第2話
「おぉい、鏡さんよ・・・説明も無しに飛ばした挙句よ・・・ここはどこだよぉぉぉ!」
しかし返ってきたのは木霊だけ、そう、ここは、森の中である。
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「ったく・・・一体何だってんだ・・・」
鏡に吸い込まれ、なんかわからん渦の中をぐるぐると回って、ぽいって吐き出されるように外に出されたら、地面に叩きつけられた!
そして辺りを見渡したら・・・木、木、木、木、巨木、木と見事に森の中だったというわけさ。
「森でどうしろってんだよ・・・桜華、無事か?」
(大丈夫じゃ、それより九十九。どうするのかえ?)
「あれだ、こういうときは確か川を探すんだ。んで下流に行けば村の一つや二つあるだろうよ」
(楽観的だのー)
お前に言われたくないわっ、と思いつつ川を探し始める。
木や草が鬱蒼と生え茂っている森の中をしばらく歩くと、サァーっという水の流れる音が聞こえた。
「よーし、川発見!しかし疲れた・・・ちょっと休んでいくか」
(そうだのー、森の中を歩くのって案外疲れるもんじゃのぅ)
「だよなぁ・・・ってお前は俺が運んでるんだろうがっ!」
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「ふぅー、結構歩いたなぁ・・・まだ村や町がないのかよ」
(ほれほれ、がんばれがんばれ。もうすぐ日が暮れてしまうぞ?)
「だーかーらー!・・・はぁ、まぁいいや」
相変わらず我関せずな桜華を放っておいてひたすら歩く。すると川の切れ目が見えてきた。
「むーらーはまだですかーよっと。おぉ!村発見!」
(おぉ!でかしたぞっ、九十九!)
その切れ目は少し滝になっていて、下を見ると丁度夕食時なのか村らしき場所からいくつも煙が上がっていた。しかし・・・
「よっしゃーっとあれ?なんか様子がおかしいぞ・・・?」
そう、いくら夕食時だといっても煙の数が多すぎるのだ。
「なんかやばそうだが・・・とりあえず今晩の寝床の為だ、行ってみるか」
(なぁに、いざとなったらわらわを使えばよいのじゃ!)
「おぅ、期待してるぜ!」
そうして村に向かって走り出す。近づくにつれ村の様子がわかってきた。
ところどころ木の家が崩れていたり、いくつもの家が燃えていたが、どうやら襲われた直後のようだ。
「一体何が・・・賊か?」
(どうやら、その様じゃの)
そう判断したのは、明らかに人対人の戦いの声が聞こえてきたからだ。
自警団が奮戦しているのだろう。しかし如何せん数が違いすぎるようで、あちらこちらで家を荒らしまわっているのが見える。
「だけど、自警団と賊以外の人は見ないな」
(警邏が察知して逃がしたのだろう、なかなかやるものじゃのぅ)
数が違うといっても、個人個人の実力は盗賊達より上みたいで、自警団が押し始めている。自警団つえぇ!
「ここは任せてもいいみたいだな、俺達は残った敵と逃げ遅れた住民を探すか!」
(そうじゃの)
※※※※※※※※※※
(なんとも、あっけないのぅ・・・)
「あぁ、何でこんなに弱いんだ・・・?」
そう俺は呟く、後ろには俺が片付けた盗賊達が無造作に転がっていた。
いくら俺が喧嘩に慣れているとはいえ、盗賊達は明らかに弱かった。
元の世界で俺は、生まれ持った能力のせいでいじめられていた。
そのことが悔しかった俺はいじめっ子達に喧嘩を吹っかけるようになった。
そのおかげか、喧嘩という実戦ならそこそこ強いと自負している。
しかし、盗賊相手に圧勝というのもおかしい・・・そしてこっちに来てから身体の調子がいいぞ?
「うーむ、なんか身体が軽かったし、試した感じ力も上がってるみたいだ」
(ほぅ、それはまたなんとも珍妙な・・・)
「この分だと、桜華を使うこともなさそうだな」
(つまらんのぅ!)
