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wedding party
作:如月 雪



憎悪


裏切られた。

あんなに信じていたのに。

あの人は 私の彼を取ったんだ。


裏切り者


先輩は私のものなのに


きっと・・ きっと・・絶対 復讐してやる。



振るのはいつも私の方からであって

私が振られるなんてあり得ない!


*********************************************

入学して早々に 三年の生徒会長から告白され付き合い出した。

入学式に壇上で生徒代表の挨拶をした会長は頭が良く医学部を目指していた。
それなりに格好良く、理知的な風貌は私の横に並んでも遜色無かった。

生徒会長とは五月の末に別れた。勿論、私が振ったんだ。何だか物足りないなく感じていたところに、野球部のエースが告ってきた。だって、二ヶ月付き合ったのに、キスだけしかしてこなかったんだから。それに、毎日塾の前に少し会うだけだったし。



エースの坊主頭はイタダケナイが、顔は結構イケていた。
185cmの上背は見上げる程高く、女生徒の中にはファンクラブも有るほどだった。
私を勝利の女神だと言って、スタンドの一番目立つ所に座らせたがった。
ファンクラブからの妬みの嫌がらせはあったが、それすら私の優越感を満足させた。
けれども、会うのはいつもクラブ帰り。汗臭い彼に抱き締められるのは少々ウンザリしてきた。
会う度、やりたがったし、自分だけが満足すればお終いだった。
甲子園の県予選の前夜も、運を付けてくれと彼の部屋で何度も抱かれた。緊張しているからか最後のチャンスに高揚しているからか、彼の欲望は果てしなかった。

それで勝てば何も無かったのに、優勝候補だった我が校は悲惨にも一回戦で負けてしまった。
私は甲子園の女神になりそこなったのだ。
あんなに自信満々だった彼の落ち込んでいる姿を見て、私は急激に醒めてしまった。

「ごめんなさい。私のせいだわ。私が貴方の傍にいたから〜ごめんなさい。」
「そんなこと無いよ。君を甲子園に連れて行く約束守れなかった。御免よ。」
そう言って私を抱き締めていた。
私はその胸を押し、
「ううん。私のせい。キット皆そう思ってる。疫病神だと。だから、お別れしましょう。貴方の重荷になりたくないから。」涙を堪えるように俯いた。


私は振るとき、絶対、相手の悪い所を言わない。だから、元彼等は振られた後でも、私を悪くいわないんだ。



夏休みにサッカー部のキャプテンと付き合い出した。彼にもファンクラブがあった。
相当遊んでいるヤンチャな男子だったが、彼との相性は抜群だった。学校に内緒のバイクで、女の子の好きそうな場所へ連れて行ってくれたし、Hもとても上手かった。彼となら・・と思ったのに。
 
 彼も私には相応しくなかった。



新学期になって、二年に転校してきた篠原先輩の噂がアチラコチラから流れて来た。神戸からの転校生は凄く格好良いとクラスの女の子たちが騒いでいた。その人を観察する為に、友達と二人で二階の二年生のクラスまでやってきた。窓際に座って外を見ている篠原先輩の姿は、美しく冷たかった。チラッと此方を見た視線は何の感情も宿していないかのようで、それでいて印象的だった。


篠原先輩が『シノハラ』の御曹司だということは、全くと言って良いほど知られていない。私もその年の正月休みまでは知らなかった。
神戸に住んでいる叔母が遊びに来たときの会話で、『シノハラ』の跡取りが篠原先輩だと気付いたんだ。

これはチャンスだった。


”女の子は良いところへお嫁入りして、裕福に暮らす事が一番の幸せなんだよ”と、小さい頃から祖母に教えられてきた。

――何不自由なく楽しく暮らして生きたい――

そう願って何が悪いの?


ママみたいに、泣いている子供を置いてまで、仕事に行かなければいけないなんて、私は嫌だ。熱のあるときも看病してくれたのは祖母だったし、授業参観もママは一度も来なかった。


だから、私は祖母の言う玉の輿に乗ることが祖母孝行だと思っていた。


生まれて初めてバレンタインデイに篠原先輩にチョコレートを渡して、先輩と付き合い出したとき、私の夢に一歩近づいたと思った。だって初めての告白だったんだから。

だけど、付き合い出したと言うのに篠原先輩は私に全く興味を示さない。私が誘えば付いて来てくれるが、先輩からは電話すら来ない。

だから、先輩の数少ない友達である白鳥硝子先輩に近づいたの。
硝子先輩は篠原先輩と同じ位頭が良い。篠原先輩もあの人には一目置いていた。
けれども、女が男の人みたいに頭が良くても何にもならないじゃない?
男の人は少し位おバカさんな女の子が好きなんだから。自分より賢い女には、興味を抱かないものよ。

 硝子先輩と仲良くなって、硝子先輩のアドレスの通りに篠原先輩に接してみた。
すると、全く無関心に見えた先輩が私の話に乗って来てくれる。

――流石、硝子先輩だ!――

 硝子先輩は篠原先輩にとって男友達みたいな関係なんだろう。
篠原先輩がキスしか求めて来ないことを相談したときも、
「それは貴方を大切に思っているからじゃない」 と言ってくれた。


やっぱり硝子先輩は私の味方だ


・・・と 思っていたの



なのに・・・



そんな先輩に 彼を取られるなんて・・・・






篠原先輩が受験大学をT大からK大に変えた時、それは私の為だと思っていた。先生達は東京に行くように懇願していたが、篠原先輩は京都に決めた。私と離れたくなかったから・・・そう思っていたの。


卒業式には第二ボタンも貰ったし、京都ならいつでも遊びに行けると喜んでいた。


けれども、いつまで待っても、先輩は私を呼んでくれなかった。


キット受験生の私を想ってのこと・・そうよ・・私が大学に受かればいつでも合いに行ける。

―そう思っていた。

それに彼が居なくても、離ればなれになっていても、いつも私の周りには男の子が居てくれるし、寂しさは全く感じなかった。
そう、彼が居なくても遊ぶには不自由は無かった。

けれど、夏からは篠原先輩との連絡が着かなくなった。 電話は留守電、メールの返事も全く来なくなった。

それまでも小まめに返事のくれる人ではなかったが、夏以降は皆無になった。


硝子先輩に連絡しても携帯を変えたみたいで、連絡が着かない。
何かあったのだろうか?

もしかしたら、浮気?

少し心配していたが、まだ私は事の重大さには気付いていなかった。

だって、女の子が近づいていても、誰にも、私が負けるはずはないと・・・信じていた







まさか・・・


あんな人に・・・



負けるなんて!



許さない!














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