ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第一章
神の騎士
 和幸は商業用に『創られた子供』。その体は頑丈だ。意識して一点に集中すれば、筋肉で銃弾さえも防ぐことができる。もちろん、銃弾がどこに当たるか正確にわかるわけがないので、その防御法を実際に試した者は誰もいないが。
 だが、リストの剣は大きく、まっすぐに刺してきた。和幸には、どこが刺されるのか一瞬だったが、はっきりと分かった。そこにちゃんと意識を集中させたのだ。なのに、リストの剣は簡単に体を貫通していた。

「……なんで……」

 和幸は、これが全て悪夢であってほしいと願った。
 リストが剣をひきぬくと、和幸はあまりの激痛にその場に倒れた。分からないことだらけだ。このまま死んでも死にきれないだろう、と思った。ゆがむ視界でリストをとらえると、やっとのことで声をだす。

「リスト・ロウヴァー…お前は、なにものなんだ」

 リストは、けろっとしている。まるで今、自分が何をしたか理解もしてないような表情だ。

「オレは、リスト・マルドゥク。ルルの世界『エリドー』を守る、神の騎士」
「……は?」

 和幸は、死を前にして、耳がおかしくなったのかと思った。それか、リストは麻薬でもやって頭が狂ってるのか。まあ、どっちでもいいか、とどこか諦めの境地にきていた。
 死を覚悟して目をつぶった。しかし、なかなか『死』というものは訪れない。結構、時間がかかるものなのか、と和幸はまぬけなことを思ったりもした。

「ところでさ……いつまで、やってるわけ?」

 急に、リストはため息まじりに言った。その言葉に和幸は目を開き、あることに気づいた。リストの剣に血が一滴もついていないのだ。

「あれ……」

 そういえば、痛みももうない。和幸の脳裏に、さっきの赤い眼の女がよぎった。あのときも、心臓の痛みは一瞬だった。そうっとさされた腹を見る和幸。

「な、ない!?」

 そこに、傷はなかった。

「どういうことだよ!?」
「言ったでしょう? ルルの世界を守る、て。オレは、君たちの味方ってことだよ。
 傷つけるわけないでしょ」

 リストは、持っていた剣をぽいっと放り投げた。和幸は、反射的に受け取ろうと手をだしたが、その剣は和幸の手に達する前に煙のように消えた。

「!?」
「あなたにかけられた呪術を解いたんだ。だから、もう大丈夫。
 ま、もちろん……救われるには、それなりの痛みを伴うものだから。
 責任として、激痛は体験してもらったけどね」

 ニコッと微笑むリスト。和幸は、ただぽかんとするしかなかった。

「さて、ここからどう計画を修正したものか」

 リストはのんきにそうつぶやいた。
メッセージも送れます↓


キャラクター人気投票を行っています。よろしければご協力お願いいたします♪
+投票する+


ランキングに参加しています



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。