【第三問】 生物
以下の問いに答えなさい。
「体の構造等の情報が記録されているDNAと呼ばれる物質は、細胞のどの器官に含まれているかを答えなさい。また、DNAはどのような構造をしているのかも答えなさい」
姫路瑞希の答え
「含まれている器官……核
構造……二重らせん構造」
教師のコメント
正解です。簡単な問題ながら、意外にもDNA自身がどのような構造をしているのかを間違えてしまうことも少なくはないので、今後とも気をつけてください。
吉井明久の答え
「含まれている器官……トーマス」
教師のコメント
『機関車』ではありません。『器官』です。
坂本雄二の答え
「構造……ねじれ国会のようにねじれている構造」
教師のコメント
言葉で誤魔化した所で、間違いは間違いです。
「ふぅ……酷い目に遭ったなぁ」
学校から家に帰ってきて、僕は何となく公園に行きたくなった為に外に出ていた。
家の中でゲームをしていてもよかったんだけど、なんだか少し乗り気でもなかったから……美波にあんたこと言われた後だし。
「とりあえず、あそこのベンチに座ってようかな……」
僕は、公園に設置されているベンチに腰を下ろす。
そして、僕らしくもなく空を見上げた。
……夕日が僕の目に容赦なく突き刺さる。
……やめよう、なんだか目が痛くなってきたし。
「けど、まさか亜美が文月学園に転入してきたのにはびっくりしたな……」
不本意ながら、あんな約束を結んでしまっていたし。
ああ……今でも怒った美波の表情が目に浮かぶ。
姫路さんはショックを受けていたし、クラスのみんなは……。
「……考えるのはやめよう。何だか恐怖しか感じないし」
うん、それがいい。
2-Fのことを考えると、何だか明日学校に行く気をなくしてしまいそうだ。
けれど、サボってしまうと鉄人からの愛の(地獄の)鉄拳制裁が待っている。
命の危険を感じたからなんて理由は、鉄人には通用しないだろう。
「……しかし、これから大変な毎日が待ち受けているんだろうなぁ」
まずは、亜美との約束はなかったことにしよう。
あんな小さな頃の約束を今でも覚えていた亜美は、正直言って凄いと思うけど。
僕は、亜美一人を選ぶことなんて出来ないのだから……姫路さんや美波もいるというのに、亜美一人だけを選ぶなんてこと、僕には出来ないよ。
それに……悔しいけど、僕は相応しい人間だとは思っていないしね。
もっと頭がよくて、顔もよくて、性格もよくて……。
「僕と、正反対の人なんだと思う」
彼女達に合っているだろう理想像に、僕は何一つ当てはまってはいない。
そういった意味でも、僕は亜美とのこの約束を、結んだままでいるのはよくないのだ。
……もっとも、三人共僕なんかに好意を寄せているとは少し考え難いけど。
「そうと決まれば、僕が明日学校に行ってやるべきことを考えなくちゃね」
雄二程ではないが、僕だって一応は考える頭は持っている……つもりだ。
少し不安が残るが、そこは仕方ないとしよう。
何をするにも、不安は付き物だし。
それにしても……。
「最近の僕は、美波を怒らせてばかりだなぁ」
何でかは分からないけど、無自覚の内に僕は美波を怒らせていることが多い。
もう少し発言は考えた方がいいのだろうか……これでも、ない頭をフルに使って考えているつもり何だけどな……。
と、一人悩みに悩んでいる時だった。
「あ!バカなお兄ちゃんです!」
「……ん?」
聞き覚えのある、小さな女の子のような声。
この声は、確か……。
「こんな公園に来て、一人で何してるんですか?」
「やっぱり……葉月ちゃんだね」
美波の妹である、島田葉月ちゃんが、僕の目の前に来ていた。
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