挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマークする場合はログインしてください。
<R15> 15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

魔王と人の変物語(こいものがたり)

作者:夾竹桃
天使や悪魔、悪霊などのオカルト話が廃れ、漫画やゲームにもほとんど登場しなくなった二十一世紀後半。人々は身近な機械との話をもてはやしていた。
自主性を持たない機械人形が意思を持ち、主人との恋に悩む話はベストセラー小説となり、悪魔や天使などのお話は隅に追いやられた。

だが人々が天使や悪魔に関心を抱かなくなったとしても、天使や悪魔の存在自体が消えるわけではない。
人々の関心が薄れると同時に、天使や悪魔もまた人に対する関心を失い、人々はその存在に気付けなくなっただけだ。
だが何事にも例外はあるものだ。これは例外として扱われる魔族と人の変物語。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

群雄割拠状態の魔界を統一し、四つの大国に分けて支配している魔王はここ一世紀ほどある悩みを抱えていた。

「恋とはなんだ」

魔王は人間の恋とは何か、で悩んでいた。
それは一世紀ほど前、お忍びで人間の世界を訪れた際に、たまたま拾った本で目にしたのが発端だ。

「我は人の恋というものが知りたい」

「また始まったのですか、魔王様の病気」

「待てシルヴァニア。我は病気になどかかっておらん。至って健康体だ」

魔王の側近兼お世話係の女性魔族シルヴァニアが、魔王に生暖かい視線を向ける。
反論する魔王だが、それはシルヴァニアの目がより冷たくなるだけだった。腰が引けた魔王は咳払いをして空気を変える。

「我が知らぬ事を他の者が知っている。それは我にとって我慢できぬものだ」

魔王は力もそうだが、何よりも知識欲が強い。
通常、悪魔や天使は現状で満足する。何かが足りなくなっても、それを補えれば終わりだ。だが魔王は違った。現状では満足できず、もっとできることがあるのではと考えた。
魔術を研究し、さまざまな魔道具を作った。だが常識外れの行動をする者は目立つ。魔王の行動に、ある上級魔族がケチをつけた。それに対して魔王は上級魔族へ反逆した。
魔族において階級は絶対であり、それゆえすぐに制圧されると思われた。
だが魔族たちの予想に反し、魔王は勝利を収め続けた。それも当然だ、今まで誰一人見たことも聞いた事もない魔術を、魔王は遠慮なく使ったのだ。
既に知れ渡っている魔術なら対策が可能だが、未知の魔術に対して魔族は弱い。さらにそれらに対する研究を行える者がおらず、一方的な敗北を招いてしまった。

「分かりました、分かりました。また人間界から本を持ってくれば良いのですね」

「盗難はよろしくない。かといってシルヴァニア、お前経費で落としてくれないだろ?」

「当たり前です。魔王様の本代、いくらだと思っているのですか?」

「はっはっはっ、新しい知識の吸収は楽しくてな。で、ものは相談なのだが、お小遣い増やしてくれませんか?」

「駄目です」

「なぜ!! 我は魔王だぞ。ちょっとぐらい贅沢をしても良かろう!!」

「それで国庫にまで手を付けて、統一してもすぐに乱世に戻した馬鹿が何人もいるのですよ。良いですか、魔王様。貴方は人間界でいう『ゲコクジョー』を為した魔族ですよ。歴史には最期まで格好良く名を残すべきです」

「ぬぅ、これが人間界で言うところの口うるさい幼なじみというやつか」

魔王の言葉通り、魔王とシルヴァニアは小さい頃から付き合いがあった。いわゆる幼なじみである。知らない事を知る時の感動を、無自覚とはいえ教えたのもシルヴァニアであった。
その辺りの責任を感じて、シルヴァニアは魔王の側近兼お世話係を今も続けている。
彼女からすれば、魔王という肩書を得て、他から畏れられる存在になろうとも、可愛い弟分にしか見えないのだろう。

