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キャラクターメイキングで異世界転生!  作者: 九重 遥
3章 ミシェロの町でのギルド活動
35/98

戦後処理 ヒャッハー!パーティーだぜぇ!

サブタイトルはあれですが、普通の内容です。

22日21時頃に700文字ほど加筆しました。内容的にはあまり変わってませんが。

 早朝に野宿をしていた場所から出発し、歩くこと数時間。

 やっと町につくことが出来た。


「ミシェロの町よ!私は帰ってきたー!!」


「よし、さっさと町の中へ入ろうぜ」


何かを宣言しているアルを横目に町の方へ進む。


「アルを無視していいの?」


「お腹が空けばこっちに来るだろう。疲れたから早く町に帰りたい」


「それもそうね」


 放っておいたら、こちらの目前まで飛んできた。肩をいからせている。どうやら怒っているようだ。


「無視するのはひどいですよ!」


「無視じゃない、聞き流したんだ」


「一緒ですよ!」


「はいはい」


「ちょっとアポロさん、聞いてるのですか!」


 アルがマシンガンとはこういうことだといった感じで文句を言ってくる。

 戦闘や旅で疲れた体には少々堪える。

 というより、相手にするのが面倒になってきた。

 となると、 


「どこでもアル黙らせ機~」


「ちょ!それただの木箱ですよね!な、何する気ですか!って、リンさん助け……」


 箱は無事閉じられた。

 うん。静かになった。


「……いいの?」


「空気穴を作っといたから大丈夫だ。安全性は確保されている」


「そういう意味で聞いたんじゃないんだけど」


 リンへの返事は黙して笑顔で返す。沈黙は金だ。

 喚き散らすアルを物理的になだめさせて町に入る列へと並ぶ。箱からガタガタと音がするが気にしないことにする。

 しかし、改良が必要だなこの道具。手で抑えるのは面倒だ。

 昼も過ぎ、中途半端な時間だからなのだから、列はそこまで長くない。これならすぐにでも町の中に入れそうだ。


 無事手続きも終わり、町の中へ。

 歩いていくと町の人の会話や露店の喧騒が伝わってくる。

 ほんの数日離れていただけで、懐かしく思うのはなぜだろうか。

 第二の故郷となっているからだろうか。

 故郷といえば、地球に残した家族は大丈夫だろうか。俺が亡くなって泣いているだろう。父親と母親はだてに生きてはいないから心配はあまりないが、妹の鈴乃のことが心配だ。まだ中学生という多感な時期に兄を亡くすのは辛いだろう。それもブラコンとはいかないまでも、仲が良かった俺を。

