ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第2章 長期休暇のお出かけ
第七問 アイドルになった理由 ①
【第七問】 世界史

以下の問いに答えなさい。
「『太陽王』とも呼ばれる、フロンドの乱にてフランス最後の貴族の反乱を抑えたフランス絶対主義を象徴する皇帝は誰か答えなさい」

姫路瑞希の答え
「ルイ14世」

教師のコメント
正解です。ルイ14世の元にいた宰相をマゼランと言い、ルイ14世自身は『朕は国家なり』などの言葉を残したとも言われています。また、ヴェルサイユ宮殿に住んでいたことも有名ですね。

土屋康太の答え
「山田ルイ53世」

教師のコメント
決してひげ男爵ではありません。

吉井明久の答え
「国王」

教師のコメント
斬新でいいアイデアです。先生はこういう答えは嫌いではありませんよ?








連休二日目。
僕は亜美に言われてとある場所に来ていた。
その場所というのが、

「……なんで、テレビ局?」

さすがは亜美だ。
集合場所の設定に、テレビ局を持ってくるなんて。

「それにしても、僕がここにいてもいいのかな?」

若干不安が残る。
一般人である僕がテレビ局の前にいてもいいのだろうか?
しかも……ここ一般客用の入り口じゃなくて、関係者用の入り口だし。

「明久君~!」
「亜美?」

その時、こっちに向かって走ってくる影が一つ。
お団子のように纏めた髪が、走るたびに揺れる。
そんな姿も、亜美の魅力を一層惹きたてているように思えた。

「ごめん明久君……待った?」
「ううん、全然待ってないよ。それより亜美、どうして今日はテレビ局を集合場所にしたのさ?」

僕は疑問に思っていたことを亜美に言う。
すると亜美は、待ってましたといわんばかりの笑顔を見せて、

「午前中はテレビ局で撮影があるから、明久君にもその様子を見てもらおうと思って」
「え?撮影?」

なるほど……アイドルに休みの日はないというわけか。
けど、仕事あるのなら他の日にするとか方法があっただろうに……。

「昨日は仕事があったし、瑞希ちゃんの予定と合わせると、今日しかなかったんだ……それに、今日はちょっと重大なお話もあるしね」
「重大な話?それって何のこと?」
「まだ内緒だよ。それは向こうに行ってから答えるね」

う~ん、何だろう。
少しだけ納得いかないけど……ま、いっか。

「とりあえずまずは中に入ろうよ」
「え!?……でもここ、関係者用玄関だよ?」
「いいんだよ。明久君のことはテレビ局の人にはもう話してあるから」

す、凄い……。
テレビ局の人に僕のことを伝えてあるなんて。
さすがは亜美……行動力があるなぁ。

「おはようございます。いつもご苦労さまです」
「ああ、おはよう亜美ちゃん……ん?隣の男の子って、もしかして……」

なにやら亜美が、入り口付近にいた40代半ばの男性警備員に話しかけている。
……まさか、僕はここで門前払いとかそういう展開になるのではないだろうか?

「はい!その通りですよ!」
「おおそうか!……君がうわさの吉井明久君かい!」
「ふぇ?あ、はい。そうですけど……」
「いつも亜美ちゃんがお世話になっているね。今日のところもよろしく頼むよ?」
「は、はぁ……」
「君なら大歓迎だよ。遠慮せずに中を見学していくといいさ」

……あっさりと中に入れちゃったよ。
あの警備員の人がフレンドリーな人で助かったような気もするな……もしあそこで厳つい男の人とかが出てきたら、即座に怒鳴られて追い出されていたかもしれない。
更にその人物が鉄人みたいな人だったりしたら……もう最悪だ。

「どうしたの明久君?そんなところで突っ立ってたりして」
「あ、ううん。何でもないよ……それよりも、やっぱり中って広いよね」

話題を変える為にも、僕は亜美にそう言ってみる。
確かにテレビ局の中は広い。
関係者用の入り口から入った為か、普通にテレビ局の中に入ったのでは見ることが出来ないところまで見ることが出来たりもする。
ちょっと得した気分だ。

「そうだね。いつも来てるところだからそうでもないと思ってたけど、改めてみてみると、やっぱりここは広いよねぇ」
「慣れると中身も分からなくなるって、本当のことなんだねぇ」

そんな他愛もない会話を交わしながら、僕達は中を歩いていく。
中をいろいろ見て回って、道行くスタッフに挨拶をして、そうしているうちに、

「ふぅ~着いた」
「ここって……亜美の控え室?」

扉に『MARNO様』と言う文字が書かれている紙が見えた。
恐らくここが、今回のテレビ番組の収録用に用意されていた亜美の控え室なのだろう。
と、言うことは……そろそろ僕はどこかに行った方がいいよね。

「それじゃあ僕はこの辺で……」
「え?どこに行くの明久君?」
「へ?だって亜美が控え室まで来たってことは、僕は一旦ここから出なければならないってことじゃないか」
「だってここ……私だけの控え室ってわけじゃないよ?」
「……え?だってここ亜美の控え室なんじゃ……」

そう言ってから、僕は改めて扉に貼られている紙をじっくりと、よ~く見てみる。
するとそこには……。

『MARNO様・吉井明久様専用控え室』

「……なんで僕の名前が?」

何故か僕の名前まで、しっかりと書かれていた。
















+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。