太陽が切れた日縦書き表示RDF


太陽が切れた日
作:N澤巧T郎


その日、突如として人類から光が失われた。



「何で太陽が出てこないんだ!?」
「このままだと24時間以内に植物は全滅だ!!」
「化石燃料が底をついて20年。ここまで生きて、やっとこの生活にも慣れてきたのに・・・。もう無理だ!!今度ばかりは生きられない!!」



「寒い・・・。寒いよ・・・。お母さん・・・・」
「大丈夫。きっと太陽は再び光りだすに違いないわ。大丈夫」



「ええい。まだ原因はわからんのか!!」
「ダメです!!まったくの原因不明です!!それにあと1時間しか電気が持ちません!!」
「なんてこった。発電はほとんど太陽光発電だった。それが使えないとこうも早く電気は底をつくのか」



「人間は強くなりすぎたのかもしれん・・・」
「長老・・・」
「しかし・・・もう一度、もう一度だけ美しい朝日を・・・見たかった・・・」
「長老・・・」



「おお・・・これは・・・」
「赤道直下のこの国に・・・雪が降るなんて・・・」
「冷たい・・・」



「大変だ!!」
「どうした!?」
「核ミサイルが・・・発射されました・・・」
「なっ!!」

プシュン

「電気が・・・なくなりました」
「もう・・・おしまいだ・・・」



「真っ暗だね」
「ああ・・・」
「おとうさん?どこ?」
「ここだよ。ちゃんと捕まって」
「暖かい・・・・」
「・・・あっ、流れ星」
「ホントだ!太陽が昇りますように。太陽が輝きますように。地球が光に包まれますように」
「ねえ、とうさん・・・。消えないよ・・・。あの、流れ星・・・」
「なんか、こっちに向かってる・・・」

ゴオオオオ!!!

「お父さん」

ギュッ

「愛してる。たとえ何があろうと愛して」

ピカッ

「太陽ッ!?あっ・・・」

ドグォォォォン!!!!!



「月もない・・・。星もない・・・。光と言う光がなくなった・・・」
「ああ・・・。あああ!!!ああ・・・!!」
「どうしたの?おばあちゃん」
「見えない!!見えないの!!!」
「えっ?でも、おばあちゃんは昔から眼は・・・」
「違うの・・・違うのよ・・・。光が・・・希望の光が・・・」
「え?」
「希望の光が・・・消えた・・・。見えなくなった眼にもはっきり見えた。希望の光が・・・。もう、見えない・・・」



「だめだ。猛吹雪で道がふさがれて、もう出れない」
「もうだめだね・・・。私達・・・」
「そんなこというなよ。まだまだこれからじゃないか。それに、おまえはもう一人だけの体じゃないだろ」
「そうだったわね」
「さあ、もう寝よう。眼が覚めたらそこは元の地球に戻ってる」
「・・・もし、食料がなくなったら・・・。私を食べていいからね」
「バカなこと言うな。ほんとに食べるぞ」
「うれしい」
「ばか・・・」

ミシ

ミシミシ

ミシミシ!!

・・・・

ボギッ

グシャッ!!!

ゴォォォォォ!!




「もうこの機の燃料も底がつきます」
「そうか・・・雲の上なのに夜が明けない・・・機内アナウンスを」
「はい」

カチ

『これより当機は雲の下へ降ります。雲の下がどのような状況なのか予想できません。空港からの連絡も途絶えています。しかし、我々は全力をかけて皆さんを地上に無事に帰還させます。みなさん。これより、雲の下へと降下します。幸運を。グッドラック』
「よし、行くぞ!!」
「はいっ!!」

ゴォォォォ!!!

ガタガタガタガッ!!!

「クッ!!なんだこの吹雪は!!」

ゴロゴロゴロッ!!

ゴオオオオ!!

「雲っ、抜けます!!」
「な、なんだこれは・・・!!」
「う、海はどこ行ったんだ!?」
「陸地が見えない!!一面氷だらけだ!!」

ガタガタッ

「ダメだっ!!雲を抜けてもこの吹雪じゃっ」
「あきらめるな!!!最後まで・・・。そう、最後の最後まであきらめるな!!!」
「クソォッ、このままじゃ激突だ!!」
「上がれええぇぇ!!!アガレエェェェ!!!!」

ドガァァァン!!!!

ゴォォォォォ!!!!

ゴォォォォォ!!!!

ゴォォォォォ!!!!

ゴォォォォォ!!!!








ガチャ

「いやあ、昨日の飲み会は盛り上がったな〜。あ、しまった。太陽のタイマーセットしとくの忘れてた。あ〜あ、また全滅しちゃった。まあいいや。また最初からやればいいんだし。“地球育成キット”」


tHe EnD


忘れ物をしないように













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう