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  堕落 作者:福岡時報
監禁7
「その時、俺が相手組員を3人ボコボコにして、車のトランクにつめてさらったんだ。でその組員どうしたと思う仲ちゃん?」
「相手を病院に連れていたん違いますか?」
「何でわかるんだ?仲ちゃん凄いな。そうだ相手が素直に謝ったから許してやったんだ」
丸半日、開門は同じ事を言い続けていた。
さすがに仲村も同じ話を半日聞いてると疲れ睡魔が襲ってくる。
「すごいですね・・・開門さんは本物のヤクザです。憧れます」
適当に褒めていると開門の携帯電話が鳴る
シャブを食えば電話に出なくなる者は多いが開門は電話には出るようだ。だからこのような状況でもシャブをやったのだろう。
「はい、・・・高ちゃん来るのか?・・・弁当・・・わかった」開門は電話口で何か喋っている。
「おい、仲ちゃん弁当食うか?」
弁当の差し入れのようだ。昨日は食欲が無かったが今なら多少は食える。開門の喧嘩自慢を一晩中聞いていたのだ。さすがに眠たい。弁当食ったら少し寝よう仲村はそう思った。
それより家にいるアユミはどうして居るだろうか?警察に捕まったと思いレナの家にでも逃げ込んだかも知れない。それともイライラしてふて寝をしているかもしれない。
「おーい、仲ちゃん弁当食うのかどっちだ?」
「食べます」
「食うから弁当2つと適当に飲み物買って来てくれよ」
開門はそう言うと携帯電話を切った。
「昨日の奴らが1時間後に来るみたいだから今日やったチンポ出したことは秘密にしてくれよ仲ちゃん」
開門はニタ付きながらそう言った。シャブをやればこれ程、人格が変わる人も珍しい。乱暴者が陽気な人に成ってしまった。
「言いませんよ。大丈夫ですよ」
「信じてるからな。親父には仲ちゃんを開放してやるように言ってやるからよ」
「本当ですか?いつ頃、家に帰れます?」
「1週間位は仕方ないからそれ位じゃないか?」
「・・・そうですか。あの外人はどうなったんですか?」
一緒にさらわれた外国人密売人を聞くと開門はピストルを向けピストルの発射音を口で「パーン」と言い笑い出した。どういう意味なのだ?殺したという意味なのか?でもそれ以上は聞かない方がよさそうだ。
開門は脱いだズボンを履くと机を元の位置に戻して椅子に腰掛けた。
「仲ちゃん、俺がシャブいった事を他のヤツに言うなよ。言ったらどうなるかわかってるんだろうな?」
「言いませんよ。絶対に言いません」
仲村がそう言うと開門はニタっと笑い仲村が売人から買ったシャブをまた注射器に入れだした。そしてまたメモリ20位入れると服の上から注射した。
腕も縛らず、服の上から注射器を一発でやれるとは開門という男はシャブの先生ではなく教授だ。
仲村もやりたかったがやらせて言えなかった。
開門は注射をし終わると目をギラギラにさせて脂汗をかいていた。
目をギラギラにしている開門は立ち上がり仲村の近くまで寄るとしゃべり出した。
「おい仲ちゃん。俺はな15の時に初めてシャブをやって19の時に殺人未遂で少年院に入って、21の時出てきてまたシャブやり22の時に抗争で相手を日本刀で切って〜〜〜」
また始まった。開門の喧嘩自慢が・・・・

「その時、俺が相手組員を3人ボコボコにして、車のトランクにつめてさらったんだ。でその組員どうしたと思う仲ちゃん?」
「開門さんなら相手を病院に連れて行くんじゃないですか?」
「何でわかるんだ?仲ちゃん凄いな。そうだ相手が素直に謝ったから許してやったんだ」
「すごいですね・・・開門さんは本物のヤクザです。憧れます」
同じ事を何度言えば気が済むんだこの開門という男は?
トントンドアをノックする音が聞こえた。おそらくは公園の売人だった高山と昨日のヤクザだろう。
「オウ。入れ」
開門は大声を上げた。
「失礼します。若頭おはようございます」
高山ともう一人のヤクザは開門に挨拶した。さすがに他の組員が来たので開門は喧嘩自慢の話をやめた。
「若頭、弁当です」
そう言うと高山は開門に弁当を渡した。しかし開門は先ほどシャブをやったばかりだ。飯など食えるハズは無い。現に今も目を真ん丸くして脂汗をかいている。見る人が見ればバリバリに極まっている事くらいわかる。
「悪いな昨日から何も食ってないから腹減っちまったぜ」
そう言うと開門は弁当のフタを開けて食べだした。なんと言う男だ。メモリ20いって1時間で弁当食ってやがる。どんだけ鉄人なんだ開門という男は。
シャブをいくとほとんど食事が出来なくなる仲村には信じられなかった。開門は1時間前にメモリ20という量のシャブを注射したのだ。それで目をギラギラさせながら弁当を食っている。
「おいオッサンも食えよ」
高山はそう言うと毛布と弁当とお茶を仲村の渡した。
毛布があれば少し睡眠を取れそうだ。食事したら少し寝よう。そう思い仲村は弁当を食いだした。
こんな状況で食事など美味い訳がないが何とか弁当をたいらげた。

弁当を食い終わると仲村はトイレに行きたくなったので高山にトイレに連れて行ってもらった。
トイレは監禁部屋を出てすぐの所だ。どうやら逃げることは難しそうだ。
「なるべく早くしてくれよ」
高山がそう言うので仲村も急いでトイレを済ませた。いくら踏ん張ってもこんな状況じゃウンコはでなかった。
仲村は高山に連れられると監禁部屋に戻り毛布に包まった。

「若頭、後は自分いるんで良いですよ。鈴木さんが若頭送るみたいです」
「そうか鈴木ちゃんが俺を送ってくれるのか?じゃあ俺帰るよ。じゃあな仲ちゃん楽しかったよ」
開門はそう言うと机の上に置いたピストルを持ちにも通を持ってヤクザと一緒に監禁部屋を出て行った。開門という男はシャブをやれば人が変わったようにやさしく成るようだ。
監禁部屋の中には仲村と公園で仲村にシャブを売り仲村の人生をおかしくした高山だけになった。


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