とある森にて準備運動 さっそく装備していくかい?
「ここは……森か」
「森ですね。木々がわさーってあります」
俺の呟きに、アルが答えた。
辺りを見渡すと、木々が途切れなく生えている。人通りがあるためだろうか、木々が伐採され、人が通れる道ができている。とりあえず、ステータスを確認しておこう。小さくステータスと呟く。
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名前:新城響
種族:吸血鬼とのハーフ
レベル1
HP100/100
MP50/50
STR:60
DEF:60
INT:35
AGL:45
DEX:45
スキル
剣術 レベル1 熟練度15/50
調教 レベル1 熟練度0/30
鑑定 レベル3 熟練度0/150
隠蔽 レベル4 熟練度0/200
索敵 レベル3 熟練度0/100
火魔法 レベル4 熟練度0/300
精霊魔法 レベル1 熟練度0/50
精神異常耐性 レベル2 熟練度0/100
直感 レベル7 熟練度---------
吸血 レベル1 熟練度---------
装備
なし
アイテムボックス
仲間
アルテミス(契約)
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キャラクターメイキングで決めた内容と若干差異がある。剣術があるのは、中学の頃剣道部だったおかげか。3年間やってレベル1というのは泣けるが。誰だ、才能があるって言った奴は。精神異常耐性は種族特性か。直感がレベル7なのは神がなんとかしたのだろう。あの会話にも意味があったと思いたい。精神衛生上そういうことにしておこう。
「響さん、何やってるんですか?」
「ステータス見てる」
「見せてください!」
アルがステータス画面を覗き込む。他人には見えないのではなかったけ?
「響さん、見えませんよ。なんとかしてください」
「なんとかって……これか」
画面の端のほうにオプションの項目があるのでタップして、アルにステータス閲覧許可をだす。
「こんな感じだが、どうなんだ?」
このスキル選択が成功なのか、失敗なのか聞きたい。そして、どうすればいいのか判断を仰ぎたい。俺は裁判で審判を待つ犯罪者のような心境で、アルの言葉を待った。
「わかりません!強いんじゃないでしょうか?わかんないですけど」
この回答は予想してなかった。
適当な返事だ。
わからないが二回もある。
思わず脱力してしまう。シリアスに徹しようと思っていたのに。
「お前は神様の子分だろ。なぜわからない?」
「管轄が違うので」
「お役所仕事な!」
考えてみれば、神はフェアを謳ってたのだ。それを害することをするわけがないか。
「じゃあ、この世界で知っていることはなんだ?」
「アルハザールですか? 神様が管理してたことぐらいですかねぇ。結構気に入ってるぽかったですよ。自画自賛してましたし」
役に立たない情報をゲットした。
「はぁ……次の質問だ。俺に同行するのが罰って神は言ってたが、何をしたんだ?」
「え、えっと……神様が大事にしてるコップを割りました」
「うわ…」
いくら大事にしているからって、コップを割っただけで、異世界に同行させるとかいくらなんでもひどいだろう。
「あと、神様が大事にしてる高価な壷を割りました。食器も。あと、大事な書類をまちがって廃棄しました。数回ほど。あと、神様の悪口を同僚と話してました。かなり盛り上がりました。それを聞かれたかも。あと、仕事サボり過ぎて自分勝手な研究をやってたからですかね。
響さん、何がいけなかったと思います?」
「俺が神なら縊り殺してるな」
「ひぃぃぃぃ」
神が大事にしているというからには、それ相応の品だろう。それを壊されるとなると……。
神は寛大なようだった。ちょっと見直した。
「そえば、アルのステータスって見れるのか?」
ステータス画面のアルの部分をタップする。
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名前:アルテミス
種族:妖精
レベル1
HP10/10
MP5/5
STR:5
DEF:5
INT:4
AGL:4
DEX:4
スキル
なし
装備
なし
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「使えねぇな、おい!」
ステータスのあまりの低さに、つい突っ込んでしまった。
「し、失礼な。これでも役に立ちますよ、私」
アルは無い胸をそらしながら、自慢気に言う。
「じゃあ、何が出来るんだ?」
「え、えっと……響さんの友達になれます!」
最初は言葉に詰まりながら、後半は元気よくアルは言った。
ふぅと息を吐き、アルの頭をつかみ、だんだんと力を入れていく。
「いたい、いたいです。響さん」
「もう一度聞こう。何が出来るんだ?」
「え、えっと……友達のいない響さんの友達になれます!絶対になりますから!これでも演技得意ですし!」
「命がいらないようだな。アル、短い間だったけど楽しかったぜ。
お前と過ごした日々を忘れずに生きていくわ」
爽やかに言った。
良い笑顔ができてるかな、アル?
