を見ると、その体がポリゴンと化して消えていっていた。
「キリト君!」
 アスナの叫びが聞こえるが、どうにもできない。何故だ、という疑問を胸に抱えたまま、俺の視界は黒く塗りつぶされた。
 と、思ったらすぐに光が差した。
 何かサーバーに不具合でもあったのだろうか。そう思った矢先、自分の体がさっきまでよりやけに軽いことに気付く。
 腕を見てみる。特に変わりは無い。身に着けている装備も、全く変わらない。いったいどうしてこんなに体が軽いのだろうか。そこで俺は気付いた。皆の視線、特にSAOでの知り合いの俺を見る目が、さっきまでと変わっている。
「おいおい、どうしたんだよ。そんな驚いた顔して。どうせちょっとラグっただけだろ?」
 俺の言葉に答えたのはぽかんと口を開けていたクラインだった。
「キ、キリト、お前ェ、その姿……」
 そしてその言葉をアスナが引き継ぐ。
「キリト君……どうしてあのゲームの姿になってるの……?」
「え……?」
 俺は困惑した。俺の姿がSAOでの姿と同じ? そんなはずはない。旧ソードアート・オンラインのキャラクターデータは、引継ぎを行ったSAOプレイヤー以外のものは消去されているはずだ。俺はデータの引継ぎを行わなかった。つまり、俺のキャラクターデータはすでにこの世界のどこにも存在するはずが無いのだ。
 いや、もしそれが消去されていないとしたら。
 そんなことができる人間は限られている。新ALOの運営体に属する人間だけだ。そして、今ここにはその一人がいる。しかも、俺の姿はその男が現れてから変化した。だとすれば考えられることは一つしかない。
「どういうことだ、インシュヴァルツ」
 俺は鋭い視線と言葉をインシュヴァルツに向けて放った。SAOでの姿を使わないと決めたのは俺自身だ。それを今更別の人間の手によって変えられたくは無い。
「そのキリトの役目は、まだ終わっていないと言っているんだ」
「どういうことだよ」
「まあ、そう怒るなよ。アインクラッド実装のイベントとでも思ってくれ。キミは、あの世界で俺と戦ったとき、何勝何敗だったか覚えているか?」
 いらないことを思い出させてくれたインシュヴァルツである。俺があの世界で勝てなかったのは唯一、インシュヴァルツだけだ。
「二回、負けたな」
「そう、そしてキミは俺に勝っていない」
「何が言いたいんだよ、アンタ」
 俺がそう言うと、インシュヴァルツは俺に向かってエクスキャリバーの切っ先を真っ直ぐ向け、こう言い放った。
「この城に進む条件だ! 俺に勝て! キリト君!」
 ふっ、と笑いが込み上げてきた。
「アンタ、そんなに熱いキャラだったか?」
「いや、俺の知り合いの真似をしてみただけさ。で、どうするんだい?」
 どうするもこうするもない。あれだけ言われて、引き下がるわけにはいかなかった。
「おい、キリト!」
 クラインが俺に向かって叫んでくる。彼は笑いながら右手の親指を立てて突き出した。
「絶対ェ勝てよ!」
 その言葉を皮切りに、皆が口々に俺に向かって叫んだ。
「いっちょかましてやれ、キリト!」
 ニンマリと笑いながら言うエギル。
「頑張って下さい! キリトさん!」
 シリカと一緒に、彼女の肩の水色の小さな竜が、きゅい、と鳴く。
「君なら大丈夫だ、キリト君」
「アタシたちが応援してるヨ!」
 二人の美人領主の声と共に、シルフとケットシーの数人のプレイヤーが次々と応援の言葉を叫ぶ。
 サラマンダーの将軍ユージーンは、腕を組みながら、行け、とばかりに目線を動かした。
 ユリエールにシンカー、サーシャにレコンも、俺に向かって大きく頷く。
「キリト! 負けんじゃないわよ!」
 リズベットはそう叫んで手に持っていたハンマーを振り回した。
 確か、ティリスと言っただろうか。プーカのプレイヤーも俺に向かって手を振ってくれている。
 その時、すぐ横で風を切る音が聞こえて横を見ると、アスナとリーファが隣で翅を震わせていた。
「キリト君、前みたいに負けたら許さないからね」
 アスナがそう言って笑うと、リーファも言う。
「負けないでね、お兄ちゃん」
「そう。あの人なんか倒して下さいね」
 そう言った相手に俺は驚く。プーカの領主、フィーランだった。インシュヴァルツの恋人である彼女が、どうして俺の応援をするのだろうか。
 オレが疑問に思ったのが分かったのだろう。フィーランは片目をつぶると、俺の耳元で囁いた。
