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第5章 失われた明久の記憶
第二十問 バカとアイドルと日常風景 ⑤
「……う、ん」

数日後。
僕は割と朝早めに起きた。
……頭の中では、今日までに起きたことがグルグルと渦を巻いている。
思えば、ここ数日間かで色々なことがあったと思う。
亜美の転入から始まり、三人の女子とのデート。
美少女コンテストに……僕の記憶喪失、C組との試召戦争。
そして……亜美の告白。
亜美の告白は、何回かすでに聞いていたけれど、あんなにも真剣に、しかも正式な告白は初めて受けた。
……本当に、いろんなことを経験した。
普通に生活しているだけなら、絶対に経験出来ないようなことを、たくさんした。
もうこれ以上に僕の生活が波乱に満ちることは……ないとは言い切れないなぁ。
雄二達と一緒にいる限り、何かが起きるのは必然的だし。

「とりあえず、着替えるか」

僕はとりあえず、寝間着から普段着に着替える。
今日はちょっとおしゃれをして……と言っても、僕はあまり服を用意していないけれども。

「……よし」

今日は約束の日曜日だ。
……亜美と二人きりの、デートの日。
どんなデートになるかは分からないけど、僕がきちんとエスコートしないと。

「男として、それが務めだからね」

なんとなく僕はそう呟いて、それから僕は、部屋を出た。














待ち合わせをした場所には、すでに亜美がいた。
亜美も今日はデートということもあり、気合い十分の服装だった。
ただ……少し気になる点が一つ。

「なんで……みんないるの?」

そう。
何故かよくわからないけど……雄二達がいたのだ。
僕と亜美の二人だけのデートのはずなのに……姫路さんをはじめ、美波に雄二、ムッツリーニに秀吉と、いつものFクラスメンバーが見事に揃っていたのだ。
……まずは雄二を霧島さんに手渡してと……。

「翔子なら遅れてるだけだ。余計な真似を考えるんじゃねえぞ、明久」
「……ちっ」

準備は万全ということか……さすがは雄二。
僕の上の上を行くとはこのことか。

「そもそも、バカのお前じゃ俺には勝てねぇっての」
「なんだと……?」
「や、やめようよ明久君」
「そうです!ここで喧嘩しても意味なんてありませんよ?」

確かにここは姫路さんと亜美の言うとおりだ。
ここで雄二と争っていたとしても、ただの無駄の争いでしかない。
両者にとって、損も得もありはしない。

「……で、雄二達はどうしてここに?」
「偶然お主らが約束を結んでいるのを聞いてしまったのじゃ」
「…………だから、ここに来た」
「ちょっとその思考回路はおかしいんじゃない!?」

確かに、どこから洩れたかは知らないけども、僕と亜美がデートするという情報を握ったということは百歩譲っていいとしよう。
けど、それがこの状況とどうして結びつくのかが僕には理解できない。

「それだけみんな、お前の幸せをこわ……ゲフンゲフン、お前の幸せを祈ってるってことだろ?」
「そうよ。素直に好意を受け取りなさい」
「その割には全然眼が怖いんだけど!?」

歓迎しているのだとしたら、せめてその目に宿す殺気だけはどうにか引っ込めてもらいたい。
それと姫路さん……どうして君は釘バットを握りながらニヤリと不敵な笑みを浮かべているのかな?
いつもは人を魅了するはずのその笑顔は、僕に対して恐怖しか植え付けないのは気のせいかな?

「……明久君。これは少し、お仕置きが必要みたいですね」
「……アキはバカだから。きっちり頭の方の治療をしないとね」
「ま、待ってよ二人とも。どうして殺気を引っ込めることなく、むしろさっきよりも強く出してるのさ?このままじゃ僕確実に死ぬからね……僕だって人間だから、割と簡単に死んじゃうからね?」

分かっているのかいないのか。
一向に二人は僕に対して殺気を引っ込めることはない。

「……まったく、明久はやっぱり、バカだよな」
「そうじゃな。明久はバカじゃからこそ……じゃな」
「…………バカが取り柄」
「そんな明久君だから……私は好きになったんだよ♪」

……周りでは四人が好きなように言ってくれている。
……それはいいから、この状況をどうにかして欲しいんだけど……。

「「アキ(明久君)、覚悟はいいかしら(ですか)??」」
「……せめて、優しくお願いします」














こうして、僕達のいつも通りの騒がしい日常が、再び始まる。
僕や姫路さん、美波にムッツリーニ、雄二に秀吉、霧島さんに工藤さん、そして……亜美がいる、楽しい日常生活が。
それが、僕と亜美達との日常風景。
自分で言うのも嫌になるけど……バカとアイドルと日常風景なのだ。














バカとアイドルと日常風景 完















というわけで、色んな小説に有りがちな終わり方ですが……祝!100話到達と共に……祝!完結!!
いやぁ、なんとも区切りのいい場所での連載終了でしょう……というか、ここまで長かったなぁ。
実に、完結するまで三ヶ月弱と言ったところでしょうか?
まさか完結出来るとは思ってなかっただけに、今回のこの話を書き上げることが出来て本当に良かったと思います!
さて……感想のページの方で、『出来れば次回作を』との声を頂きましたのですが……今のところ、次回作の予定はありません。
何故かと言いますと、私自身がこれから大学受験を待ち受けるということもあるからです。
一応、今のところは夏休み前までで完全執筆停止を予定しています(2010年4月29日現在)。
ですから、もし次回作を作るのでしたら……私の大学受験が終わった後でになってしまいます。
とにかく今は他の連載小説を片付けるのが先ですので……そこら辺はご勘弁ください。
亜美をどこかで出したいのは山々なのですが……その機会を設けるのは大変難しい状況です……短編小説一本とかでしたらどうにかなりそうですが。
さて、名残惜しいですが、長々と言葉を並べていても終わりが見えそうにありませんので、そろそろこの辺でお別れとさせて頂きます。
この度は、『バカとアイドルと日常風景』を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。
そして、これからもどこかの場で、私、ransu521を見掛けましたら、その時はどうぞよろしくお願い致します。
それでは……以上、ransu521でした。
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