家族(中編)
(じゃぁ陸はどんなのが好きなんだろう……)
ここ半年は陸とほとんどずっと陸と一緒に居た。
一緒にお風呂に入り、寝て、ご飯やおさんぽにも連れて行ってもらっている。
確かこの関係はご本であった"家族"とか言う奴だ。
ただ……"お父さん"とはちょっと違う気がするけど……。
そんなことを思ってから二週間くらい過ぎた日の朝、陸がいきなりこんなことを言った。
「俺ちょっと今日でかけなきゃいけないんだ。悪いけど、お留守番してくれるか?」
僕はショックで頭が真っ白になった。
(なんで、一緒に連れてってくれないんだろう……)
いつもだったらこんなことあり得なかった。
お買い物だったらいつも一緒に行っているし戦闘はこんな早朝にある可能性は低い。
(僕が邪魔なのかな……)
どんどん不安になる。
でもここで駄々をこねる訳にもいかない。
それで嫌われてしまったらもう僕はどうしたらいいか解らなくなるからだ。
「和佐?」
様子がおかしいと気づいた陸が声をかける。
「な、なんでもないです。解りました」
そんな答えしか言えなかった。
午前十時、陸が出掛ける時間だ。
僕はやっぱりお留守番をしたくなかった。
そんな事を思いながら陸に上着を渡す。
「いってらっしゃい……」
涙が出そうになる。
陸にそんな顔を見せる訳にはいかないので顔を伏せた。
「和佐……? お留守番、嫌? 来るんだったら着いて来てもいいぞ?」
その言葉に僕は驚く。
「行って、いいんですか?」
「いいけど……つまんないよ?」
陸がこんなことを言うということはよほど行きたくないらしい。
(つまんなくてもいいもん)
僕は笑顔で陸に手を引いてもらってそこに行くことになった。
それは僕の人生を大きく変える者だとは知らずに。
評価
ポイントを選んで「評価する」ボタンを押してください。
ついったーで読了宣言!
― お薦めレビューを書く ―
※は必須項目です。
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。