「たまにはあの人を凹ましてやらないと面白くないでしょ」
 俺は笑って、大きく頷いた。そしてインシュヴァルツに向かって声を放つ。
「やってやるよ、その勝負!」
「そう言ってくれてうれしいよ。ただ、完全に俺がアウェーなのが悲しいけどね。まあそれはそれとして、ちょっとアイテムストレージを開いてみてくれ。君の剣が入ってるはずだ」
 インシュヴァルツに言われるままに、俺はアイテム欄を開く。そこはほとんど空だったが、見慣れた名前の剣が二つ表示されていた。
『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』。
 俺はそれをオブジェクト化し、右手と左手にそれぞれ装備する。驚いた。見た目はもちろん、恐らく重さもSAOでのものと同じだ。
 ALOにはこんな剣は存在しない。つまり、インシュヴァルツこと紋白直孝がわざわざ今回のために作ったということになる。
 だが、彼には悪いがこれを使うのは今日で最後だ。元々、二刀流はソードアート・オンラインのキリトの消滅と同時に封印するつもりだった。
 だから俺はインシュヴァルツに条件を出す。
「今回の勝負は受ける。だけど、これが終わったら俺のこのキャラクターデータは絶対に消去してくれ」
 俺の頼みに、インシュヴァルツは頷いた。
「約束するよ。その剣ごとデータは消す」
「頼むぜ」
 ああ、とインシュヴァルツはもう一度頷くと、周りのプレイヤーたちに向かって言った。
「分かってると思うが、絶対に手出しは無用だ。それからキリト君、当たり前だが魔法は禁止だ」
「おいおい、分身できないのに俺に勝てるのかよ?」
 俺がそう挑発すると、もちろん、とインシュヴァルツはにやりと笑う。
「さあ、キリト君。いつでもかかってこい」
「望むところだよ!」
 俺はそう叫ぶや否や、猛スピードで飛び出した。超高速の突進速度を緩めることなく、左手の剣を下からすくい上げるようにインシュヴァルツの胸元向かって突き出す。だがその速さの攻撃を、インシュヴァルツは何とでもないというように大剣で軽々と横に払う。
 しかしそれくらいのことは俺は当然予測していた。左からすくい上げた剣の遠心力に加え、インシュヴァルツが攻撃を受け流すために剣に加えた力も使って俺は一回転すると、さっきにも増したスピードで右手の剣を振り下ろす。
 普通なら、一度攻撃を受けた反動で二撃目には反応が追いつかないはずなのだが、その攻撃すらもインシュヴァルツが咄嗟に右手を引くことによって剣の柄で受け止められた。
 それを確認すると同時に俺は後ろへ下がって距離を取る。
「どうしたキリト君。二刀流はそんなものか?」
「冗談。今のはただの挨拶だろ?」
「そうか。なら今度はこっちから行かせてもらおう!」
 キィィィィンという加速するとき特有の音をインシュヴァルツの翅が響かせる。突撃してきたインシュヴァルツの、空気を揺るがすような上段斬りを、俺は二本の剣を重ねることで受け止める。
 ガァァァァン!! という音が辺りに響き、オレンジ色のライトエフェクトが俺とインシュヴァルツの姿を明るく映し出す。
 だが、その衝撃全てを受けきることはできずに俺の体が後ろへ流れた。その隙を見逃さず、インシュヴァルツは縦横無尽に重撃を浴びせてくる。
 俺はその目にも止まらない連続攻撃を、感覚だけで受け流す。その連撃の間に一瞬だけできた隙を見計らって俺は右手を突き出した。
 首に向かって放たれた突きを無視するわけにもいかず、インシュヴァルツがそれを防御するために連撃を止める。
 その瞬間、俺の顔に笑みが浮かんだ。右手の突きはブラフだ。溜めも短く、適当に剣を突き出しただけの攻撃では、たとえ当たったとしても満足なダメージは与えられないだろう。しかし、インシュヴァルツが防御に回ったところに隙が出来た。俺は右手の剣がインシュヴァルツの剣に当たると同時に、力を溜めていた左手を思い切り突き出す。
 カンッと短い金属音がして、かつて≪ヴォーパルストライク≫と呼ばれたその攻撃に、インシュヴァルツが跳ね飛ばされた。
「今のを防ぐかよ……」
 俺は苦々しげに呟いた。完全に当たったと思った攻撃は、当たる直前に剣でほんの少しだけ弾かれて軌道が逸れた。ダメージを与えていたとしても大したものではないだろう。
 実際、俺の目線の先には不敵に笑うインシュヴァルツの姿があった。カーソルを合わせてみたが、そのHPは一割も減っていない。
