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第3章 文月学園美少女コンテスト
第十一問 美少女コンテスト~男子女装の部~ ⑤
「……ムッツリーニ、いろんな意味でお疲れ様」
「…………認めない。こんなこと、絶対に、認めない」

ムッツリーニが、先ほどから念仏のようにこんなことを呟くのにも納得がいく。
原因は、先ほどのコンテストの結果だ。
……どうにも観客達の受けもよかったらしく。
結局、ムッツリーニが優勝という形で、男子女装の部は幕を閉じたのだった。
ちなみに、僕は3位くらいだったと思う。
危なかった……もう少し点数が入っていたら、ムッツリーニの点数に到達していたかもしれない。
ムッツリーニには悪いけど、今回は1位にならなくて本当によかったと思う。
賞品も、あまり僕には必要ないものだったしね。

「よかったよ、ムッツリーニ君。ボク、ムッツリーニ君の女装姿を見て、少し興奮しちゃったよ」
「…………全然嬉しくない。それに、見え見えの嘘はつくな」
「ちぇ。本当のことなのにな……なんなら、僕のスカートの中、見る?」
「!!…………(ブシャアアアアアアアアアアアアア!!)」
「む、ムッツリーニ!?」

工藤さんがスカートの裾をチラッと見せたりするから。
ムッツリーニが鼻血を出してノックダウンしてしまった。
……何だろう、僕も鼻血が……。

「「成敗!!」」

ブスッ。
僕の眼の中に、姫路さんの指と美波の指は侵入してきた。
……って、これはまさか眼つぶし!?

「ぐわぁあああああああああああああああ!僕の目が、目がぁあああああああああああああああ!!」
「自業自得だよ、明久君」

何でだろう。
亜美の目がとてつもなく冷たい。
うん、今の亜美の目は、僕相手なら確実に殺せると思うよ。
ところで君は、いつからそんな目をするようになったんだい?

「しょ、翔子!何しやがる!?」
「……緊急措置」
「緊急措置で目を潰す奴がいるかぁ!?」

……雄二も雄二で苦労しているようだ。
今度気が向いたら、一緒に何処かへ行こうかな。
本当に気が向いたら、だけど。

「さて、男子女装の部も終わったし、次は一年生の部だよね」
「その次は二年生の部、か……うう、少し緊張してきたかも」

工藤さんの言葉に反応するように、亜美もそう言った。
確かに……これからがこのコンテストの本番ともいえるだろう。
それだけに、次の審査は激しいものとなるだろう。
何せこの学園の全校生徒が審査員になるようなものなのだ。
生徒達の……とりわけ男子達の目が怪しく光ること間違いなしだ。
無論、僕は姫路さん達の中から誰が優勝してもおかしくはないと考えているけど。

「けど、秀吉を見れないのは少し残念だな……」
「本当よ……運がよかったわね、木下」
「じゃから、ワシは男じゃと、何回言ったら分かるのじゃ!?」
「……ごめん、秀吉君。もう私もフォロー出来ないや」
「いいんじゃ……分かってくれるだけで、ワシは満足じゃ……」

悲しそうな表情を浮かべつつ、亜美の目の前でガックリと項垂れる秀吉。
め、珍しい……秀吉があんな格好をするなんて。

「ん?今秀吉君に嫉妬した?」
「え?何で?別にそんなんじゃないけど……」

突然亜美が、僕の方を明るい笑顔で見てきた。
けど、秀吉に嫉妬したっていうのは、どういうことなのだろうか……。
確かに、女子同士の恋愛というのは、少しどうかと思うけど。

「大丈夫だよ、明久君。私の心は……今でも明久君にあるからね♪」

ギュッ。
言いながら、亜美は僕の身体に抱きついてきた。
ちょ、ちょっと!?
僕の腕に、その……胸が……当たってるんですけど!?

「あ、亜美ちゃんずるいです!それなら私も……」
「瑞希!?亜美!二人ともずるいわ!ウチだって……!!」
「うわっ!ちょっと、三人共、さすがに苦しいってば……」

僕は何故か、三人に抱きつかれるという謎の事態に陥っていた。
その、僕の身体に……いろんな物が、当たってるというか……。
その感触を確かめる前に、息が苦しくなってるのですが……。
結局、この体勢を解除されたのは、高校一年生の部が始まってからとなったのだった。













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