プンスカ怒っている桜華をほおっておき、周囲を見渡す。
すると、村のちょっと外れたところに小さな道があるのに気づいた。
「桜華、ちょっとこの道に入ってみるぞ」
(うむ)
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しばらく進むと、小さな家があった。
しかし盗賊に襲われているようで窓が割れたりしている。そして・・・
「嫌!離して下さいっ!」
と、女の子の悲鳴が聞こえた。
「っ!桜華、行くぞ!」
(うむっ!)
そして勢いよく家の中に入っていく。
するとそこには俺と同い年くらいの女の子と、妹だろうか、14歳くらいの女の子が3人の盗賊に囲まれていた。
「げへへ、お嬢ちゃんたち観念しろよ」
「早く立つんダナ」
「けひひ、早くするでヤンス!」
そこに居た盗賊達は、典型的なやられ役だった。
長身の男、太った男、痩せてチビな男、明らかに弱そうだ。
「おぉ・・・何という小物臭」
(プンプン臭っておるのぅ)
そして俺と桜華は見たままの感想を述べた。
「んだとぅ!?誰だてめぇは!」
「誰なんダナ」
「誰でヤンス!」
一斉に振り向く盗賊達。
「えーと・・・名乗るほどの者じゃございませんよ。例えるのなら通りすがりの正義の味方かな?」
(なんじゃそれは・・・)
とぼけて見せる俺に、呆れながらもつっこみを忘れない桜華。
そしてその言葉に怒ったのか、怒りを顕わにしながら長身の男が部下に命令をする。
「ふざけやがって!お前らやっちまえっ!」
「分かったんダナ!」
「いくでヤンス!」
何だその一昔前の掛け声はと思いながら俺は、剣を片手に隙だらけに突っ込んでくる盗賊達を迎えうつ。
太った男の大きく横薙ぎに降られた一撃を屈んでかわし、かわしたときの反動を生かしたアッパーを放つ。
「おらぁぁぁぁ!!」
「ブフゥッ!?」
「うしっ、かかってこいや!」
次の男を相手にしようとしたとき、桜華から待ったがかかる。
(九十九、少し待つのじゃ)
突然の待ったに、俺は相手を警戒しながら念話で桜華に答える。
(おぅ?どうした)
(いやなに、このまま小柄な男を倒してしまっては、頭があの女子を人質にするのではないかと思っての)
(あぁ、なるほど・・・)
その言葉を聞いた俺は小男の攻撃をかわしつつ、リーダーの後ろに座り込んでいる居る女の子に目配せをする。
目配せの意味に気づいたのか、女の子達は物音をたてないようにそろりそろりと移動をした。
そんなことをしている間にかわされ続けて焦れてきたのか、剣を振り上げ小男は突撃をしてくる。
「っしゃぁぁぁぁ!!」
「オゴフッ!?」
それをチャンスだと思った俺は、半身を動かして攻撃をかわし、鳩尾に思い切り右ストレートをはなった。
渾身の右ストレートを受けた小男はテーブル等を巻き込み吹っ飛んでいった。
「デブ!チビ!・・・くそぅ」
やられた二人の部下の名前を叫ぶリーダーらしき男、そのまんまじゃねぇか。
「こうなったら女を人質に・・・っていねぇ!?」
桜華の予言通りに女の子を人質にしようとしたリーダーらしき男は後ろを向き、いつの間にか居ないことに驚愕した。
その隙を見逃さなかった俺は突撃し腰の乗った右ストレートをはなった。
「貰ったぁぁぁぁぁっ!」
「しまっヘブゥッ!?」
きりもみ回転しながら吹っ飛んだリーダーらしき男は、小男の上にべちゃっと落ちた。痛そうだな。
※※※※※※※※※※
「危ないところを助けて頂き、ありがとうございました・・・」
盗賊達を縛り上げた俺は女の子達の無事を確認していた。
よく見たら可愛い子達で、盗賊達が狙うのも分かる気がする。
「いやいや、当たり前のことをしたまでだよ」
普段あまりお礼を言われないので、少し照れながらそう返す。
「お兄ちゃん、強いんだねっ」
妹らしき女の子が目を輝かせて言ってくる。やばいお兄ちゃんだって!凄い照れる!
