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幕間2
 天才なんて、この世にうじゃうじゃいる。
 でも、僕は違う。僕はそんなんじゃない。
 天才なんて、この世にはほとんどいない。
 でも、僕は違う。僕はそんなんじゃない。 
 じゃあ天才って何だろう。

 ……

 ねえ、あの子、亡くなったらしいよ。

 え? マジで?

 マジマジ。何でも自殺だって。

 うへー、天才の考えることは解りませんなあ。

 あれじゃないの?
 重圧に耐えきれず、自殺。みたいな。

 あー、かも。そういうのってあるよねー。

 でも実際はわっかんないぜー。
 あまりの天才具合に嫉妬した同い年の生徒が自殺に見せかけて他殺!

 えー、ないない。

 私もないと思うな。
 やっぱりそういうのってお話の中だけじゃん?

 そうだな、あはははは……。



 なんでだろう。
 なんて、そんな風に言えればよかったのだろうか。
 どうしてだろう。
 なんて、何食わぬ顔で口にできればよかったのだろうか。
 その日から、僕は変わった。
 変わらなきゃだめだと思った。その一方で、なんでみんな笑ってられるんだろう。って、心からそう思った。僕もそのみんなに混じって笑っていればよかったのだろうか。って、心の底からそう思った。
 当たり前か、みんなは僕じゃない。僕とは違う。だったらやっぱり、そこにある笑顔は僕のものじゃないし、僕のものであっていい訳がない。
 じゃあ、僕は僕で、笑ってればよかったのか。
 違う。
 違う。
 違う。それは違う、絶対に。
 だってそれは自殺なんかではないのだから。
 自殺なんかでは――絶対にないのだから。
 
 7月7日。
 その日から、僕は変わった。
 その日は僕にとって七夕なんかではなく。
 その日は記念日。
 その日は僕が天才からただの馬鹿に堕ちた――ただの記念日。