第1章 アイドルとの出会い
第五問 その男、かなり危険 ②
僕はあの後、鉄人がHRにくるまで解放されることはなかった。
いつもはただの口うるさい教師だけど、こういうときだけは何とか役にたってくれるらしい。
これでようやっと自由になれると思ったら、
「……アキはここにいて」
「……え?」
いつの間にか僕は、姫路さんと美波、そして亜美の三人に囲まれていた。
何でだろう……三人とも何処か真剣な表情をしているのは。
「あ、あの……ですね」
「うん?」
「今度連休があるじゃない?」
「連休?……確かにあるね」
確かもうすぐ大型連休があったはずだ。
その日に、姫路さんと美波、亜美の三人は何をしようと言うのだろう?
「それで、休みはちょうど三日間あるじゃない?」
「……まさか」
「そう、そのまさかだよ」
亜美が僕の言葉を受けて途端に笑顔になる。
ま、まさかこの状況は……。
「明久君。今度の三連休は、私達と……」
「失礼。吉井君はこの教室にいるかい?」
その時。
扉を開けて、誰かが入ってくるのが見えた。
あれは確か……。
「久保君?僕に何か用?」
「よかった……ここにいたか」
……なんだろう、この嫌な感じは。
僕は今、三人の女の子に迫られているような状況だ。
にも関わらず、どうして久保君は平然とした表情でいられるのだろう。
ある意味久保君は、危険な男なのではないだろうか?
「今度大型連休があるじゃないか……」
「あ、うん……そうだね」
そしてこの話題である。
久保君、君は一体何を考えているんだい?
「その……もしよければ、僕と一緒に図書館にでも行かないかい?」
壮絶なる爆弾を落としてきた。
久保君、君は正気なのかい?
「「「アキ(明久君)は用事があって無理よ(です)」」」
……見事に三人の声が重なった。
ある意味ではこれは偉業とも言えるのではないだろうか?
「そうか……残念だけど、また今度の日曜日に誘うことにするよ」
「あ~……今度の日曜日は無理なんだ。みんなでどこかに行こうってことになってるから」
確かそうだった気がする。
今度の日曜日は、雄二達と一緒に新しく出来たショッピングモールに行くことになっている。
もちろん、姫路さんや美波、そして亜美も一緒だ。
メンバー的には、ちょっと前に開かれた勉強会のメンバーに、葉月ちゃんと亜美が加わった形だったと思う。
「そうか……それは残念だな。それじゃあ、今度の機会にするとしよう」
「……う、うん」
出来ればもう来て欲しくはない。
何だか姫路さん達の目線がかなり痛いし。
勘違いされそうで怖い。
「……ふぅ、何とか脅威は去ったわね」
「……え?今のが脅威?」
久保君の何処が脅威なのだろうか?
……全くどういうことなのだろうか?
「それで、僕は今度の連休は三人の内の誰かと必ず何処かに行くってことになってるんだね?」
姫路さん達の話をまとめると、そんな感じのことになるはずだ。
「ええ、そうよ……それで、三日とも大丈夫よね?」
「う、うん。一応予定は何も入ってないけど……」
「そうですか……それはよかったです」
僕としては出費だけが重なる三日間になりそうだ。
「それで、一日目は誰なの?」
僕は誰がどの日に来るのかを尋ねる。
すると、
「ウチが一日目で、二日目が亜美、三日目が瑞希よ」
「楽しみに待っててね、明久君。どこに行くかは当日まで秘密なんだから」
「う、うん……」
一応楽しみにはしているけど……如何せん僕の財布が三日もってくれるだろうか?
仕送りのお金が入ったばかりで、一応何とか生活は出来てるけど、それでもこの三日間の連続外出はつらいものがある。
「まずは美波からだよね……お手柔らかに頼むよ?」
「覚悟してなさいよね。今度の日曜日はしっかりとウチの言うこと聞いてもらうんだから」
……僕のささやかなる願いは、どうやら美波には届かなかったようだ。
綾瀬由菜
クラス:2-C。
身長:148cm
体重:??kg
血液型:O型
特徴:明久曰く、『清水さんと同種族の人間』。
転入生である亜美を『亜美様』と慕っている様子だ。
その理由は、どうやら過去になにかあった様子であり……。
とにかく亜美に対しては愛が重い。
亜美の為ならどんなことでもしそうな感じを出している。
余談だが、由菜の好きな食べ物はアンパンらしい。
さて、前回のあとがきで載せましたとおり、亜美誕生までの道を書いていきたいと思います。
そもそもこの小説のタイトルは……元々は『バカと少女と日常風景』というように、オリジナルキャラなしの原作キャラのみの小説の予定でした。
しかし、原作&アニメを見ている内に、なんとなくアイドル系のキャラがいないじゃないかと思い始めましたのと。
明久にストレートに気持ちを伝えられる人がいないことに気づき(葉月や翔子は例外)、牧野亜美が誕生したということです。
当初はアイドル設定はなかったのですが、亜美にアイドル設定が付加されたのは……私個人の趣味です(おい)。
ですが、後々この設定が生かされることが……あるかもしれません(いつの話だよ)。
そんな感じで生まれた『バカとアイドルと日常風景』ですが、これからもどうかこの小説をよろしくお願いします。
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