「何か言いました?」

「いえ、何も。ぬっ、レーダーに反応がある。ようやくかかったか」

シルヴァニアに睨まれた魔王が言い訳を口にしようとした瞬間、ビープ音が4度部屋に鳴り響く。それは魔王が仕込んだレーダーに反応があった事を(しら)せる音だ。
睨んでくるシルヴァニアから逃げるのも含め、魔王はそそくさと部屋を移動する。あきれ顔のシルヴァニアはため息を吐いた後、魔王の後を追った。

「うむ、うむ! これは素晴らしい!!」

モニターが並ぶ部屋で、魔王は歓喜の声を上げていた。反対にシルヴァニアはあきれ顔のまま、魔王を生暖かい目で見ていた。

「つかぬ事を伺いますが、魔王様。これは何のための部屋ですか?」

「分からぬか、シルヴァニア。これは我が開発した恋を知るための人選機だ。モニターを見ろ、シルヴァニア。これほど完璧な者はおらんぞ!」

言われてシルヴァニアはモニターを見る。モニターには10代後半の少女が映っていた。少女だけなら何も問題はなかった。
しかし、少女は首に縄をかけている。どう見ても今から自殺しますという光景ゆえ、何が魔王の琴線に触れているのか、シルヴァニアには全く理解できなかった。

「今から自殺しようとしている少女ですね」

「なんともったいない。いや、違う。さて詳しい話は後だ。まずはこの場に転送しよう」

魔王は緑色のボタンを押す。機械がうなりだし、モニターに映っていた少女が消える。同時に、床に描かれた魔法陣が淡い光を放つ。光が消えると、魔法陣の上に少女の姿が現れた。

「……え?」

自身の身に起きた事が分からず、少女はぼうぜんとしている。魔王は実験装置がうまくいった事に小さくガッツポーズをした後、わざとらしくマントをたなびかせて宣言する。

「ようこそ、魔界へ」

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

魔王はぼうぜんとする少女を応接間へと連れて行く。なんだかんだ言いつつ、その後をシルヴァニアがついていく。
その光景を見た魔王の部下たちは、楽しげな魔王と渋面で後を追うシルヴァニアを見て、哀れみの視線を彼女へ向けた。

「さっきも言ったがようこそ、魔界へ。我はそなたを歓迎する」

「無理やり召喚しておいて、歓迎するもないのですがね。ああ、適当な所に座ると良いよ」

何度か辺りを見回した後、少女は何も敷かれていない床に座る。ソファに座らないことを訝しげに思ったシルヴァニアだが、本人が選んだ以上、何も口にしなかった。

「何をしておる。そこにソファがあるだろ? そこに座れ」

「え、でも……」

「良い、座れ。我の決定だ。誰にも文句は言わせん」

何度かためらって少女はソファの隅に座る。体を縮めて座っている様子から、シルヴァニアはある事を思いついた。が、それを口にする事はなかった。

「では少女よ。我に恋というものを教えろ」

「恋……?」

いきなりのことに少女は驚く。少女の視線が彷徨いシルヴァニアへと向かう。彼女はため息を吐きつつ説明した。

「この馬鹿……コホン、魔王様は人の恋というものを知りたくてね」

「今、一瞬すごい言葉が聞こえたぞ。む、いかんな。まずは名前を名乗るのが礼儀であるな。我は魔王、真名はあるが、それは他人においそれと教えられぬ。我のことは魔王様とでもお兄ちゃんとでも呼ぶが良いぞ」

「おい、趣味が丸出しだぞ。私はシルヴァニア。この阿呆と一緒で真名は教えられないのよ。真名は魔族そのものを指すからね。だから、魔族が真名を教えるのは、まずないと思って頂戴」

