ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第1章 アイドルとの出会い
第一問 転入生はアイドル!? ②
授業も四時間終わり、今は昼休みだ。
行くとしたら、このタイミングしかないな。

「雄二、転入生を見に行こうよ」
「……どうしても見に行かなければ駄目か?」

あからさまに嫌そうな表情を浮かべる雄二。
気持ちは分からなくもないけど、今回ばっかりは譲れない。

「まぁ……クラスの人が一杯行っちゃってるし、遠くから見ていれば、きっと雄二だってバレないよ」

辺りを見回してみれば、既に旅立っているクラスメイト達が何人もいるみたいで、教室の中は僕達を含めて数人しかいない。
残っている人達も、

『もちろん見に行くよな?』
『当たり前だろ!これを機にお友達になるんだ!』
『いや!もうここまで来たら付き合うしかない!』
『きっとMARNOは俺に会いに来てくれたんだ!』
『バカ野郎!俺に決まってるだろ!!』
『でも俺は、やっぱり姫路さんが好きだ!!』

そんな会話をしながら、彼ら三人は出ていった。
……最後のセリフを言った奴、後で裏来いや!

「けどアキ、MARNOって誰かを知らないんでしょ?」
「……否定はしない。本当に知らないし」
「それじゃあ……顔を見たって分からないんじゃないですか?」

まぁ、多分顔を見た所で、それが誰なのかなどまったく分からないだろう。
けど、やっぱり美少女アイドル転入生は、見たい気がする。
さっきムッツリーニから写真も買ったしね!

「……明久、顔がニヤけておるぞ」
「ハッ!?僕は一体何を……?」
「妄想でしょ?」

うう……美波が凄くストレートに言ってきた。
少し、心が折れそうだ。

「ほんじゃ、飯を食いに行く前に、ちょっくら見てくるとするか。アイツに見つかるのも嫌だしな。屋上でいいだろ?」
「うん、いいよ。その頃には人も少なくなってると思うしね」
「やっぱり今行こう、すぐに行こう」
「いきなり意見を変えてきた!?」

あまりに早すぎる方針変更だ!
……そんなに霧島さんに会うのが嫌なのか、雄二は。

「けど坂本。私、お腹空いたんだけど」
「あ……私もです」

美波が手を挙げながらそう告げると、姫路さんも若干恥ずかしがる素振りを見せながら、そう言った。
ああ……なんというか、癒されるなぁ。

「……アキのバカ」
「え?何か言った?美波」
「な、なんでもないわよ」

何か呟いていたような気がするけど……気のせい、かな。

「さて、とりあえず今から見に……」
「…………昼ごはん、食べに行くんだよな?」
「そ、そうだったな……」

まさかムッツリーニからそんなセリフが出るとは思っていなかったのか、さすがの雄二も少し動揺しているようだった。

「まぁ教室を出ないことには、話は始まらないからな。とりあえず教室を出るか」
「そうですね。今日も皆さんの為にお弁当を……」
「す、すまないな、姫路。俺はすでに購買でパンを買ってあってだな……」
「ワシも、今日は家から弁当を持ってきておるのだ」
「…………!!(ブンブン)」
「ああ……瑞希のお弁当があるなら、私も家から弁当を持ってこなければ良かったなぁ」

みんな姫路さんの弁当を拒否することの出来る言い訳を持っている。
……となると、僕だけしかいないじゃないか。

「あ、あの……明久君は、どうでしょうか?」
「う、嬉しいなぁ……よかったら、僕が貰うよ」
「本当ですか?嬉しいです」

ああ……この笑顔を見る為だったら、死んでもいいかもしれない。
いつしか僕の体、崩壊するんじゃないかな……。

「さぁて、屋上に行くぞ」
「う、うん」

なんだかいつも以上に爽やかな笑みを浮かべて、雄二はこっちを見てきた。
コイツ……分かっててこんな顔してやがるな。
そうして僕達は、Fクラスの扉を開けて、教室の外に出た。
その時だった。

チリン。

「……ん?」
「どうしたの?アキ」
「いや、今鈴の音が聞こえたような気がして」

確かに今、鈴の音が聞こえた気がしたんだけど……気のせいかな。
しかも、どこかで聞き覚えのある、鈴の音が。
まぁ、今はとりあえず昼食の時間だよね……もうすぐ僕の処刑時間が迫ってきているも同然なのだけれど。

「……あ」

その時。
誰かの声が、僕の耳に聞こえてきたような気がした。
















+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。