7.ここから・・・
チケットを買い、入り口で従業員が半分切り取り、いよいよトロピカルランドへと入った。
「わあぁぁ!!!すごいなぁ!!」
「ほんまや。USJに引けを取らんな。」
大阪の遊園地は何度も行っている二人。負けず劣らず大きなテーマパークに驚いていた。
「でしょ!!あっちから、『怪奇と幻想の島』、『「野生と太古の島』、『夢とおとぎの島』、『冒険と開拓の島』、『科学と宇宙の島』になってるのよ。」
「ミステリーコースターって人気あるん?」
「うん。一番人気があるって、僕何かで読んだよ。」
「ほんなら、早よ行って並ばんとな。」
前を歩く平次と和葉の後ろで、コナンは黙っている蘭を見ていた。
「蘭姉ちゃん、ミステリーコースター乗るの怖い?」
そんなことじゃないとわかっているのに、今の自分の姿ではこうとしか言えない。
「・・・・ううん、そんなことないよ。私、絶叫系も好きだから。ただ・・・・。」
「・・・ただ?」
「思い出しちゃうなぁ。」
「・・・・・・。」
何を思い出しているのかなんてすぐにわかる。
『大丈夫だ、俺はここにいるから。』と言えたら。
「大丈夫だよ。僕がついてるから。」
また、いつかのようにコナンが悲しんでいるように見えた。
「うん、そうだね。コナン君一緒に乗ってくれるでしょ?」
「うん。」
蘭がコナンの手をとり、離れてしまった平次と和葉を追いかけた。
キャーーーーー!!!!
「うっわあ。」
「ほお、オマエ怖いんか。」
「そ、そんなわけないやろ!あ、あたしは全然平気やし。」
「またかい・・。」
「ん?なに?平次、なんか言った?」
「なんでもないわ、ほら行くで。」
誤魔化されたような気がするが、それより自分の手を引っ張って進む平次にドキドキしてしまい、そんなことはすぐに頭から離れてしまった。
ミステリーコースターの前に来て、蘭が握る手が強まったことに気づいた。
遊園地の乗り物ではなく、そこにそびえ立つ悪魔の住む城を見上げるかのようにじっと見つめている。
「蘭姉ちゃん、やめとく?」
蘭が感じている恐怖がジェットコースターのものではないことはわかっている。
「ううん。さ、乗ろうか、コナン君。」
平次と和葉、コナンと蘭という組み合わせで乗り、やっと終わると女性陣は泣きそうな顔で放心していた。
「なんや、やっぱり怖かったんやないか。」
「・・・・・・・・。」
まだ放心している和葉。
「・・・・なら、ちゃんと言わんかい。」
「・・・ん?なに?」
「おい、姉ちゃんも大丈夫か?」
「う、うん。久しぶりに乗ったら、やっぱり怖かった〜。」
(これからだろ。・・・俺がいなくなったのは・・・。)
「和葉ちゃん、次は何がいい?」
「そうやなぁ、あの水が流れてるのとか楽しそうやね!」
「うん、いいよ!じゃあ、行こっか。」
これから入る人とすれ違う形のゲートを出る。
蘭は、そこで立ち止まってしまった。
「どないしたん?蘭ちゃん。」
和葉が顔を覗きこむ。気分でも悪いのかと思った。
「蘭姉ちゃん。」
「・・・・ごめんね。なんでもないの。」
震える手をコナンがギュッと握り、震えを止めようとする。
「蘭姉ちゃん。」
「ごめんね。ごめんね。」
「大丈夫なんか?」
「うん、大丈夫。ありがとう。ちょっと、思い出しちゃった。」
「なにを?」
和葉だけは知らなかった。ここが、工藤新一が蘭の目の前から消えてしまった始まりだった場所だということを。
「あの日、ここで新一が・・・『ゴメン、蘭!!先に帰っててくれ!』って言って・・・私は新一がどこか遠くへ行ってしまう気がしたの・・・・そしたら・・・当たっちゃった。・・・・ほんとに・・・いなくなっちゃった・・・・。」
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