 だが、悠長にインシュヴァルツの残りHPを確認している場合ではなかった。
 薄い黄色の光を翅から引きながら、インシュヴァルツが突進してくる。大剣が繰り出す突きを、二本の剣で何とか横に逸らす。
「がはっ!」
 その瞬間、俺の体は吹っ飛ばされた。横から蹴りを入れられたのだ。俺は苦悶の声を上げながらも何とか空中で体勢を立て直す。
 その時にはもう、インシュヴァルツの姿が眼前にあった。
 上から振り下ろされた剣を、右にロールして何とか避ける。そのままインシュヴァルツが横に薙いだ剣の側面を右手の剣で弾き、それを抑えながら左手の剣をインシュヴァルツの体に突き出した。
 しかしその突きは、インシュヴァルツの脇下を抜けていった。
 その剣を、奴は右腕を体に密着させることで挟み込む。
「くそっ!」
 挟まれた剣を抜こうとするが、万力のような力で挟みこまれている剣は俺がいくら引っ張っても抜けない。
 やっと抜けた、と思った瞬間には、インシュヴァルツは俺の右の剣を弾き返し、俺の体のど真ん中にエクスキャリバーを突きこんでいた。
「ぐはあぁぁっ!」
 とてつもない衝撃を受け、俺の体は簡単に宙を舞った。HPバーが今の一撃で五割を割る。
「相変わらずめちゃくちゃ強えーな、アンタ」
 翅を広げて何とか空中で踏みとどまった俺は、インシュヴァルツの姿を視界に捉えながら、そう呟いた。
 それでも、今回は勝ってみせる。
 三回も連続で負けていたんじゃ、格好が悪い。
 俺は両手に持った剣をシャキィィィン! と左右に払い、
「らああぁぁぁぁ!!」
 辺りに響き渡るほど大きな声で咆えると、インシュヴァルツに向かって最高速の突進をしかけた。
 俺の背中から黒いエフェクトが迸る。
 それを見たインシュヴァルツも、翅を震わせて俺に向かって突撃してくる。数秒後、ブラックとゴールドの光の奔流が激突した。
 俺の両手から、無数の剣閃がインシュヴァルツに殺到する。上下左右から襲い掛かる斬撃。対してインシュヴァルツはそれを完璧に叩き落す。
 インシュヴァルツも防戦一方ではない。右と左の剣による攻撃の合間にあるほんのわずかなタイムラグを狙い、俺のHPを少しずつ削っている。
 このままだと負けるのは俺だ。
 俺の残りHPは半分も残っていないのに対し、インシュヴァルツのそれは七割近くも残っている。
 なら!!
 俺は左右の剣の攻撃パターンを変えた。単純な振り下ろしだけで連続技を繰り出す。一撃一撃のスピードが増した。すでに自分の腕を捉えられないほどに。二本の剣は、光となってインシュヴァルツに向かって打ち込まれる。
「うおぁあああああ!」
 インシュヴァルツも驚くべき反応速度でそのスピードについて行く。
 十、二十と金属音が鳴っていく。
 やがてそれは一つのリズムを作り出し、アルブヘイム・オンラインの空に響いていた。
 突然、その周期が途切れた。
 俺が、右手の剣をインシュヴァルツに振り下ろすことなく、真上に放り投げたのだ。光の筋を纏ったまま、エリュシデータが空高く上がる。
 インシュヴァルツはすでにパリィの体勢に入っていた。何十回と繰り返された動作。そのリズムを、急に止めることはできない。
 インシュヴァルツが俺の剣を弾くために払った剣が、俺の肩を切り裂く。そんなものは問題ではない。インシュヴァルツは降りぬいた剣の反動を抑えきれずに、前のめりに体勢を崩す。
 俺はその体に、左の剣を深々と突き刺した。
 ゴッ、という鈍い音と共に、インシュヴァルツのHPバーが黄色になる。
「まだだ!!」
 叫んだ俺の右手が、しっかりと心地よい重さを掴む。
 俺はその剣を、真っ直ぐインシュヴァルツに向かって振り下ろした。胸に斬撃を受けたインシュヴァルツは、膨大なエフェクトフラッシュとともに下に向かって吹き飛ぶ。
「これで終わりだああぁぁぁぁっ!」
 インシュヴァルツが吹き飛ぶ速度を超えて、俺は急降下した。一秒かかることなく追いつき、俺は右手の剣を振り上げる。
 その時、インシュヴァルツの双眸がカッと見開いた。
「ぬおぁああああっ!」
 雄叫びとともに、エクスキャリバーを下から上へと振り上げる。
 手にもった剣とともに、俺の右手がポリゴンと化した。その一撃で俺のHPはレッドゾーンに突入する。
 だがその瞬間、左の剣がインシュヴァルツの横腹に食い込んでいた。
 一瞬、時が止まったように感じられた。
