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第1章 アイドルとの出会い
第四問 果たし状 ⑤
「……ふぅ」

自然と溜め息が出た。
今日はいろいろあり過ぎたからな……。
特に昼休みの召喚獣を使っての決闘は体に響いた。
もう全身がダルい……銃で撃たれた所は若干痛みが残っている。
確か……胸の近くだったと思う。
よく僕はショック死をしなかったなと、自分で自分を褒めたいところだ。

「あの……明久君?なんだか体調が優れないようですけど、大丈夫ですか?」
「え?」

カバンを持って帰ろうとした時。
姫路さんが心配そうな表情をして、僕のことをジッと見ているのに気付いた。
……そんなに疲れた顔をしているのだろうか、僕は。

「大丈夫だよ……この位はいつものことだから」
「そんなことないです!昼休みに教室に戻ってきた時なんかは、胸を押さえてました!あれは一体どういうことなんですか!?」
「そ、それは……えっと……」

あの決闘のことは、姫路さんや他の人には言ってもいいのだろうか。
まぁ、もう決着もついちゃってることだし、言っても大丈夫だろう。

「その件なんだけどね。実は……」
「明久は昼休み、屋上で女の子の告白を受けてたんだ。走り去って行った女の子のことを想って、胸を痛めていたというわけだ」
「そうそう……って、全然違う!合ってるのは屋上だけじゃないか!」

僕の発言に被せるように、雄二がそう言葉を付け足す。
あの野郎……去り際に言っていたことを、よりによって今実行するなんて!!

「……明久君?それは一体、どういうことなんですか?」
「いや、だからこれは誤解……」
「隠さなくてもいいのよ?アキ。隠してると……指が全部折れるわよ?」
「いきなり現れて物騒なことを言わないでよ美波!それに姫路さん、さっきまでとは一変したその笑顔は何!?」

ヤバい……二人の目がマジになっている。
このままだと、僕に待ち受けている運命は……死。
さっき助かった命なのに、ここで落とすわけにはいかない―――!!
何としても、この場は切り抜けるんだ!

「だから!さっき雄二が言ったのは誤解なんだって!」
「「何だって?」」
「すいませんなんでもありませんでした僕が悪かったからその腕を離してくれると僕としても嬉しいんだけどぉおおおおおおおおおお!!」

美波が僕の右腕をあり得ない方向に曲げ、姫路さんが左腕をしっかり掴み、これまたあり得ない方向に曲げている。
ヤバい、このままだと、僕の腕は千切れる―――!!

「ムッツリーニ!助けてくれよ!」
「…………今はカメラの手入れで忙しい。だから頑張れ」

僕の両腕の命<ムッツリーニの一眼レフ

「僕の両腕よりもカメラがそんなに大事か!!」
「…………こればかりは、譲れない」
「どうせ盗撮用のカメラだろ!?だったら後でも手入れは出来るよね!?」
「…………!(ブンブン)」

今更ながら、盗撮の件を否定されても、誰も信じるわけがないのに。
つくづくムッツリーニという男は凄いと思う……って、そんな場合じゃなかった!

「離して!離して二人とも!このままだと僕は両腕なしで生活していかなければいけなくなるから!!」
「大丈夫よ。後で手術すれば問題ないから」
「問題大有りだよ!!」

手術さえすれば何とかなるなんて考えを持つこと自体、既に間違っている。
そんな考えが美波達の頭の中にあるのなら、僕の体がいくつあっても足りることはないだろう。

「分かった!今度一日だけ言うこと聞くから!それで許して!!」
「「え?」」

すると、美波も姫路さんも、僕の腕を放してくれた。
……はぁ、よかった。
本当に腕が捥げるかと思った。

「……分かったわよ。その代わり、覚悟しておきなさいよね?」
「明久君、楽しみに待っててくださいね♪」

笑顔で僕を見つめてくる二人。
……あれ、どうしてだろう。
脅威は去ったはずなのに、汗が止まらないよ。

「……明久、お前はつくづく、感心させられる奴だよな」
「本当じゃのう」
「…………さすが」
「三人とも、何でそんな目で僕のことを見つめるのさ?」

僕が、こんなことを言わなければよかったと思い知らされるのは、数日経ってからのことだった……。











次回後書きにて、亜美&由菜のプロフィールを書きたいと思います。


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