 この世界に来たのはトラックの事故が原因だ。転生させてもらったので恨みはないが未練が少し残るな。


 宿に戻って一息つきたいが、先にギルドに報告に行く。


「皆さん、お帰りなさい」


 リサさんが俺たちをお出迎えしてくれた。

 リサさんのほんわかした笑顔を見ると癒されるな。


「リサさーーん」


 アルがリサさんの狐耳めがけて飛んでいった。

 箱から出したのが、まずかったか。

 リサさんがアルの突撃に驚く。


「わっ!アルちゃん!」


「おぉぉぉぉ!久々の狐耳です」


 そう言ってアルはリサの狐耳を愛ではじめた。

 時折優越感混じりにこちらを見るのはなんなのだろうか。

 大丈夫。こちらにはリンがいるのさ。


「ねぇ、なんで私を見るのよ」


「…………なんでだろうな」


 疑わしげにこちらを訝しむが、素知らぬ顔をして対応する。まだだ。今はその時ではない。


「そ、それより報告しようぜ」


「………そうね」


 渋々リンは頷いた。

 袋から倒した魔物を出していく。


「受注したクエストはゴブリンとウォードッグですよね」


「そうですけど、他にもありまして」


「他にも?」


 ブラッディオーガの角を取り出しカウンターに置く。


「道中でブラッディオーガに遭いまして。こちらも買い取ってもらえませんか?」


「ブラッディオーガ! お二人で倒したんですか!?」


「ええ。もっともアポロがほとんど一人で倒したけどね」


 俺が言う前に、リンが答えた。

 アルが自身を指さして自分も、自分もとアピールするが無視しておく。


「凄いですね。この前ギルドに登録したばかりというのに……」


「運が良かっただけですよ」


 ギリギリの勝負だった。もう一度同じ事をやれと言われても自信がない。

 だが、リサさんは首を振ってそれを否定する。


「運だけでは倒せない相手ですよ。きっとアポロさんの実力です」


「そうね。普通あのオーガを倒すのにはもっと人数が必要なの。それを独力で倒せたんだもの。自信を持っていいわ」


 リンとリサさんに諭された。

 多少は自信を持っていいのかもしれない。

 チートを貰ったとはいえ、地球では争いなんかほとんどしたことがなかった。それでも、この世界でやっていけると。

 過信は禁物だが、初心者のレベルは脱したのかもしれない。


 そうやって話をしていると、鑑定が終わった。


「では、ゴブリン14とウォードッグ15とブラッディオーガ、他にも角ウサギとカラミ草等の薬草で合計金貨12枚と銀貨4枚、銅貨5枚になります」


「思ったよりするのね」


「そうだな」


 帰りにもいくつか狩ったので結構な数になった。

 個別で見てみると、ゴブリンとウォードッグは安い。角ウサギに毛が生えた程度だ。これは角ウサギに比べて売れる場所がないからだ。害獣駆除目的のクエストらしい。

 そして、やはり一番大きい額はオーガだ。あの角は何かの原料になるらしい。

 諸経費を抜いて、折半するとなると金貨5枚ぐらいだろうか。

 槍がなければ借金返済できる金額だ。槍が壊れなかったらどうなっていたのだろうか。些かリンが不憫に感じるな。


 ギルドを出て宿に向かう。

 鍛冶屋に行かねばならないが、疲れ果てたので明日にまわすことにした。

 宿についたら、帰還祝いパーティーをした。

 クエスト中は野宿だったり簡素な食事だったので、屋根付きの部屋で食べる料理はいつもより美味しく感じた。 



 自分の部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。


「ふぅ……疲れた」


「お疲れ様です、アポロさん」


「アルもお疲れ様」

 

 アルの拳と俺の拳とをコツンとぶつけ合う。

 3日という短い期間だが、これが初めての遠征だ。最初町に来る時には野宿をしたが意味合いが若干違った。

 安息を求めるための旅路と生活のため、目的のために魔物を探す旅路。

 本格的に魔物と対峙し、一瞬の判断ミスが命を落とすことになる戦いの舞台。

 野宿をしても警戒は完全に解くわけにはいかない。自然と疲れがたまる。

 蓄積された疲れが徐々に動きを阻害していく。脳内のイメージと実際の動きに齟齬が生じてくる。万全の体調ならさして問題にならない動作ができなくなっていく。

 帰り道はリンが新しい槍で奮起してくれたので助かった。槍のおかげなのかリンのやる気がみなぎっていたのか敵を秒殺していった。頼もしいかぎりだ。


「さてと、最後の仕事だ」


「夜這いですね。任せてください」


「違うから」


「違うのですか?」


「不思議そうに首を捻るな。違うだろう。

 むしろ、何でそう思ったのだ?」


「リンさんを借金漬けにしましたし。夜這いしようが何しようが文句はでないかと」


「文句しかでないと思うが」


 それとこれとは話が別だ。

 ヤクザじゃないんだから、借金のかたにってのはなぁ。どう言い繕おうが、レイプだろうが。

 もしかしたら、この世界では普通かもしれないが、俺自身がそういう風に染まるのは嫌だ。


「じゃあ何するんです?」


「レベルがあがったのでステータスをな」


「あぁ。リンさんと一緒にいましたから、弄れなかったですねぇ」


「ウィンドウオープン」


 ウィンドウには俺のステータスが表示される。

 アルと一緒にそれを覗く。


「おぉ!結構レベルあがってますね」


「オーガ倒したのがでかかったみたいだな」


 クエスト前のレベルが4。

 クエスト後のレベルが15。

 ステータスを弄くるのは出来なかったが、旅の合間にちょこちょことレベルの確認はした。

 そこから判断するに、ゴブリンやウォードッグも結構な数を倒したが、それらを合せた経験値よりオーガの方が大きかった。

  

