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プロローグ
 俺達SOS団が何の滞りもなく二年へと進級したまでの道のりは、まあなんとも忙しなく幾つもの非日常があったわけで、未来的、超能力的、ましてや宇宙的要因が天文学的な公式から導き出される答えのように絡み合っていたのは、すでに多くを語るまでも無く理解の及ぶところだろう。もちろんその中心には涼宮ハルヒという太陽系の、まさに太陽の如しエネルギーで君臨している奴がいたのは、エジプトのピラミッドのように動かしがたい事実である。
 だが何も全ての日々に未来的、超能力的、そして宇宙的な事がはらんでいたわけじゃない。その中には何の非日常もないSOS団としての活動もあったわけだ。俺が古泉と共に奴の持ち込んだ古めかしいボードゲームに勤しみ、朝比奈さんがお入れになったご利益がありそうなお茶をすすりながら、なにやら医学的な病名が表紙になっている本を黙々読みふける長門と、また俺に迷惑がかかりそうなことをパソコンのディスプレイと睨めっこしながら模索しているハルヒを眺めるって日常が。
 はたから見たら実に正常な、やる気の無い文芸部の活動に見えなくも無いだろう。それはハルヒがなんだかんだで学校に溶け込んでいるという証明だと俺は思う。入学当初のハルヒには考えられない未来かもしれないな。
 でもこれはあくまで狭い範囲の、SOS団というハルヒが作った空間での話しなわけで、現にハルヒはクラスのイベントにはちっとも興味を示していなかった。一応ハルヒの尊厳を守るために言っておくが、今はけっこうクラスにも興味を持っているから、成長はしている。
 しかしだ、ここまでハルヒがクラスに溶け込んできたのにも色々と越えねばならんハードルがあったわけで、それについてハルヒ以外の団員が奔走していた事実が千年杉の根よりも深く存在している事を思うと、正直感謝の1つでもしてほしいと思う今日この頃だが、思えば去年一番その奔走したのが体育祭だった。
 そしてハルヒがクラスのイベントで初めて参加の意思を垣間見せた瞬間でもある。
 てな訳で、この話は去年の九月の初め、終わりの全く見えなかった夏休みの終わりを向かえてすぐの、残暑が残る学期明けホームルームまでさかのぼる。
 


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