キャラメイク5 天狗の仕業じゃあ!
スキルを選んだら、次はレベル上昇だ。使えるポイントは80p前後。慎重に、しかし素早く決断しなければならない。スキルレベルは10まである。レベル3までは初級、レベル6までは中級、それを超えると上級となる。何を持って初級、中級、上級と分けるかはわからないが。
「なるようにしかならないか」
正解は今わからない。常識やゲームの知識でこうと決めても、神のさじ加減で変わるのだ。ならば、迷うだけ無駄だ。そこからの行動は早かった。
鑑定をレベル3、隠蔽をレベル3、索敵をレベル3、火魔法をレベル4、精霊魔法をレベル1、直感をレベル4にした。
使用ポイントは、8,8,8,16,10,16の合計66。
保有ポイントは44になった。
精霊魔法は消費ポイントの高さと戦闘用と考えてないのでレベル1のままで、その分火魔法をレベル4にした。他はレベル3だ。使用ポイントの兼ね合いからそのくらいがちょうどいいと思った。
「あとは種族を決め、余ったポイントを配布するだけか」
種族のページに戻り、考える。
天狗は鼻が高い。つまり、寝返りが出来ないかもしれない。
だから候補から外す。
安直だが、この考えでいいだろう。
消費ポイントは、エルフが30、龍人70、吸血鬼40。
パラメーター的には龍人>吸血鬼>>エルフ>人間。
人間のままだと、ポイントが44そのまま使えるが、パラメーターは低い。龍人と人のハーフだと使用ポイントは35となり、ぎりぎりいける。だが、しかし……そうして本当に良いのかという考えが脳内をよぎる。
「ダンピールか……」
ふと、そんなことを思い出した。確か、吸血鬼と人間のハーフのことだ。そういえば、人間とのハーフでは、ハーフエルフとダンピール、ドラゴニュートぐらいしか名称ないな。ダンピールのことを思い出すと、ダンピールのことが気になってきた。
そして、ハーフの記述があったのは吸血鬼だけだった気がする。
「…………」
説明では吸血鬼は迫害の対象となると書いてあった。ハーフにしても迫害対象だからわざわざ記入したのか。そして、定期的に吸血しなければならないといけないとの記述もあった。
マイナス要因が多すぎる。しかし、理性がいくら否定しても、直感がこれを刺激する。目が、手が吸血鬼から離れないのだ。
直感に殉じるかどうか。それは自分を信じるか否かの問いかけでもあった。
「…………ツ」
悩んだ。1分ほど悩み。吸血鬼とハーフにチェックを入れた……。
「これでいいかはわからない。だが、何をしても後悔するはずだ。ならば、少しでも良い道を作らなければ。俺は直感を信じたい。そう、信じたい……」
残り時間は5分を切っている。残りポイントは24p。良い道を作るために、急ぎステータスを見てみた。
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各種パラメーター
名前:新城響
種族:吸血鬼と人間のハーフ
性別:男、女
顔:悪く、そのまま、美形
3サイズ(女性限定):
身長:そのまま、希望身長
HP100
MP50
STR(攻撃力):60
DEF(防御力):60
INT(賢さ):35
AGL(素早さ):45
DEX(器用さ):45
*能力値は1Pで1上昇。
身長、3サイズは1cm=1Pで交換。
顔の造形は本人をベースに種族にあうよう変化します。
美形は各自希望を申告してください。
職員がそれに沿うよう、独断と偏見で決定します。
一切の文句は受け付けないので高望みしすぎると危険です
(顔見知りの場合、同郷の者同士は不思議パワーでお互いがなんとなく認識できますのでご安心を)
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吸血鬼より落ちるが、人間より高い数値を示している。パラメーターはポイントを振る必要はないと判断し、他の項目をチェックする。
性別は男のままで、顔の造形もそのまま。身長も。
「パラメーターはいいとしてスキルに割り振るか」
自分のスキル振りを改めてみてみる。24pをどう割り振るか。
鑑定 レベル3
隠蔽 レベル3
索敵 レベル3
火魔法 レベル4
精霊魔法 レベル1
直感 レベル4
隠蔽をレベル4にする。種族がダンピールなら隠すスキルのレベルを上げといたほうが良いからだ。残りポイントは16p。レベル4のスキルをあげるか、レベル3のスキルを2つあげるか、精霊魔法をレベル2にして、アイテムかパラメーターに割り振るか。少し、悩んで直感のレベルを5にした。自分の長所を伸すことにしたのだ。
「終わった…」
残り時間は2分を切った。最終選択画面と移行する。
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これでよろしいですか?
名前:新城響
種族:吸血鬼と人間のハーフ
性別:男
顔:そのまま
3サイズ(女性限定):
身長:そのまま
HP100
MP50
STR(攻撃力):60
DEF(防御力):60
INT(賢さ):35
AGL(素早さ):45
DEF(器用さ):45
スキル
鑑定 レベル3
隠蔽 レベル4
索敵 レベル3
火魔法 レベル4
精霊魔法 レベル1
直感 レベル5
アイテム
鉄の剣
布の服
皮のズボン
アイテムボックス
旅セット
異世界お金セット(小)
残りポイント:0p
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30秒ほど、画面を見つめ、決定ボタンを押す。
すると……。
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これで本当によろしいですか?
→Yes
NO
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確認メッセージが出てきた。Yesを選択する。
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え、マジで?
→Yes
NO
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切れそうになった。人の神経を逆撫でするような問いかけだ。
息を大きく吸い込み、Yesを選択する。
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では、良い旅路を
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こうして、俺のキャラクターメイキングは終了した。
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残り時間 01:12
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響「確認メッセージがうざい」
神「これも神の試練さ!選んだものが、本当に自信があるのかどうかの問いかけさ。しかし、本当はもうちょとあったのさ。職員に反対されてなくなったけど」
響「職員GJ」
神「あぁ、慌て、いらつく君達を見たかったのに」
響「さっきの台詞台無しだ!」