「ヒヤヒヤもんでしたが結果的にはよかったんですかね」


「俺は安全にレベルアップしたかったがなぁ」


「またまたー」


 何が嬉しくて命の綱渡りをしないといけないのか。

 初めての本格的な討伐クエストでボス戦とか嫌すぎる。


「けど、まぁ……」


「アポロさん?」


 手を握り、また開く。

 開いた手を閉じ、強く握る。

 戦闘のことを色々と思い出すが。


「あの死闘のおかげで強くなった気がする。レベルとかそういうものではない何かの部分が」


 百の訓練より一の実戦とは誰の言葉だったか。

 本当にその通りかもしれない。

 訓練では強くなったという実感が薄いが、あの戦いを経て俺は強くなったという自信がある。

 アルは優しく微笑み、肩をポンと叩いて言った。


「気のせいですよ、それ」


「…………………………」


「…………………………」


 アルと顔を見合わせる。

 アルも笑顔。

 俺も笑顔。


「病院探しましょうか?」


「自分のか?」


「え?」


「自分から病院に行きたがるとは殊勝な心がけだなということだ。

 手加減は不要だよな?」


「いたたたたた。ちょ、とれる!とれちゃいけない場所がとれてしまう!」


 ある場所から手を離す。

 ふぅとため息が出る。


「人が真剣に考えてるのに茶々入れるからだ」


「つい、ね?」


「同意を求めるな」


 アルとじゃれていても仕方がないので、ステータスの方に視線を戻す。


「お、スキルのレベルも上がってる」


「どれどれ。ホントですね。おめでとうございます」


 剣術がレベル3に。

 分析がレベル2に。

 とその2つが一個ずつ上昇していた。


「まぁ、上がったけどあまり実感はないが」


「口から火がでるようになるのはいつになるやら」


「それ、一生かかっても無理だと思うぞ」


 スキルは置いといて、レベルの所に戻る。

 レベルが15になったということは、11上昇したということだ。

 つまり、ポイントが33ある。

 何に割り振ろうか。

 これだけポイントがあると迷う。



 そろそろMP以外にも振るべきか。

 最初キャラメイクした時に高いパラメーターを与えられたので、不足している部分がないといえばない。


「迷うなぁ……」


「私の出番ですね。わかります」


「それは断る」


「えぇぇ、何でですか!私は自分のポイント割り振れないので、楽しめないんですけど!楽しさプリーズ」


「俺は遊びでやってるわけじゃないんだがな」


 アルがぶぅー、ぶぅー文句を言うが、木箱をちらつかせると黙った。


「もし、ポイント割り振ってミスしても自業自得になるからな。そっちの方がいい」


「アポロさん……」


「ま、相談は乗ってほしいけどな」


「つ、ツンデレ!?」


「うっさい。じゃあいくぞ。

 STRが筋力。DEFが防御力。INTが賢さ。AGLが素早さ。DEXが器用さ。

 この認識でいいんだよな」


「ええ。大体のゲームではそうなってますね」


「大体はわかるんだが、DEXの器用さは何なんだ?」


 ゲームの時はあまり疑問に思わずプレイしたが、自分が体験するとなるとちょっと疑問に思う。


「攻撃の時の命中率だったりしますね。他には……一般的な意味の器用さになるんではないでしょうか」


「なるほどな」


「となると、いるかな。消去法でいえばDEFが一番いらないが」


「顔を殴られた時に『今、何をしたかな?』とか余裕ぶった態度できますよ? 別バージョンで『蚊に刺されたかな?』というのもあります」


「全然魅力的に思えないんだが、それ」


 防御力の部分は防具に任せたい。

 攻撃を受けずに倒すのがベストだ。


「となるとAGLか……」


「『残像だ……』がやりたいわけですね」


「……………あとは筋力か賢さだが、筋力の方がいいか」


「大岩をパンチで球形にしたいのですね?」


「………意地でもツッコまんぞ。だが、それは置いといて。

 INTは恐らく魔法の威力に関係しているんだろう。俺の火魔法のレベルだとなぁ……」


「何か問題があるんですか?」


「初級魔法は問題がないが、中級になると威力や形状を変化させることが出来ないんだ」


「形状?」


「例えば『ファイアーアロー』だと火の矢の数を増やしたりできるんだ」


「それが中級だと出来ないということですね」


「ああ。中級魔法だからではなく、レベル4だからなのだと思うが。

 威力も形式も統一されるのなら、あまり弄くるのは怖いものがある」


「ま、仮説だがな。恐らくスキルレベルが関係していると思う」


