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キャラクターメイキングで異世界転生!  作者: 九重 遥
3章 ミシェロの町でのギルド活動
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やったねリンちゃん 借金が増えるよ!

 さらに一日歩いて、目的地のミシェロの町についた。


「つきましたね。アポロさん」


「ああ。俺たちの旅はこれから始まるのだ。準備はいいか?行くぞ、アル!」


 俺は感動していた。やっと町に入れる。初めての旅や戦闘、慣れない野宿。俺の精神は人知れずに消耗していたのだ。目にはいる光景が美しく感じる。今ならアルの冗談を笑って許せそうだ。清々しい気分だ。


「何を変なこと言ってるんです?やっぱ、どっかで頭打ちました?」


「ひねり潰すぞ、この野郎」


 気のせいだったみたいだ。

 人間だれしも間違いがある。

 反省はしないでおこう。


「こらこら、いつまでもじゃれてないの」


 リンがいつまでたっても動かない俺たちを注意した。

 はやく門の列に並ばせないといけないのだ。時間帯のせいで、列がそこそこ長い。


「リン、門番には何を聞かれるんだ?」


「何も知らないのね。そうね、犯罪歴と町に来た目的ぐらいかしら。後は税金払っておしまい。簡単なものでしょ」


「犯罪歴か……アル、吐くなら今のうちだぞ」


「ありませんよ!

 潔癖です。リンさんと同じで、姦淫すらしたことないくらい聖者ですよ!」


「なんで、私を引き合いにだすのよ!」


 アルの発言で、周りがざわめく。所々で処女だという言葉がでてくる。

 アルは妖精で話の主題者ではないと一目でわかる。だから、注目を集めるのはリンのみである。災難だ。

 そうこうしてるうちに、ついに俺達の番がきた。


「お、リンさんじゃないか!中々帰ってこなかったから、心配したよ」


 どうやら顔見知りのようだ。

 20代中盤の兵士っぽい格好をした人物がリンに親しげに話しかけてくる。


「ケインさん、ただいま。ちょっと色々あってね。まぁ、無事に帰れたわ」


「後ろの人たちは?」


「彼らは困ってたときに、私を助けてくれたの。ギルドに登録しにきたの。男の子はアポロ。そこの小さい妖精はアルっていうの」


「アポロと言います。よろしく」


「アルといいます。よろしくおねがいします」


「おう。よろしくな。冒険者になりにきたのか?頑張れよ。妖精持ちっていうからには調教か何かのスキル持ちか?なら、有望だ。

 んじゃ、こっちの書類に名前書いてくれ。あと税金が1人あたり、銀貨1枚ね。リンさんは証明書持ってるでしょ?それだして」


 税金を払うと、証明書が貰える。

 証明書はその月が終るまで有効なので、その間何度門を出たり入ったりしても無税である。

 

「ごめんなさい。失くしたの。新しいの買うわ」


「そうか……じゃあ銀貨2枚だな。妖精の分は無料だ。小さいからな」


 ケインさんと呼ばれた門番は朗らかに笑った。

 銀貨2枚払う。書類記入は文字がわからないので、リンに任した。 


「んじゃ、ミシェロの町へようこそ!」


 最後にまるでRPGの門番のような定番を台詞をケインさんは言い放った。

 そして、門を抜けるとそこは中世ヨーロッパの世界だった。

 石畳に、石造りの建物。現代的な日本住宅しか見たこと無い俺には新鮮な光景だった。コンクリートジャングルだからなぁ日本は。


「私も初めて町に来たときは驚いたなぁ……」

 

 過去を懐かしんでるのか、しみじみとリンは言う。

 リンはエルフで森の中で育ったため、石畳の町並みをみたことがなかったらしい。


「さぁ、さぁ行きますよ!アポロさん、リンさん」


 アルのテンションは高い。新しい町に興奮している。

 放っておくと一人でどっか行きそうだ。


「そだな、まずは宿屋だな。案内してくれ」


「了解。こっちにいい宿屋があるわ。料理がおいしくて、値段も手頃なの」


 商店ゾーンを抜けて、ベッドの絵が描かれた看板の建物に入る。

 ここが宿屋なのだろう。


「いらっしゃい!何名で……ってリンちゃんじゃない!久しぶりね!」


 恰幅のよい女性が出迎えた。おっかさんみたいな気前のよさを感じさせる。

 こちらもリンの知り合いのようだ。以前利用してた宿屋なのだろう。


「お久しぶりです女将さん。2部屋お願いします。とりあえず1週間で」


 どうやら、女将さんらしい。

 女将さんと目が合う。軽く一礼をすると、


「りょーかい。しかし、リンちゃんにもいい人ができたのねぇ。嬉しいわぁ」


 女将さんは俺を見ながら、感慨深そうに言った。

 なにか勘違いしているっぽい。


「ち、違います!ただの、旅の仲間です!勘違いしないでください!」


「あらあら~若いって良いわね~」


「女将さん!」

 

