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メガネ美人は才媛だけど淫靡
沢木香穂里さんのお題「メガネ美人」をお借りして、今回は小説ではなくエッセイを書いてみました。
メガネを掛けている彼女は比較的美人に見えるものだ。
え、比較的って?
そう、比較的美人なのだ。
どういう意味なのかって?
まぁ、慌てないで。
ここからは「メガネ美人は才媛だけど淫靡」という私論を展開しようという嗜好だから。
僕の身勝手なメガネ美人論を落ち着いて読んでいただこうではないか。
比較的美人と言ったのは少なくとも二つの顔を持っていて、それを僕らに比較させているから。
メガネを掛けていない顔と、メガネを掛けた顔と、その二つの顔。
ドラマや小説、特にアニメなどは顕著だと思う。
同じキャラクターなのに、メガネ一つで雰囲気が変わってしまっていることを。
そういう風に描いているというと身も蓋も無いが、そう言い切れるものでもないだろう。
メガネは、簡単に言ってしまうと『変身道具』だと思うのだ。
もちろん医療用具としての意味もあるのだが、それはそれ。
メガネを掛ける。
メガネを掛けない。
ソレだけのことだが、それは日常と非日常と言ってもいい程の違いがあり、その差は絶大だ。
メガネを掛けている姿を知っている者にとっては、メガネを掛けていない姿が非日常。
メガネを掛けていない姿を知っている者にとっては、メガネを掛けている姿が非日常。
表裏一体。
そして、その変身ぶりに「はっ!」とさせられるというシーンは日常にあふれている。
それ故に、何となく空恐ろしい。
その魅力の罠にはまっていくのが。
……あ、あくまで私論ですけど。
そして、彼女がメガネをたくさん持っていたらそれだけたくさんの顔を持つことになる。
只でさえ美人で、只でさえ二つの顔を持つ彼女が、更にたくさんの顔を持つなんて!
それだけ魅力を引き出すのだ、彼女の魅力をメガネが!
そうして僕らは、彼女にメロメロになってしまうのだ。
どんな風にメロメロになるのか、以下の詩的文章にて堪能していただこう。
メガネをしている彼女がこちらに振り向く。
メガネをそっと下にずらして、悪戯っぽく僕を見る。
彼女は「うふ」と笑った。
その口元に見惚れている僕。
そんな僕を差し置いて、彼女はメガネのフレームに手を掛ける。
メガネを外すと同時に頭を振って、髪の毛を後に振り払う。
僕はなびく髪をつぶさに目で追う。
そして僕の視線はメガネを外した彼女のつぶらな瞳に吸い寄せられた。
ニヤリと微笑んだ彼女の顔がそこにあった。
僕はいつもこんな風にやられっ放しなのである。
アンタが勝手にやられているだけだろうって?
いやいや、そんなことは無いだろう。
こんな風に「メガネ美人」という言葉に反応しない男性はいないはずだ。
「メガネ美人」に限りないノスタルジーまで感じる男性は少ないかもしれないが。
少なくとも僕は、そのノスタルジーを感じる一人だと自負している。
そんなことを自負する必要があることなのかどうかはまた、別の問題かもしれないが。
……なんか負けてるな、俺。
あくまで私論、私論。
ネットの中でも、そんな「メガネ美人、大好き」な方々が多いようだ。
ググってみると「メガネ美人」がたくさん出てくる。
やはり筆頭は『時東ぁみ』ですかねぇ。
そして『眞鍋かをり』でしょうか。
僕的には『滝川クリステル』のメガネっ娘姿も堪らないと感じるのだが。
そして『小西真奈美』とか『上野樹里』なんかもゾクゾクする。
ちょっと大人の『本上まなみ』や『鶴田真由』なんかも……。
おやおや?
ちょっと話が脱線したかな。
私論ですから、お構いなく。
先程出てきた「メガネっ娘」という言葉も「メガネ美人」と共に世の中に存在する。
これはここ十数年の間に出来た言葉であり「萌」の要素の一つが「メガネっ娘」だとされている。
このことはメガネを掛けねばならなかった女性をどれだけ勇気付けたかは計り知れない。
どんな女性かというと、ドジっ子だったり、偏執狂だったり、秀才肌だったりと。
言ってみれば脇役的なキャラクターの女性だったからだ。
そんなメガネを掛けた女性が、主役となって「舞台のセンター位置」を占める価値を得たのだ。
だが、このことを意識している「メガネっ娘」はどのくらい居るというのだろうか。
ある意味で「美人の要素」と成り得た『メガネ』という存在。
この「メガネ」にどんな魅力があるというのだろうか。
僕はこの「メガネ」には二つの要素があると考えている。
それは「インテリジェンス」と「エロス」だ。
僕はメガネを掛けた女性には知性を感じることが多い。
これは言うまでもないことだろう。
あのヨン様がメガネを掛けているのは、知的に見えるからだと断言しているほどだから。
もっとも何でもメガネを掛ければ、誰でも知的に見える訳ではない部分もある。
僕の場合は、いろんな条件を付加してのことだ多いのだが。
知的なメガネ美人となると、やっぱりバリバリのキャリアウーマンを最初に挙げねばなるまい。
白いシャツに紺のタイトスカートを穿いてオフィスフロアを颯爽と歩く。
デスクではアンニュイなポーズでパソコンを操作し書類にサインをする。
グレーのスーツで決めて会議室の壁面に映し出されたデータをレーザーポインタで指し示す。
その彼女の鼻の上にはいつも知的好奇心いっぱいで妖しく光るメガネが乗っかっている。
そして、彼女たちの笑いは実に知的で、大笑いなんかは絶対にしないのだ。
大笑いしたら、知的に掛けられたメガネがずれちゃうもん。
『仕事の出来る女』というキャッチフレーズがシックリと収まる。
そんなイメージがメガネを掛けた女性に付きまとう。
……と僕は思っているのだが、そう思っているのは僕だけかもしれない。
だけど、それがメガネが持つ「インテリジェンス」だと僕は思うのだ。
しかしながら、申し訳ないのだが。
僕のイメージの中に色の薄い茶髪での「メガネ美人」は有り得てない。
やっぱり黒髪だ、黒髪。
許容範囲は栗色の髪まで。
重みが足りない、重みが。
メガネが浮いちゃう。
ただし、彫の深い顔の造りと金髪の外国人は別枠である。
ずい分勝手な言い草だなって?
