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第3章 文月学園美少女コンテスト
第十一問 美少女コンテスト~男子女装の部~ ①
【第十一問】 校内アンケート

「貴女がこの第一回文月学園美少女コンテストに参加しようと思った理由を書きなさい」

姫路瑞希の回答
「昔から身体が弱く、こういった行事に参加することが少なかったので、今回はこのコンテストに参加してみようと思いました。後……あの人に私の想いを聞いてもらう為でもあります」

教師のコメント
確かに、姫路さんは少し身体が弱い一面があるようですからね……こういった行事にどんどん参加してくれるのは、先生としてもとても嬉しいです。最後の言葉が少し気になりますが……。

島田美波の回答
「ウチの魅力をもっと知ってもらいたいと思ったからです。後……木下には負けたくないと思ったからです」

教師のコメント
『木下』というのはAクラスの優子さんのことですよね?決してFクラスの秀吉君の方ではありませんよね?

牧野亜美の回答
「出てみたいと思ったからです」

教師のコメント
せめてもう少し煮詰まった答えを書いてください。











ついにこの日がやってきた。
第一回文月学園美少女コンテスト。
僕にとっては、ろくでもない事態が予想されそうな……本来なら楽しくなるはずの美少女コンテスト。
傍観者に徹することが出来る雄二はともかく、僕とムッツリーニは、今回参加する側に回ることになっている。
つまり……僕は無条件ですばらしい状況に置かれているということになるのだ。

「うう……しかもよりによって、何で最初の最初に『男子女装の部』なんだよぉ」
「…………初戦敗退がベスト」
「そうだね、ムッツリーニ……ここは絶対に落選して、早く栄光の理想郷アガルタを眺めることにしよう!」
「…………ああ」

僕とムッツリーニは、開始直前の男同士の誓いを結ぶ。
……やはり、持つべきものは、心の友だね。

「お前ら、朝っぱらから何青春漫画の一コマみたいな会話してるんだよ」
「雄二……お前にはわかるまい。男なのにこんなことをしなくてはならない者達の悲痛の叫びを!」
「…………恥ずかしいでは済まされない。勝つ毎に、男として何かが失われていく」

まったくもって同感だ。
僕も男なのだ。
こんなコンテストで優勝なんてした日には……男として何かを失うことになる。
ちなみに、男子女装の部は参加者は限りなく少ない。
だから、一回しか審査は行われない……故に、この一回こそが勝負なのだ。
ここで如何なる方法で審査員にマイナスの印象を植え付けるかがポイントとなってくる。
いずれにしろ……僕達はプラスの印象をもたれてはならないのだ。

「お前ら……いやに決意に満ちた表情だな」
「もちろんさ!今日の僕達は全力で負けに行くよ!その後に行われる姫路さん達のコンテストを見る為にもね!雄二だって、内心では霧島さんのことを応援してるんじゃないの?」
「なっ!……そ、そんなわけあるか!」

雄二にしては珍しく狼狽する。
やっぱり雄二も、なんだかんだ言って霧島さんのことが好きなんだと思う。
けど、素直になれないんだよねぇ……雄二も困ったものだよ。

「俺からしてみれば、お前の方がよっぽど質が悪いと思うけどな」
「へ?僕?何でさ。僕なんかは女性にモテるという経験すらしたことないから、そんなことないと思うんだけどなぁ」
「…………その鈍感さ。時に罪」
「え?ムッツリーニ?」

何でだろう。
今この場において、僕の味方になってくれそうな人がいないんだけど。
……せめてムッツリーニだけは味方になってくれると思っていたのに。

「何をそんなに騒いでおるのじゃ?」
「秀吉!」

声がしたと思ったら、そこには秀吉がいた。
……けど、秀吉の出番はまだだったはず。
いや、コンテストに参加する表明をしたかどうかは分からないけど、参加するのだとしたら、確か高校二年女子は、三番目だったと思う。
だから、秀吉はまだ観客席、もしくは控え室にいるべきなのだ。

「ところで木下。お前はコンテストに参加はするのか?」
「む?ワシか?ワシはあの後島田達に無理矢理参加届けを出させられそうになったのじゃが、何でも締め切りだったらしくて、まぬがれたのじゃ」
「なん……だと?」
「…………くっ!」

僕とムッツリーニは、なんとも悔しそうな顔をする。
このままでは……クラスの男子の大部分が悲しい表情を浮かべるだろう姿が思い浮かべられる。

「秀吉……今からでも考え直してはくれないのかい?」
「お主はワシに何の期待を抱いておったのじゃ、明久」

さて、そんな会話をしているけど。

『男子女装の部に参加される方、至急会場に集まってください!』
「……いよいよだね、ムッツリーニ」
「…………男の尊厳をかけた戦いが、始まる」
「……何のことかは分からぬが、とりあえず二人とも、頑張ってくるがよいぞ」

秀吉の応援もあったことだし、思い切ってコンテストで敗退してくるとしよう!
















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