 リンは焦った様子で否定するが、女将さんは信じていない。

 微笑ましい物を見るように、リンの肩をバンバンと叩いている。

 アルは小さな声でツンデレですよ女将さん、とかわめきだしているが、それは無視するとして何かフォローを入れたほうがいいだろうか。

 女将はリンにとって親しい人なのだろう。

 変な誤解は早めに解いたほうがいいに決まっている。

 しかし焦って否定すると同意していると見なされるので難しいところだ。

 地球に居た頃にはそれで失敗したこともある。だが、そこから俺は教訓を学んでいるので今回は大丈夫だ。

 胸を張って言おう。


「女将さん。俺は巨乳好きだ。そこを勘違いしてもらっては困る」


 リンの胸は悲しいことにまっ平らなのだ。

 これなら、問答無用の説得力がある。

 女将さんも、ああそう……と悲しみの目でリンの胸部を見て追及を諦めた。


「貧乳で悪かったわね!

 ……女将さん、鍵!」


 リンの右こぶしがうなって、わき腹をえぐる。あまりの威力に思わず膝をつき、崩れ落ちる。


「…………クハッ」


 ツッコミが入るとは思ったが、これほどきついツッコミだとは思わなかった。どうやらコンプレックスみたいだったようだ。リンのような美少女なら胸がなくても関係ないと思った俺の考えが甘かったみたいだ。

 崩れ落ちた俺を尻目にリンはフンと鼻息をつき、どこかへ去っていった。

 ドンドンと階段をのぼる音がするので、部屋に向かったのだろう。

 アルは笑い転げながら、親指をだし、良くやったとアピールしてきた。

 いや、それより助けてくれ……。


「あんたねぇ……」

 

 女将さんの呆れた声が嫌に脳内に響く。

 脇腹の痛みが落ち着き、やっとのこと立ち直り女将さんに向き直る。女将さんはニコッとして言った。


「とりあえずあんたが馬鹿な奴だってことはわかったよ。

 それで、料金は1週間2部屋で食事もろもろ付きで銀貨7枚だからね。そこはきちっと覚えておきなよ」


「………はい」 


 俺はリンとカップル扱いされるのを救おうとしただけなんだ。

 ただ、それだけがしたかっただけなのだ。

 俺の苦しみを癒す存在はいないのだと悟った。

 そして、リンに胸の話題は禁句だと悟った。

 アポロは賢くなったのだ。そう自分に言い聞かす。そうポジティブに考えないと、泣きそうになるので。収まったはずの脇腹の痛みがじくじくと痛みだす。

 女将さんに指定された自分の部屋に入る。

 部屋は6畳ほどで、ベッドとテーブルと椅子が置かれていた。簡素な部屋だったが、不満は無かった。やっと、落ち着けると椅子に座ったところでトントンとドアがノックされた。


「アポロ。私だけど、大丈夫?」


「……いいぞ」

 

 少々ビクッとしたが、リンを部屋に招き入れる。


「さっき殴ったところは、大丈夫?」

 

 心配そうな表情で、俺の顔色を窺う。

 カッとなってやってしまったことらしい。


「大丈夫だ。というより、変なことを言ったのは俺だからな。許してくれ」


 後を引かないだけで十分だ。


「や、私も悪かったし。

 後から考えたら、カップル扱いを否定するために、あんな変なことを言ったんだもんね。」


 変な、という部分にリンはアクセントをつけた。

 どうやら完全には解消しきれておらず、根に持っているようだ。

 胸、禁止と脳内のメモに刻みつけ話を続ける。

 

