8.揺るがない想いに変わって
コナンは、蘭を見れなかった。
でも、その震える声は泣いているのだと思った。
「でもね。」
そう言って止まった蘭を見上げると、彼女は笑っていた。
「私、もう怖くないよ。」
その顔は決して嘘ではなく、強い意思を持った笑顔だった。
「コナン君。」
突然、自分に振られて焦ってしまう。
(俺が工藤新一だなんて、気づいてはいないしな。)
「いつも傍にいてくれてありがとう。」
(どうしてこんなに苦しめてる俺に礼なんか言うんだよ。)
「最初は怖かったよ。新一はもう帰ってこないんじゃないかって。だけど、コナン君、いつも私を励ましてくれたでしょ?」
うん、と小さく頷く。
それは、コナンを通して工藤新一として蘭に伝えていた。
絶対に、絶対に蘭のもとへと帰ってくるから。
「私ね、新一を信じてるんだ。」
え?
「いつも、事件事件って走り回ってたんだよ。でもね、絶対帰ってきてくれるの。それで、毎回私に事件はこんなトリックだったとか、こうして解いたんだって、教えてくれるの。」
(いつも、蘭との予定より、優先しちまってたな。)
「だから今、どんなに大きい事件を抱えてたとしても、新一は絶対に事件を解決して帰ってきてくれるのよ。」
自信に満ちた言葉に、不覚にも泣きそうになった。
「そうだよ。絶対に新一兄ちゃんは、帰ってくるから。」
蘭への誓いとして、答えた。
「・・・・蘭ちゃん・・・・・ごめんな。」
「なんで和葉ちゃんがあやまるの?」
「・・・・だって、あたしがミステリーコースターに乗りたいって言ったせいやから。」
「違うよ。和葉ちゃんのせいじゃ絶対にないから。」
「・・・でも」
「私ね、あれからこれに乗ったことないの。」
「怖かったから。でもね、今日は乗れる気がしたんだ。だって、和葉ちゃんも、コナン君も、服部君もいてくれたから。」
「ほんまに?」
「うん!だからね、気にしないでね。もう、大丈夫だから。」
「うん!」
この友人を本当に強いと、改めて確信する。
自分も、蘭のようになれるのだろうか。
不安を安心に変えることはできるだろうか。
そんな和葉の横顔を平次は何も言わず、ただじっと見ていた。
「工藤。」
「あ?」
「強い姉ちゃんやな。」
「ああ。」
「だから惚れてんのやろ?」
「バ////バカか!!そそそそんな」
「何今更隠してんのや。」
「うっせー。」
「ほら!コナン君、服部君!次行くよ!」
蘭の声で、次へと歩き出す。
水が流れる人工的な川を、4人乗りの船の形になった乗り物に乗り、いろいろな箇所の仕掛けを流れていく。
4人が列に並ぼうとした時だった。
「「「「「キャーーーー!!!!!!!」」」」」
その声に振り向くと、女性用トイレの前でナイフを女性の喉元に突きつける男の姿があった。
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