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第2章 長期休暇のお出かけ
第十問 ショッピングモール ⑤
その後も、僕達はいろんな場所を巡り歩いた。
無意味にばか騒ぎをしているようで、なんだかとっても楽しかった気がする。
終わってみれば、もう外は暗くなり始めていた。
それはもう、夕焼けがかなり綺麗に見える程に。

「さて、来週の日曜日は美少女コンテストがあるわけだけど……姫路達は目的のものは買えたのか?」
「は、はい……何とか買うことが出来ました……写真も含めて」
「アキの協力もあって、買うことが出来たわ……写真も含めて」
「もちろんだよ。明久君に選んでもらった服を買ったよ!……写真も含めて」
「三人共、そろって最後の方に何を言っているのさ!?」

間違いなく三人共『写真も含めて』と言っていた。
それはつまり……僕の女装写真を買ったということになるのだろう。
僕の写真が……僕の写真がドンドン広まっていく!

「そう言えば私のクラスでも明久君の女装写真が欲しいって言ってた人がいたよね……ねぇ、翔子ちゃん、愛子ちゃん」
「う、うん……確かにそう言ってたよね」
「……言っていた」

誰だろう……僕の女装写真なんかを好き好んで買うような人は。
少なくとも、亜美達以外で。
しかもAクラスで?
……ますます分からない。

「それって誰なの?……亜美」

気になった僕は、亜美にそのことを尋ねてみる。
すると、亜美が答えようとした所を、

「やめとけ、牧野。言えば明久が悲しみのあまりに不登校になる可能性がある」
「え?何で?」
「……それはだな」

ゴニョゴニョ。
雄二が亜美の耳元で何かを囁いている。
すると、亜美の顔がいきなりボン!と赤くなり、そして、

「な、なんでもなかったの、明久君……私の勘違いだったみたい」
「いや、そんな顔を真っ赤にした状態で言われても、信じてくれんじゃろうに……」

呆れながらも、秀吉がそう突っ込みを入れる。
……そう言えば、一つ気になることがあったんだっけ。

「ねぇ秀吉」
「む?何じゃ明久」
「そう言えば秀吉はさ……美少女コンテストに出るの?」

そう言えば秀吉の意見だけは一度も聞いたことがなかったっけ。
今このメンバーの中でコンテストに出るのが、僕(強制)・ムッツリーニ(強制)・亜美・美波・姫路さん・工藤さん(さっき確認済み)・霧島さん(こちらも確認済み)の七人。
雄二と秀吉と葉月ちゃんを除く全員が、コンテストに参加するということになる。
というか、女子はほとんどオールメンバーじゃないか。

「ワシは……今回のこの行事はパスさせて貰おうと思うておる」
「な、何だって!?」
「…………俺達の期待を、裏切ると言うのか?」

なんてことだ……。
秀吉がコンテストに参加しないんじゃ、この学園に通う男子の楽しみが一つ減ってしまうではないか!
みんなの為にも、ここは一つ、秀吉にコンテストに参加して貰わなくてはならない―――!!

「秀吉、君は絶対にコンテストに参加するべきだよ!そうすれば優勝はともかくベスト3には入ると思うよ!」
「…………無論、高校二年女子の部で」
「ワシは男だと何回言ったら分かるのじゃ!それに島田達も、そんな目でワシのことを見るのではない!」

気付けば、美波と姫路さんが、秀吉に向けて敵意を放っていた。
女同士の真剣勝負か……なんだかいいなぁ。

「お姉さん、頑張ってくださいね♪」
「だからワシは男じゃ!お主までそのようなことを申すか!?」
「……雄二をたぶらかしたら、どうなるか分かってるよね?」
「だからお主らは何を申しておるのか!」

とうとう霧島さんまで秀吉に敵意を向け始めた。
……秀吉、こうなった以上、コンテストに参加する以外に道はないよ。

「こうなったら……コンテストで勝負よ。木下!」
「そ、そうです!私達と正々堂々勝負して下さい!」
「……いや、秀吉君は男じゃないの?」
「「「「!?」」」」

……今、亜美の口から信じられない言葉が発せられたような気がする。
秀吉が……男、だと?
そんなわけないじゃないか!
秀吉はれっきとした異性なんだ!!

「お、お主……ワシが男だと気付いておったのか?」
「えっと……気付くもなにも、秀吉君はどう見ても男……キャッ!」
「ワシのことを男と認識してくれたのは、お主で三人目じゃ!牧野!」

秀吉が、乱心のあまりに亜美の肩を掴み、思い切り揺らす。
……間違えられていると言うのに、何故にここまで秀吉が喜ぶ必要があるのだろうか。

「……まぁ、木下からしてみれば、よっぽど嬉しいことだろうな」
「……性別間違えられていると言うのに、どうしてそこまで嬉しいのかな……」
「……明久、お前はもう少し秀吉のことを想って発言してやれ」

どうして雄二に気を使われる必要があるのだろうか。
何だか少しだけショックだなぁ。
結局、秀吉が美少女コンテストに出るのか出ないのかは分からないまま……とうとうその本番の日となったのであった。













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