第3章 文月学園美少女コンテスト
第十二問 美少女コンテスト高二の部~一回戦目~ ④
『続きまして……これまた二年F組からの出場者です……島田美波さん、どうぞステージへ!』
「お姉さまぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
……清水さん、最初からテンション高すぎだから。
周囲のお客さんが、みんな同時に引いてってるから。
……会場に立つ美波の顔も、どこか引きつってるし。
収拾がつかなくなる前に……どうにかした方がいいだろうなぁ。
『……それでは最初の質問です』
「流した!?」
あれだけのインパクトがあった清水さんの言葉を、いとも簡単に流しただと!?
この司会者……出来る!!
『先ほどの「お姉さま」発言とは……一体何なんですか?』
……ですよね~。
気になりますよね~。
……当り前だ、最初にあんな言葉を聞いた人が、その言葉の裏について知りたがらないはずがない。
つまり、この司会者は……ちゃんと人間やってるんだなぁ。
そんなことを、僕は考えていた。
「えっと……それは、美春が勝手に言ってることで……」
「そんなお姉さま!あの日私と交わした約束は……一体どこへ行ってしまわれたのですか!?」
「あの日っていつ!?それにウチは、美春と約束なんか交わしてないわよ!?」
「いいえお姉さま……私と一緒に、幸せの道を歩んでいくことを誓い合ったではないですか……まさか忘れてしまわれたというのですか!?」
『……えっと、それって……』
「嘘です!美春が言ってることは、全部嘘だから!!」
……美波が必死に違うと言い張っている。
けどこの様子じゃあ……全校生徒に同性愛者だと植え付けられてしまうのではないだろうか。
いや……もう遅いかもしれない。
『おいおい……島田って同性愛者なのかよ……』
『マジか……少し狙ってたのに……残念だぜ』
『さすがは彼女にしたくないランキング3位の実力者……その実女子に気があったとはな……』
ああ……あられもない噂がどんどん広まって行く。
このままじゃあ……美波の評価がどんどん下がって行くなぁ。
大丈夫かな美波……明日から学校に来られなくなっちゃいそうだけど……。
「う、ウチは……ウチは普通に、男子の方が好きだから!!」
『……その話、もっと詳しく聞かせてもらえませんか?相手は誰です?同じクラスメイトの……いや、それはないか。あそこは異端審問会というグループが……』
なんでこの司会者はFクラスの事情をここまで知っているのだろう。
須川君率いる異端審問会の存在を知っているとは……同じ学年ならともかく、この人は見た感じ上級生だ。
よっぽど情報収集能力が高い……いや、単なる暇人なのだろう。
それよりも……受験はいいのだろうか?
「そ、そんなの言えないわよ!ウチが誰のことが好きだろうと、貴方達には関係ないじゃない!」
「関係大ありですよお姉さま!あんな豚野郎のどこがいいと言うのですか!?」
……清水さんは誰のことだか分かってて言ってるのだろう。
それにしても、美波が好きな人って……本当に誰なんだろう。
前はオランウータンのことが好きとか言ってたけど……あれは嘘みたいだし。
「……明久、お前って本当に幸せな頭持ってるよな」
「へ?」
「…………鈍感は、罪」
「何を言ってるのさ、二人とも」
「明久は本当の意味で……バカなのじゃのう」
「秀吉まで?!」
この三人が言ってることが、僕には分からない。
けど……なんとなくだけど、僕は美波には……あまり票が入らないだろうと考えたのだった。
『……それでは、私と一緒に、学校の裏で愛を……』
ドスドスドスドス! ←シャーペンが刺さる音。
「……お姉さまに、近づくな……この豚野郎が」
『……すみません、でした』
清水さんの暴走が始まったところで、美波の出番はおしまいとなった。
……結局、美波はほとんど質問に答えられなかったみたいだ。
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