まだ終わらないわよ!
振り返ってみれば、むしろ 楽しかった。
達成できたから、いえるんだろうけど。
改めて、みんなに お礼を込めて 熱がこもった朝礼をやった。
「皆さんのお陰で 物流センターは 運営が出来ています」
本当にありがとうと。
助けてくださいといえる素直な間柄
ありがとうといえる素朴な間柄
柏木の青筋大根ヤローのお陰で、苦労したけど、振り返ってみれば いろんなことが確かめられた
それはそれで。
振り返ってみれば、むしろ 楽しかった。
でもって、数日後
今日は、重役に呼ばれて 報告 兼 慰労の食事会、やってもらいました…!!
本当なら 最後の一勝負を決めてくれた武藤の親父さんが行くべきだけど、
「馬鹿野郎、俺は お上と泥棒は 大嫌いなんだ」断ったので 代理で私が行くことになった。
明日、いよいよ 相手側の商品が 初めて入ってくるのになぁ…ったく 偉い人って全てが他人事なんだら。
ま、でも 料理は 美味しかったからいいや。
「蕃昌、送っていく」
珍しく重役連中が足取りもしっかりとタクシーで帰っていったから、らしい
店先に二人残され、二人で 夏の夜風を浴びる
さすがに 調子に乗って飲みすぎた。夜風が気持ちいい
代行運転の業者の電話番号、聞いてくる。と 青白のっぽのセロリ君(柏木のことね)は 店に戻っていった。
今日は、月が綺麗だ。風もあって、いい夜だね
そんなこととかで 理由をこさえては 飲もうとする武藤の親父さん
馬鹿野郎、大人の楽しい酒ってのは そういうもんなんだ
昔 言っていたなぁ、なーんて 思い出してふと。
MRセロリが未だに帰ってこないことに気が付いた
アンタさあ 代行ぐらいチャッチャと調べなさいよ、と勢いよくドアを開けたら
「いらっしゃいませ」の声が聞こえるよりも早く気が付いたのは…
視界の先で 壁にもたれる男の横顔だった。
「蕃、わるい」え?何 なに? あ、あーっ!!
上品なBGMの中 どさくさに聞こえた ぼたぼたと流れ落ちる水音。
…はきやがった…
人の慰労会なのに。
「送ってもらう」が「送ってあげる」に変わったのは 言うまでもない
そして、この日の夜、とんでもないどんでん返しがあったのも、また別なお話。