ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第2章 長期休暇のお出かけ
第六問 二人きりのお出かけ ①
【第六問】 数学

以下の問いに答えなさい。
「第10項が150、第25項が390である等差数列{An}の一般項を求めよ」

姫路瑞希の答え
「An=16n-10」

教師のコメント
おみごとです。最初に初項Aと交差dを、公式「An=A+(n-1)d」を利用して解くことも忘れないようにしましょう。

土屋康太の答え
「An=あえぎ声」

教師のコメント
数学でもなんでもありません。これじゃあただの喘ぎ声です。

吉井明久の答え
「An=携帯会社」

教師のコメント
ここは笑点ではないので、うけを狙う必要はありません。











連休一日目。
本日は晴天なり。
そして……見事なお出かけ日和である。
こんな日は、家の中でゆっくり過ごしたいけど……今日は約束がある為外に出なければならない。
何を隠そう……これから美波と二人きりでお出かけなのだ。

「うう……緊張するなぁ」

さすがに美波と二人でどこかに出かける経験はなかったからなぁ。
何度か二人で行動を共にしたことはあっても、朝から二人だけで行動する機会なんてそうそうあるものじゃないし。
何より……いつも僕が美波と一緒にいると、どこかしらで必ず制裁タイムが待ち受けているし。

「……発言には気をつけないと」

今日は余計なことを言わないようにしないとね。
折角美波と二人で出かけるのに、お互い嫌な雰囲気のままでいるのも何だか嫌だし。

「……さて、そろそろ行くか」

待ち合わせは学校の前だったはずだ。
どんな格好をすればいいのかよく分からないけど、荷物はそんなに持っていく必要はないんだよね……?

「……って、よくよく考えてみれば、この三連休で、僕は三人の女の子と二人きりで出かけるんだよね?」

……女の子とと男の子が二人きりで何処かへ出かけに行く。
これってもしかして……デートなんじゃないだろうか?

「ということは……僕は三日間で三人の女の子とデートすることになるのか?」

……なんてことだ。
そんなことに気づかないなんて、僕はなんて……バカなんだ。
何だ、そういうことなんだ!
それなら今日は、おごらされる心配とかしなくてもいいってことじゃないか!
……まぁ、罰ゲームが重なってるから、結局今日一日は美波の言うことを聞くことになってるんだけどね。
お金はいくら持っていけば足りるかな……。

「うう……さらば僕の英世……」

恐らくは今日一日で消える僕の野口英世達に、とりあえず分かれの言葉を告げておく。
彼らとも、今日でお別れということになるのか……。

「その前に、今日はどこに行くんだろう?」

そう言えば三人とも、『行く場所は当日に発表するから、それまで楽しみに待っていてね』なんて感じのことを言ってたっけ。
う~ん……分からないな。

「何で当日まで行き場所を言わないんだろう?」

特に深い意味はないと思うけど、少しは気になる。
……今ここで考えても仕方がないので、僕はそろそろ家を出ることにした。

「鍵を閉めてと……行ってきま~す」

今は誰もいない空間に、僕はそう告げる。
そして、僕は美波との待ち合わせ場所である学校校門前に向かった。











『いいか。吉井と島田にはバレないようにするんだぞ?』
『(…………コク)』
『……お主ら、これを三日間続けるつもりか?』
『無論だ。明久がこれほど面白そうな状況下になっているのに、俺達がその行方を見守らないわけがない』
『いや、これは見守るというよりは……ストーカーになるのではないか?』
『気にするな。これは偵察任務だ』
『…………カメラも完璧』
『いや、そういう問題ではないのじゃが……』
『木下。お前は気にならないのか?アイツらがどんなデートをするのか?』
『……まぁ、気にならなくもないが』
『なら、いいだろ?』
『う~む……今回限りじゃぞ?』
『よしっ。明久を見失わない内に、俺達も後をついてくぞ』
『…………了解した』
『……まったく、どうなることやら』













+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。