五話 会えて良かった
「蘭姉ちゃん、僕みんなのところに行ってくるね!!」
俺はそう言って蘭たちから離れて歩美たちのところに行った。
「コナン君!おはよう!!」
俺が近づくと歩美がすぐに気づいた。そして笑顔で俺にあいさつをした。
「おはよう。」
俺は一言言ってから真面目な顔になった。
「あのさ、みんな今日の放課後博士ん家に来てくれないか?大切な話があるんだ。」
灰原は知っていたからだが、普通の顔をしていた。だけど、歩美と光彦は俺の表情の変化に気がついたらしく不安そうな表情をしていた。元太は、特に何も考えずに分かったぜと言っていた。俺的には、元太のような反応をしてくれる方が良かった。みんなが悲しむ顔は、みたくないから。俺たちはその後、一言もしゃべらずに偵探小学校に行った。
先生には、俺が転校することはみんなに言わないでいてもらった。
キーンコーンカーンコーン
予鈴がなると同時に、俺たちは偵探小学校を出た。俺にとって、児童としてはもう来ることのない偵探小学校を後にして。
「三時に博士ん家だぞ!」
俺は、そう言ってみんなと別れた。
「ただいま〜!!」
大声で言いながら探偵事務所に入ったのに、家には誰もいなかった。そういえば、蘭は部活って言ってたな。おっちゃんは、依頼があるって言ってたっけ。
「・・・・・・・・・暇だな。今は二時十五分か。高校生に戻ったときのために勉強でもしとくか。」
俺は蘭が使っているテキストとかで勉強をした。事件を解くより全然簡単だった。でも、全教科やったら三十分かかったから博士の家に行くにはちょうどいい時間になった。
俺は、何も持たずに探偵事務所を出て博士の家に向かった。
博士の家に着くと、もうみんな来ていて俺を待っていた。
「わりぃな!俺が誘ったのに、来るの一番遅くて!」
俺は笑いながら言ったのに、歩美と光彦は何も言わずに俺をじっとみてた。
「ホント、おせーよ!」
場の空気がよめていない元太は明るい声で言った。俺は今初めて、元太のバカさが嬉しいと思った。この暗い気持ちをやわらげてくれたから。歩美と光彦と灰原もきっと同じことを思っただろう。一分間ぐらい、みんなしゃべらなかった。俺は決心を決めた。
「みんな、俺二日後に引っ越すんだ。」
その一言が、雰囲気を変えた。歩美は泣いた。光彦はうつむいてた。元太は固まってた。灰原は、歩美をなだめてた。
「イヤだよ!行かないで、コナン君!!」
歩美はそう言うと、光彦と元太も続いた。
「そうですよ!行かないで下さい!コナン君がいなくなったら、探偵団はどうなるんですか!」
「そうだ!コナン、行くなよ!」
俺は一人一人の顔をみた。みんな、悲しそうだった。
「ごめん。でも、無理なんだ。探偵団は、お前たちだけで十分できる。俺の知ってる探偵団のみんなは俺なんかがいなくたってできる奴ばっかだぜ。そうだろ?」
みんなの顔に少し、笑顔がでてきた。
「コナン君、今まで本当にありがとう。」
コナンがいなくなる。それは、いろんな人を悲しめることになる。それでも俺は、蘭の笑顔がみたい。コナンとしてじゃなく、工藤新一として。でも、歩美、元太、光彦、そして灰原、みんなに会えて本当に良かった。
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