 インシュヴァルツが笑みを浮かべる。
 その顔が、体が、エンドフレイムに包まれた。
 直後、完全な静寂が辺りを支配した。
 それも束の間。
 大歓声が沸き起こった。
 数十人ものプレイヤーたちが、搾り出せる限りの声で叫び、一斉に俺の勝利を祝福してくれていた。
 勝った。
 その実感が、心の底から沸きあがってきた。
 そんな中、アスナが俺の元に近寄ってきた。
「お疲れ様」
 彼女はにこりと笑い、右手を握って突き出してきた。俺は左手で握りこぶしを作り、アスナの手にコツン、と当てた。
「勝ったぜ、アスナ」
 そうアスナに笑いかけようとしたとき、ぐわしと頭を掴まれた。
「やりやがったなキリト!」
 言わずもがな、クラインだった。いい雰囲気をぶち壊しにしてくれやがって、とも思ったが、今はそこまで嫌ではなかった。
 クラインに釣られ、男性プレイヤーばかりが俺の元に集まってきて、肩を叩いたり頭を叩いたり、背中を叩かれたりと揉みくちゃにされる。
 正直。全然うれしくない。
「キリト君」
 凜としたサクヤの声で、やっと俺は解放された。
「蘇生魔法はいいのかい?」
 彼女が指差した先には、インシュヴァルツのリメインライトが漂っていた。一分を過ぎると消えてしまうそれは、今にも消えてしまいそうにゆらゆらと揺らいでいた。
「あ、そうだったな。頼む」
 サクヤが頷き、スペルを詠唱しようとしたとき、
「いや、その必要は無い」
 そんな声と共に、リメインライトが人型へと変化した。
 人の姿を取り戻したインシュヴァルツが、口を開く。
「俺かキミのどちらが負けても、蘇生させるように運営チームに言っておいたからな。それにしても、まさか負けるとは思わなかったよ。キミが負けたときには修行して来いとか言ってアインクラッドに行かせる予定だったんだがな」
「それはご愁傷さまだな。でもさすがだよ。俺もギリギリだった」
 それは本音だ。実際、一瞬でも気が途切れていたら、このデュエルは負けていただろう。それくらい緊迫した、いい勝負だった。
「さて、約束だ。キミの姿を戻そう」
 インシュヴァルツはそう言うと、パチン、と指を鳴らした。
 俺の姿が再びポリゴンに変わっていく。
 今度こそこの姿とはお別れだ。二刀流とも。本当ならそれは、あの城に置いておくものだったのだろう。それを、長々と使ってしまったものだと我ながら思う。
 一度視界が暗くなり、光が差したときにはもう、俺はいつものスプリガンの姿へと戻っていた。
「本当にその姿でいいのかい? キリト君」
「ああ、もちろん」
「ならもう言うことは無いよ」
 インシュヴァルツは微笑を浮かべて頷くと、さてと、と呟いた。
「プレイヤーの諸君! アインクラッド実装のイベントは終了だ! ぜひとも、全力でこの城を攻略して欲しい!」
 俺がインシュヴァルツに勝利したときと同等の歓声が上がる。
「もちろんアンタも行くんだろ?」
 俺がそう尋ねると、インシュヴァルツはもちろん、と当然のように頷いた。
 浮遊城アインクラッド。
 俺の人生の中で、最も大きいと言ってもいい体験をした場所。
「今度こそ、百層全部攻略してやるぜ」
 俺は周りを見渡した。クライン、エギル、リズベット、シリカ、ユリエール、シンカー、サーシャ、サクヤ、アリシャ・ルー、レコン、ユージーン、ティリスにフィーラン。
 皆が力強く頷く。
 最後にリーファとアスナが俺に向かって大きく頷いた。
 インシュヴァルツが不敵に笑う。
 俺はもう一度、天に向かって指差した。
「今度こそ――――行こう!!」
終わりました!
これでフェアリィ・ダンス編終了です!

ある程度匂わせていましたが、初めからインシュヴァルツさんには負けてもらう予定でした。
やはり本当の主人公はキリトであるからということと、絶対に負けない最強の主人公というものを私が好きでないからです。

ライバル、というものがあってこそ、主人公の強さは引き立ちます。
負けてもまた立ち上がる。これこそがバトルものの真髄ではないでしょうか。

このラストが、多くの方に気に入ってもらえたらと思います。

さて、次からは新章に入っていきますが、開始まで一週間以上かかるかもしれませんが、ご了承ください。

それでは皆さん、メリークリスマス。
そして、よいお年を!


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