「ちょ、ジョークです。ジョーク。潰れる。トマトみたいにぐちゅって潰れる!」
はぁーと息をつき、力を緩めた。
「そえば、アルって死んだらどうなるんだ?」
「つぶそうとした後、その質問ですか、本当に怖いんですけど。
黙秘していいですか?」
「や、たんに思っただけだ。ステータス低いから、巻き添えでぷちっと死にそうだなぁと」
「それもそれで怖いのですが。まぁ、この体は仮なので死んでも大丈夫です。すぐ生き返るわけではないですが、死んだら肉体は消滅して魂は響さんの体に入り、時を経て復活します。そういう設定みたいですね、うん」
アルは何かを思い出すためか頭をトントンと叩きながら、俺にそう説明した。
「体に入るって、こえぇな。病原菌みたいだ」
「し、失礼な。一応神様との契約ですからね。仕様です」
確かに、ステータスに契約と書いてある。
「んじゃ、死なないってことで、飯が無いときは釣りのえさにでもするか」
「なに恐ろしいこと、さらって言うのですか!無理ですよ!」
「え、魚釣れないの?妖精じゃえさにならないのか?」
「そういう意味じゃないですよ!人道的な意味で!」
「非常事態だ。そのときは許せ」
アルは抗議するが、聞き流した。
からかっただけなのだから。
駄目だ。アルといるとギャグに走ってしまう。相性なのか。今日会ったばかりなのに何年前の親友のようにウマがあう。
アルもそう感じたのか、目が合った時、クスッと笑った。
俺も釣られて笑う。
「ククッ………じゃあ、次行くか」
「あいあいさー」
おふざけはここまでにして、アイテムを見ていくとする。ウィンドウからアイテムボックスの項目を見る。すると、アイテムボックス内にある所持アイテムが見られるようになった。だが、見れるだけで取り出せない。
取り出すには別の方法が必要だ。
「アイテムボックス」
目の前に黒い渦が出現する。
別にアイテムボックスと言わないと出てこない仕様ではないが、最初だから言ってみた。
「おぉ!」
アルの純粋な驚きに気恥ずかしさを少し感じながらも、とりあえずアイテムを全て出してみる。
黒い渦に手を入れて念ずれば、アイテムを取り出せる。
俺は最初に武器、防具を出してみた。武器、防具は装備しないと意味はないとどこぞの偉い人が言っていた。
鉄の剣、布の服、皮のズボンを出したところで、気がついた。現在着ている服は、修学旅行の服装のままだ。ここは異世界だ。この服装は浮いており、まずい気がする。急いで着替えねば。
「お、犯される!」
なにかを勘違いしたアルを無視して、着ていた服を脱ぎ、布の服、皮のズボンをはく。
「ありゃ、着替えるのですか?いっきにぼろっちくなっちゃいましたね」
「まぁな。文明差があるからなぁ。地球の服装なら目立つだろう」
「なるほど」
次は、旅セットを開いておく、食料や水、外套、袋、ランプ、毛布等が入っている。野宿用アイテムとも言える。
とりあえず外套を着た。厚いわりには動きやすい。
「次はお金だな」
異世界お金セット(小)を開いてみる。鉄貨10枚と銅貨5枚、銀貨3枚入っていた。これで1週間はなんとかなるらしい。物価を予測しながら、それぞれの硬貨を袋に入れる。
アイテムはこれで終了した。
ステータスを見てみる。
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名前:新城響
種族:吸血鬼とのハーフ
レベル1
HP100/100
MP50/50
STR:60
DEF:60
INT:35
AGL:45
DEX:45
スキル
剣術 レベル1 熟練度15/50
調教 レベル1 熟練度0/30
鑑定 レベル3 熟練度0/150
隠蔽 レベル4 熟練度0/200
索敵 レベル3 熟練度0/100
火魔法 レベル4 熟練度0/300
精霊魔法 レベル1 熟練度0/50
精神異常耐性 レベル2 熟練度0/100
直感 レベル7 熟練度---------
吸血 レベル1 熟練度---------
装備
鉄の剣
布の服
皮のズボン
アイテムボックス
仲間
アルテミス(契約)
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装備の欄が更新されている。外套は装備品ではないのか、表示されない。仕様なのかわからないが、ファンタジーの不思議ということで納得しておこう。
2章から後書きの漫談はなくなっていきます