「は、はい。わ、私は沙月(さつき) 美奈(みな)です」

「美奈か。良き名だ。では我は美奈と呼ぼう。それで早速質問だが、美奈よ。貴様、前髪で目を隠しておるが、目の病でも患っているのか?」

モニターに映っていた時から魔王は気になっていた。美奈は前髪で目を隠している。それでは前が見にくいゆえ、魔王は目の病気を患っているのかと考えた。

「そう、じゃないです。こうしていれば、嫌なものも見なくできますから」

それだけ呟いて美奈は黙った。簡単に話せる事情ではないと思った魔王は、目の話題に触れないよう考えた。魔王が知りたいのは恋、その事に影響が出る話題は極力避ける考えだった。

「ふむ、ならば良い。では美奈よ、我に恋というものを教えてくれ」

「す、少しお待ち下さい」

目の前に置かれた紙を手に取ると、美奈は何かを書き始める。書き終えると、彼女はそれを魔王に見えるよう向けた。

「これが恋です」

「……うん、美奈よ。我は漢字を教えてくれと言ったのではない。恋とは何か、が知りたいのだ」

紙には大きな文字で恋と書かれていた。否、歪んでいるせいで変の文字に近かった。吹き出しそうになったシルヴァニアだが、なんとか笑いをこらえる。だが肩が盛大に笑っていた。

「でも、えと……恋って何でしょうか?」

「それを知りたいのは我なのだが……もしや、人間全てが恋を知っている訳ではないと?」

申し訳なさそうな表情で美奈はうなずく。魔王は手で顔を覆うと、深いため息を吐く。落ち込み様に美奈がオロオロとしていると、突然魔王は顔を上げた。

「そうか。つまり我が恋を知れば、それは魔界で唯一、恋を知る者となれるのか! 美奈よ!」

「ひゃい!?」

美奈の両肩に手を乗せると、魔王は顔を近づけてさらに言葉を続ける。

「我とともに恋が何なのかを知ろう。うむ、それが良い!」

「え、で、でも学校とか……親にも迷惑が」

「そんなもの無視すれば良い。これでも魔王だ、貴様が何に苦しんでいるかぐらい見抜ける。詳しくは問わぬ。だがそれが我の恋を知る障害となるならばつぶす」

言いつつ魔王は美奈の腕に触れる。それだけで何かを言いかけた美奈は言葉を飲み込む。魔王は見抜いていた。人間界では真夏日なのに、美奈が長袖である理由を。

「美奈よ。我は恋を知りたい。ならば対価として、貴様の障害となる者をつぶそう。いかなる方法でも良い。貴様の望むまま、我は力を使おう」

「……」

「何も悩む必要はない。人が人に優しくするように、人が人に報復する権利は誰もが持っている。今まで貴様は報復する力を持っていなかった。だが今は力を得た。さぁ望みを言え」

「わ、わたし……は……」

逡巡した後、美奈は悪魔(てんし)に願いを語る。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

美奈を召喚してから数か月後、魔王はシルヴァニアと共に廊下を歩いていた。

「今さらな話ですが、あれでよろしかったのですか」

「我は虚言を弄さぬ。あの娘の願いはかなえた。何も問題なかろう」

魔王は毅然と答えるがシルヴァニアは納得していなかった。
あの日、美奈が願った事。それは自身を殺してくれ、という願いだった。

『嫌なんです。誰かを憎むのも、誰かを恨むのも……あの状態を招いたのは、私の弱い心が招いたこと。私が強ければ……ううん、あの時の私にほんの少し勇気があれば……こんな事にならなかったのです。だから、弱い私を殺して下さい』

魔王は美奈の言葉を思い返す。今考えても彼もまた理解できなかった。憎むべき対象を憎みたくない感情を。あの時の美奈は嘘を言っていなかった。わずかに見えた目が彼女は嘘ではなく本心を語っていると訴えていた