「そ、それほどでもないぞぅ!」
あ、声が裏返ってしまった。恥ずかしい。
くすくすと、笑う女の子達。ここは天国ですか・・・?
「あ、私はシエラと申します。こっちが妹のミレルです」
「よろしくね、お兄ちゃん」
「俺は吉原九十九、こっちだとツクモ・ヨシハラになるか?」
恐らくアメリカンな感じだと判断する。
「ツクモ様ですね」
「ツクモお兄ちゃん!」
お、おぉ・・・お兄ちゃんにこれほどの威力があるとは・・・恐るべし妹属性!
(む、何か不純なことを考えておるな?)
(そ、そんなこと無いぞ!)
危うく妹属性に飲まれるところだったぜ・・・そういえば村の様子が気になるな。
「よし、とりあえず俺はこいつら連れて村に戻ってみる」
「私達もご一緒させてください、邪魔にならないようにしますから」
「あぁ、ここに来る間ザコはあらかた片付けてきたら大丈夫だろう」
そんなこんなで村まで戻ることにした。
※※※※※※※※※※
村に到着した俺たちは、盗賊を縛り上げていたおっさんに話しかける。
「あのー、こいつらも一緒に縛り上げてください」
「む、君は・・・?」
俺に若干警戒心を覗かせつつ尋ねてくるおっさん。当たり前か。
「バードおじさん、この人は私達を助けてくれたんです」
「シエラ!ミレル!なんでここに!」
「お母様の形見を忘れてしまって・・・取りに戻ったら盗賊が居たんです」
「それで囲まれてた私達をこのツクモお兄ちゃんが助けてくれたんだよっ」
「そうだったのか・・・私の姪を助けてくださり、ありがとうございました」
事情を聞いたバートさんは真摯にお礼を言ってきた。渋いぜ!
「いえ、当然のことをしたまでです。それに少し打算もありましたからね」
「打算?このような状況なのであまりお金は出せませんが・・・」
莫大なお金を取られるのではないかと思ったバートさんは、申し訳なさそうに答える。
もちろん俺はそんな鬼畜じみたことをするつもりはない。
「あぁ、そうじゃなくて!泊まるところを都合してもらえないかと思っただけですよ」
「そうでしたか、疑ってしまって申し訳ありません・・・」
「気にしないで下さい、それが普通のことなんですから」
(そうだのぅ、もし金を取ると言った時はわらわがしこたま叩いてやるところじゃったわ)
貴方に本気で叩かれたら死んでしまうので勘弁してください、桜華さん。
そんな話をしていると、遠くから地響きみたいな音が聞こえてきた。
「バートさん、何か聞こえませんか?」
「確かに、森のほうからのようですが・・・」
「行ってみましょう」
嫌な予感がした俺は桜華に念話した。
(桜華、何か嫌な予感がする)
(奇遇じゃの、わらわも感じておる)
そしてバートさんと数人の自警団と共に村の外れにある森の入り口にやってきた。
その間もどんどん地響きが近づいてきているみたいだ。
「これは・・・何か巨大なものが近づいてきているのか?」
「もしかすると・・・ま、まさか・・・」
「バートさん、何か心当たりが?」
「もしかすると何ですが、この森の奥に住む凶暴な魔物が「グォォォォォォッ!!」やはり!」
そこに現れたのは、熊を二倍にして額からとてもたくましい一本角を持ったやつが出てきた。
こんな駄文を読んでくださり、ありがとうございました。
これからぽちぽちと書いていきますので、応援の程よろしくお願いいたします(`・ω・´)
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