えぇ、分かってますよ。
あくまでも「私論」ですから。
その癖、髪の長さやヘアスタイルには無頓着である。
ショートカット。
前下がりのショートボブ。
肩まで伸びたサラサラヘアのセミロング。
大きくウェーブしたロングヘア。
何でもいらっしゃい状態だ。
メガネはヘアスタイルにこだわらないのだ。
えぇ、私論ですから。
そんなスタイルの話と密接な関連があるのが、もう一つの要素である「エロス」だ。
さて、お楽しみの「エロス」とは何か。
それは、先程の「インテリジェンス」とは表裏一体のことだと思っている。
インテリジェンスでビジネスライクな雰囲気にエロスの要素は無いはずだ。
だが、そこはかの「メガネ美人」だ。
一瞬、ドキッとさせられることがあるのだ。
男性諸氏には、恐らく経験がお有りだと思う。
仕事の話をしているのに、なぜか視線があちらやこちらへと走ってしまうのを。
彼女の視線や口元、そして胸の開いたシャツやタイトなスカートに。
そんな「視線走査」をするのは、彼女の視線がそうさせるのだ。
彼女を直視出来なくなるから。
メガネのレンズを通した彼女の視線。
メガネがずれた時に覗く彼女の視線。
それが僕らをそう駆り立てる。
仕事の話とは無縁だからこそ「エロス」を感じるのだ。
無償で崇高なエロス。
一瞬にしてどうしようもなく感じてしまう男の性。
それはその女性をメガネをしているから。
僕はそう思いたいのだ。
ひと度メガネを掛けた女性自身がエロスを発動すれば、メガネはたちまちエロスの化身となる。
そのことについては、男性諸氏は良くご存知のことだろうと思う。
ふと感じる色気や艶はほんの少し前、その瞬間まで感じていなかった。
なのに、メガネ顔で覗き込まれた時、つい目のやり場に困って下を向いた時。
彼女の白いシャツが、いつもよりボタン一つ余計に外れていた。
そのシャツの奥に見えた、深い胸の谷間。
状況も考えず、思わず生唾を飲み込んだことを。
……あ、これはメガネと全然関係なかったね。
はっははは。
あくまで私論ですよ、私論。
そして「自分の恋人がメガネを掛けていたら」というシチュエーションを考えてみる。
やはり「キスをする時」ですよね、メガネが小道具として一番輝くのは。
メガネを掛けた彼女の、そのレンズの奥の瞳が妖しく微笑む。
自分の恋人なのに、もう手に入れているのに、なんでこんなにドキドキするのかと思う一瞬。
思わず彼女の腰に手を回し、知らず知らずのうちに彼女を抱き寄せていたり。
このメガネという小道具を上手に使うその瞬間を心得ている女性は違うよなって。
幻想かもしれないけれど、そんなことを考えてしまうのだ。
彼女は俯いてから、おもむろに両手をメガネのテンプルに当てがった。
そして、顔を上げるのに合わせてメガネを顔からそっと引き離す。
メガネのモダンに引っ掛かって一緒に動いた髪の毛が、彼女の頬に後れ毛のようになった。
そして、彼女は半円になった瞳で僕を見据えて、小さな声でこう言った。
「キスして」
僕は、おずおずと彼女のウエストに腕を回した。
……なんちゃって。
うふ。
えへへ。
おほほ。
……あ、こほん。
えぇ、私論ですよ、もちろん。
そして最近知った事実から類推したことがある。
それは「女性はそのことを踏まえて行動している」らしいことを。
実にしたたかである。
力技で数を打てば当たるだろうというオスに対して、確実な戦略で狙った獲物を落とすメス。
そんな構図が見え隠れする。
考えてみれば至極、道理なんですよ。
オオカミはオスだけじゃないんですよね。
オオカミにもちゃんとメスもいる訳で。
だから、オオカミな男もいるけれどもオオカミな女性もいるんだよね。
その手口は男の方法論よりも実にストラデジックであると。
そのストラデジーの一つとして「メガネ」がある。
そう結論付けたい。
あくまで「私論」ですが。
メガネを掛けた女性には十分な注意を払ってください。
そして、喰っちゃってくださいませ。
案外と「喰われちゃってる」かもよん。
喰われちゃってもいいか、相手はメガネ美人なんだもん。
うふ。
お読みいただきまして、誠にありがとうございます。
実に自分勝手な語り草で申し訳ありません。
僕の中では理路整然としてフムフムと思いながら書いたつもりですが。(ホントか?)
楽しんでいただけたのならば幸いです。
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