「憎むのが嫌で死を望むか。我には分からぬ感情だ」

「私も分かりません。あんな屑のために、己の命を捨てる事はなかったでしょう」

「心が人を人間(あくま)にも人間(てんし)にも変えるのだろう。今回の件で、我はそう学んだ」

そんな話をしていると部下の1人が報告書を持ってきた。足を止めて報告書を受け取ると、魔王は部下を下がらせる。

「朗報だ。どうやら順調に事は進んでいるようだな」

言うやいなや魔王は報告書をシルヴァニアに投げる。慌てて受け取ったシルヴァニアは、文句を言いながらも報告書に目を通す。

「我は確かに美奈を殺した。だが、他の者を殺すな、とまでは言われておらんのでな」

「全く、甘い事です」

報告書には美奈を苦しめた連中の、今の状態が記載されていた。どれも悲惨の一言に尽きた。不思議なのは1人として死んでいない点だ。

「別に美奈のためではない。我の気分を害した。それだけだ。悪魔が力を使うには、十分な理由であろう?」

「そうですね。しかし、魔王様のことだから一思いに、と思っていましたが?」

「人は死にたいのに、死ねないのが一番つらいのだ。残りの人生、少なくとも美奈が味わった苦痛と同じぐらい苦しめねば意味がなかろう」

「確かにね」

シルヴァニアが報告書を脇に抱えると、魔王はまた歩き出す。

「ところで、どこに向かっているかいい加減教えてほしいものね」

突然ついてこいと言われたきり、他には何も教えられていない。魔王が何のためにシルヴァニアを連れているのか、その目的すら語っていないのだ。

「ビックリさせたいのだ。たまには我のわがままに付き合ってくれ」

「たまにじゃなくて、いつもビックリさせられているけど?」

「そうだったかな?」

惚けたふりをして話題をそらす。これは何を言っても答えないだろうと思ったシルヴァニアは、苦笑しながら魔王の後をついて行く。

「到着したぞ」

長い廊下を歩き、階段を上ったり下ったりして、ようやく目的の場所へたどり着いた。

「随分と深い場所が目的地だね」

深い、とは玉座の間から移動距離が長い事を指す。それほど離すのは他の者に見せたくないものか、それとも危険すぎて他の者に存在を知られたくないもの、そのどちらかだ。

「さぁ驚いて腰を抜かせ。さすれば我はその姿を写真に収め、額縁に入れて飾ってやろうぞ」

「そんな事したらブッコロスヨ」

「ごめんなさい。まぁ驚くのは確実だ。入るぞ」

ノックを2回してから魔王は扉を開ける。光が差し込む部屋は殺風景ではないが、異様にものが少なかった。豪華なベッドとソファ、それから本棚がいくつかある程度だった。
大きなソファに誰かがいた。体勢からソファでうたた寝しているとシルヴァニアは思った。

「会ってやれ」

シルヴァニアの背中を魔王は軽く押す。訝しげに思ったシルヴァニアだが、仕方なくソファで寝ている人物へ近づく。

「あっ!」

顔を見てシルヴァニアは思わず大声を上げる。その声で気付いたのか、ソファで寝ている人物が目を覚ます。寝ぼけ眼をこすった後、大きく背伸びをする。

「あ、まおーさまだ」

魔王の存在に気付いたのか、元気な声で魔王に手をふる。反対にシルヴァニアは声を失った。なぜなら、ソファで寝ていたのは魔王が殺したはずの美奈なのだから。
髪の長さが多少短くなり、衣装も以前とは違って清楚な服装だった。全体的に黒で統一されているのは、魔王の趣味であろう。
だが何よりもシルヴァニアが驚いたのは、最初に出会った時のおどおどした雰囲気が一切ない所だ。前髪もばっさりカットされ、目がはっきりと見えた。
シルヴァニアは勢いよく魔王の方へ顔を向ける。