「じゃあ、お互い様ということで。なんか用事あるのだろ?」


「うん。報告とか換金とか色々あるから、今からギルド行こうと思うのだけど……」


「わかった。金を渡すからちょっと待っててくれ」


 ギルドカードの再発行もあるのだろう。リンはほとんど文無しだ。盗賊に奪われた分は返したのだが、税金で取られほとんど残っていない。

 俺もギルドに一緒に行こうかと考えたが、やめた。急ぐことではないし、疲れきった体と頭では初体験のギルドはちょっと難しそうだ。

 今日は頭を使わずにちょっと観光して、体を休めるとしよう。


「ほいっと。金貨2枚渡しとく」


「え、あ、1枚で大丈夫よ!」  


 リンは突然の大金に戸惑う。

 地球換算で10万円、余分に渡されたのだ。

 驚くなというのが無理な相談かもしれない。


「他に色々いるだろ。日用品とか装備とか。それでやりくりしてくれ」


「で、でも……」


 助けてもらって、さらにお金まで援助されるのはバツが悪いのだろう。


「なら、これも貸しってことで。

 依頼をこなしながら返してくれ。急がないから」


「ん、わかった」


 勿論俺の言ったことは言い訳みたいなものだ。リンも承知している。だが、ここで遠慮して堂々巡りしてもしょうがない。

 リンは俺を立ててお金を受け取ったのだ。


「リンさん。帰ったらパーティーですよ。パーティー!女将さんにお金を握らせました!夕食は豪華ですよ!」


 アルが部屋に入ってきて大声で報告してきた。


「え?私今からギルドで一仕事でも」


「そんなことは後です!パーティーですよ!?町に辿り着いた今日やらないといけませんよ!」


「……だそうだぞ。今日は無理せず、ギルドに行って買い物して帰ってくるのも良いんじゃないか?」


 俺が貸したお金はすぐ返す必要はないのだから。


「わ、わかったわよ!」


 んじゃ、行ってくるわとリンはドアを開け出て行った。


 さてと、リンが抜けて部屋には俺とアルのみになった。

 小さくステータスと唱える。


============================

名前:アポロ(新城響)

種族:吸血鬼とのハーフ

残りポイント3


レベル3

HP118/118

MP62/62

STR:60

DEF:60

INT:35

AGL:45

DEX:45


スキル

剣術 レベル1 熟練度17/50

調教 レベル1 熟練度0/30

鑑定 レベル3 熟練度1/150

分析 レベル1 熟練度1/30

隠蔽 レベル4 熟練度1/200

索敵 レベル3 熟練度1/100

詠唱破棄 レベル1 熟練度0/50

火魔法 レベル4 熟練度1/300

精霊魔法 レベル1 熟練度1/50

精神異常耐性 レベル2 熟練度0/100

直感 レベル7 熟練度---------

吸血 レベル1 熟練度---------


装備

鉄の剣

布の服

皮のズボン

アイテムボックス


仲間

アルテミス(契約)

リン・エスタード

=============================


 リンがいたのでステータスを開くことができなかった。

 アルハザールの世界の人は、ギルドカードが無いとステータスが見られないらしい。そして、熟練度の表記も。これは転生者だけのサービスか。


「さてと……」


 ギルドカードに隠蔽スキルが使えるかどうかも確かめないといけない。 

 盗賊とここに来るまでにモンスターを倒したことで、レベルが3になった。熟練度は増えてるのもあれば変化してないのもある。数回の戦闘では変化しないみたいだ。どうやったらあがるのかいまいち法則性が見つけられない。

 ポイントの割り振りは今度でいいかと思う。現状では困ってないし、しばらくの間は危険なことはしないつもりだ。

 お次は、アイテムボックスだ。これも、この世界では一般的でないらしい。持ってるのは王族の一部とかギルドのトップランカーだけだという噂だ。他の人に知られてはまずい。ウィンドウを表示させず、さも、袋から出しましたという訓練をしなければ。間抜けっぽいが、大事な訓練だ。

 俺はアルに笑われながら、訓練した。

 その後俺は笑いながら、アルを折檻した。

 訓練が終わり、しばらくした後リンが帰ってきてパーティーをした。

 パーティーといっても、夕食がちょっと豪華になるだけだったが、それまでの食事が貧相だったので十分満足のできだった。

 そして、食べ終わり、部屋に帰る。

 眠りを誘う羊が大挙して攻めてきた。旅の途中にリンから文字について習ったので復習したいが眠気がひどいので無理そうだ。

ベッドに入ろうとしたその時、ポーンとシステム音がした。

 嫌な予感がした。そしてそのまま、システム音が流れた。


「ステータスウィンドウ バージョンアップのお知らせ。熟練度は見えないほうが面白いのではないかという神の意見により、今後見えなくなります。そして、スキルについての説明がレベルごとに変化します。良い異世界生活を」


「あのガキはほんと余計なことしかしないな」


 ステータスを見ると、確かに熟練度が消えていた。いつレベルが上がるか分からなくなる。神は何をしたいのか。神の思考をトレースしようとしたがが、早々諦めた。2、3推測はできるが、それまでだ。それより、疲れた。ベッドに潜り込み、目を閉じた。睡魔はすぐに訪れた。

 こうして俺のミシェロの初日が終わったのである。

 




 

 


 


 熟練度システムの表記取り消し。気に食わないかたもいるかもしれませんが、ご了承ください。初期設定でもあり、理由があったりします。


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