 そう言いながら、ステータスを弄くる。

 INTに端数のポイントの3をつぎ込む。


 意識を集中させ魔法を出す。

 初級火魔法。


「『ファイア』」


「おぉ!」


 俺が覚えてる中で一番小さな威力の魔法。

 種火に使ったりする魔法だ。

 それを持てる限りの威力で出す。

 指先から放たれるその炎は、親指と人差し指で輪を作るぐらいの大きさだ。


「ふむ………」


「いきなりどうしたんです?放火にはまだ早いと思いますが」


「まだって、今後もやるつもりはないぞ」


「それが後に裸火吹き男伝説の幕開けとなるのだった」


 無言でその炎をアルに近づける。


「あつっ!ツッコむなら言葉で!」


「馬鹿なことを言ってるからだ。なんだ裸火吹き男って」


「いやぁ、アポロさんなら似合うかなぁと」


「全然嬉しくないんだが」


「褒めてるのにー」


 アルの感性をたまに理解できなくなる。


 INTを上げてわかったことがある。これを上げると魔法の威力があがるみたいだ。他は今のところ変化なし。

 もしかしたら、俺の仮説が間違っていて、INTを上げていくと中級魔法の威力や形状を変化させる可能性がある。

 だが、一か八かでINTにつぎ込むのはどうかと思う。威力や形状を自由に変化させることが出来なかったらどうなるか。

 威力が上がるメリットもあるが、威力が足りないと思ってないので魅力に感じない。想定の威力と実際の威力が食い違ったら怖いものがある。自分一人ならいいが、周りに仲間がいたら巻き添えの可能性がある。

 それに基本、近距離未満の戦闘では魔法を唱えている余裕がない。極振りするのは危険だ。


「INTに費やすのはこのぐらいにしておくか」


「となると、残ったのはSTRとAGLとDEXですね」


「うん。それでいいだろう」


 全てのパラメーターをバランスよく等分する案もあるが、やめておく。

 ちょっとバラつきがあった方がいいと思うのだ。

 必要になった時に足せばいい。


 STRとAGLとDEXと10ずつ割り振る。

 ポイントが0になった。


「出来た」


「出来ましたね」


 こうして、ステータスの割り振りが終わった。


「寝るとするか」


「ちょ、ここからが本番ですよ!私のステータスの確認が残ってますよ!」


「大丈夫。夢の中で確認するから」


「面倒臭がってますよね!自分が終わったからって!」


「そんなことない……zzz」


「ちょ!起きてー、起きてー!」


「我の眠りを妨げるとはいかなるものぞ。その代償は死をもって報いてやろう」


「いきなりボス戦が始まりましたよ、これ!?」


 アルは針を手に持って。

 俺は剣を手にアルと対峙する。

 勝つのはどっちだろうか。 

 今負けられない戦いが始まろうとしていた。


 結局、それから10分ぐらい騒いだ後にアルのステータスを確認して、ベッドに入ることになった。


 疲れた……。

 明日は鍛冶屋だ。

 早起き出来るだろうか……。

 

割り振りは十人十色ですね。私はバランス派。低い値があると怖く感じるので。


分析スキルは死にスキルとなってるような。

敵の強さとかわかります。毒とか持ってる敵とかわかります。

主人公は直感あるから無くても問題はないんですが……。


============================

名前:アポロ(新城響)

種族:吸血鬼とのハーフ

残りポイント0


レベル15

HP225/225

MP126/126

STR:70

DEF:60

INT:38

AGL:55

DEX:55


スキル

剣術3 調教1 鑑定3 分析2 隠蔽4 

索敵3 詠唱破棄1 火魔法4 精霊魔法1 

精神異常耐性2 直感7 吸血1 


装備

鉄の剣、ブラックウルフレザージャケット、ブラックウルフのズボン


仲間

アルテミス(契約)

リン・エスタード

=============================


ステータスのスキル レベルを省きました。ちょっと見やすくなるかなぁと。



=============================


============================

名前:アルテミス


種族:妖精


レベル15

HP39/39

MP22/22

STR:10

DEF:12

INT:8

AGL:8

DEX:10


スキル

オラクル 

直感


装備

============================

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