「ちゃんと殺したさ。美奈という人間を形作る記憶を完全にな」

肩をすくめながら魔王は答える。魔王は美奈の願い通り、美奈を殺した。美奈の記憶全てを殺し、一から完全に別人格を作り上げる事で、殺してくれという願いに応えた。

「じゃあこの猫耳は?」

「それは趣味だ!」

シルヴァニアの問いに魔王はどや顔で答える。美奈の頭には猫耳がついたカチューシャがつけられていた。頭が痛くなったシルヴァニアは目頭を押さえる。

「じゃあこの子が短い髪なのにツインテールなのも、清楚な服装をしているのも、全部あんたの趣味?」

「そうだぞ? 何をいまさらな事を言っているんだ?」

「……じゃあ聞くけど、美奈が選ばれた理由ってまさか」

「もちろん、胸がでかくて、眼鏡をかけていて、髪がツインテールできるほど長くて、10代後半だからさ!」

爽やかな笑みを浮かべて、魔王は自信満々に答える。プツリと何かが切れた後、シルヴァニアは目にもとまらぬ早さで魔王をぶん殴っていた。

「痛いぞ! いきなり殴るとはひどいな」

「黙れこの阿呆。感動した私の時間を返せや!」

「まおーさまをいじめちゃやー!」

もう一発殴ろうとしたが、その前に美奈がシルヴァニアの腰にしがみついてきた。涙目で訴える美奈を見て、毒気を抜かれたシルヴァニアはため息を吐く。

「怒るのも馬鹿らしくなった」

「まおーさま、いぢめない?」

「あーあー、大丈夫。ちょっと馬鹿な事が続いたので、ついね。もういじめないから、ね?」

「(大丈夫だぞ。この程度で、魔王はやられぬ)やはり子どもには甘い。チョロいぞ、シルヴァニア!」

「せめて思っている事は隠せ!」

「しまった! つい本音が出てしまった!」

2,3発殴ろうと思ったシルヴァニアだが、美奈に約束した手前、拳を握るだけにとどめた。落ち着いたところで全員ソファに座る。美奈は赤子のように、魔王にぴったりくっついていた。

「ま、まぁ先ほど説明した通りだ。我は美奈との約束は守った。心が人を決めるなら、心を殺せば、それはその人が死ぬのと同じだ」

「全く、手の込んだ事をしてくれたわね。道理であれこれ調べてこい、って言った訳ね」

「美奈は死んだ。今、ここにいるのは夏帆(かほ)だ」

「帆は風の力で船を進めるもの。そして美奈を呼んだ時期は夏。さしずめ夏の風を受けた船で運ばれたから、って所かしら。安直な名付け方ね、でも嫌いじゃない」

「はっはっはっ、詩人になりたくてな(ヤバい、そんな事全く考えていなかった)」

冷や汗を一筋流しながら、魔王は美奈あらためて夏帆の頭をなでる。ネコのようにごろごろとしながら、夏帆はうっとりしながら撫でられる。

「さて、遠回りになったが我は恋が知りたい。夏帆の心が成長すれば、今度こそ恋を知れる」

「別の娘を召喚した方が早いんじゃない」

「そんな取っ換え引っ換えするのは良くない。それに我は美奈の願いをかなえた。ならば美奈が我に恋を教えるのが道理であろう」

「その娘、夏帆だから別人だけど?」

「それは知らんな」

面倒な男だとシルヴァニアは思った。だが魔界は魔王の手で平和になって、少し退屈だと思っていた所だ。しばらく魔王の酔狂に付き合うのも悪くないと彼女は思った。

「夏帆よ、良い娘に成長しろ。そして我に恋を教えるのだ」

「うん! わたし、まおーさまのためにがんばるっ!」

魔王の言葉に、当初の暗い表情など想像できないほど、夏帆は満面の笑みで答えた。

悪魔(あくま)人間(ひと)(こい)する物語、として後の世の語りぐさになるのは、それから暫く後の事であった。

「まおーさま、こいってこうかくのでしょ?」

「なぜ、何度教えても恋ではなく変って書くのだ?」

「おしえる奴が悪い」

つづかない。

評価や感想は作者の原動力となります。
読了後の評価にご協力をお願いします。 ⇒評価システムについて

文法・文章評価


物語(ストーリー)評価
※評価するにはログインしてください。
感想を書く場合はログインしてください。
お薦めレビューを書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