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転載
作:神名代洸


最近、パソコンを始めた俺はいろんなサイトを覗いていた。中でもブログには興味があって、自分ももとうと立ち上げてみることにした。
『ふ〜ん。』
俺は、他のブログを覗いた後内容を決めた。
ありきたりではおもしろくないけど、都市伝説を中心に不可思議なものや霊等のオカルト系を集めていくことに…。
それから俺は自身で聞いたもの、調べて集めたものなど…おおざっぱな分類ではあったが、ポツリポツリと徐々に……そしてそれに比例するように訪問者の数も増えていった。それと同時に情報も入り、新たな記事も増えていく。
他ブログからも時々は転載したりしているうちにあるブログに行きついた。そしてそこに一つ気になるものを見つけた。
『???…何だ?これ?』そこに書かれていた文章を読んでいるうちに背筋が寒くなってきた。しかし、これは転載にはもってこいと軽い気持ちでいつものように自分のブログに転載してしまった。
その内容は……。

ドクロのイラストと共に書かれていた。



【私は貴方…


私は最初…


私は見えますか?…


私は貴方に逢いたい…


この間の人もここにいる…


他にもいるよ…


貴方も入れてあげる…


見つけてあげる…


絶対に…


逃げられないよ…】



『ちょっと不気味だけどファンにもうけるぞ。』
俺はファンからのコメントを楽しみにブログを終えた。
その夜から夢で誰かが俺を捜しているのを見た。しかしそれが誰なのか分からず、怖くて必死で逃げている。

逃げる?

何故?

だが、夢を見るたび誰かは少しずつ…、だが確実に距離を縮めてきていた。
それから数日後の昼間、いつものように自分のブログを立ち上げたときコメントの表示が出ていたのでカーソルをそこにもっていった。



【あと少しで貴方を捕まえられそう…


楽しみね…


私は真っ赤なお部屋で


貴方と遊びたいわ…】



『なっ、なんだよ…これ。』

俺は怖くなってきた。
夢のはずなのにこのコメントを入れた人は知っている。そこでコメントの人のサイトへ行こうと名前アバターをクリックしたが、登録されていないようでサイトはないと表示されていた。『ヤバイんじゃねーの?これ』
そう思った俺はその転載記事を削除した。
ホッとしたが、まだ手に汗をかいていた……。

俺はこの記事についての情報をブログ仲間に聞いてみたくなった。
『え〜?俺、そんなの聞いた事ないよ!』
『もしかしてかなりヤバメと違う?』
『僕も知らない。』
誰もこの記事については知らなかった。
そんななか一人知っているという女性からのコメントが入ってきた。
『あのさ、以前あの記事を転載した人がいたんだけど、その日から不可思議な事が立て続けにおこってその人家から出なくなっちゃったの。で、携帯にも自宅にも電話しても繋がらなくて、心配した家族が家に様子を見に行ったら部屋中真っ赤になっててね、警察を呼んで見てもらったら部屋を真っ赤にしているそれが“血”だったんだって。でもその人の遺体は今も見つかっていないらしいよ。』

そのコメントに不気味なものを感じ、その女性のサイトに直接コメントを入れた。返事を早く聞きたかったから。

『それって君の作り話じゃないの?』
それに対してのコメントがすぐ入ってきた。
『ううん。違うよ!だってその記事を転載した人達のブログ、その記事以降更新されてないし、家族の人も探していますってコメント入れてるから…。ちょっとした神隠しみたい。』

俺は段々怖くなってきた。こんな記事なんか転載しなければよかったと…。しかしもうやってしまった事なので、自宅からそう遠くない神社に行くことにした。そこの住職に訳を説明して、おはらいをしてもらい、護符も貰った。
住職に【どんな時でも必ず身につけているように】と言われたので俺は言われた通りに持っていた。

ホッとした俺は自宅に戻り、自室に入った。そしてまたいつものようブログを開いた。
その日はいつもと変わらない時間を過ごすことが出来、そして眠りについた。

夢にうなされることもなく、すっきりとした目覚めだったので、パソコンの電源がついていたことにすぐには気付かなかった。

『俺、消し忘れたのか?』不思議に思いながらパソコンの前の椅子に座って画面を見ると画面が朱くなっており、大文字の言葉が書かれていた。



『何処に隠れた?


私からは逃げられないよ


すぐに見つけて


私の所に引きずり込んでやるわ


さぁ出ていらっしゃい


出てきて…


出てこい!』



俺は住職からもらった護符をしっかりにぎりしめていた。

いつも寝る時には下着の中に護符を入れていたが、今夜に限って服から落ちてしまった事に俺は気付かなかった。悪夢を見ている事に気付いたときにはもう遅かった。

追い掛けられ、後ろを振り向いた時、視界に入ってきたのは恐ろしい形相で、カマを振り下ろそうとしている女の子だった。
そして逃げる間もなくカマを振り下ろされ頭部を割られた俺はそのまま絶命した。

自室の壁には飛び散った血がついて朱色に染まった。


そしてパソコンの画面にはこの言葉が書かれていた。


『やっと捕まえた』














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