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ひー!何とか間に合いましたー!



・・・・間に合いましたよね?
第18話
「いやぁーははは、こんな美しいお嬢さん達と一緒に旅をしているなんて羨ましいなぁ」

カミール町から王都ザナログリフに向かうこと、4日が経った。
このペースで歩くと、今の時間からすると、予定では今日の昼過ぎには着くはずだ。

隣で愉快そうに笑っている人は、行商人をしている青年だ。名前はハックというらしい。
なぜ一緒に歩いているかというと、さっき魔物に襲われているところを助けたからだ。

「それにしても危ういところだったよー、ツクモ君達が居なかったら、俺はきっと魔物の腹の中にいただろうねぇ。はははは」

元からこうなのか、魔物に襲われてハイになってるのか、桜華達をみて興奮しているのかわからないが、なんかやたらとテンション高いな、この人。

「え、えーと、護衛の冒険者は雇わなかったんですか?」

「それがね、聞いてくれよ!」

ずずい、と身を乗り出して言う。
顔近いって!

「ランクDの冒険者を雇ったんだけどさー、突然魔物の数に驚いて、依頼主である俺を置いて逃げたんだ!」

「・・・えー」

なんじゃそりゃ。
確かに命あっての物種なのはわかるけど、依頼主くらい守れよ!

「最近冒険者の質が落ちてきているのと、魔物がどうにも活性化してるみたいなんだよ」

「ふむ、魔物の活性化って具体的には?」

「本来は出てこない場所に出てきたりだとか、普段は人をあんまり襲わない魔物が人を襲うようになったとか・・・極めつけは数自体がどんどん増えてるらしいんだ」

ふーむ、鏡が言ってた世界の危機ってこれが関係してるのか?

「でもまぁ、世の中がどうであろうと、俺達商人は結局物を売るだけなんだけどな!ハハハ」

「なんと逞しい・・・他に何か知ってることってあります?例えば噂ですとか」

俺が聞くと、ハックさんはあごに手を添えて「うーむ」と考え始めた。

「そういえば、なんだか語り手が現れたーって大陸全土で噂になってるみたいだな」

それを聞いた俺達はビシッと固まった。
なんでだ・・・俺が語り手ってことはばらさないようにしてるし、バートさん達が噂を広めるような人じゃないはず・・・

「ま、まぁ、語り手様が・・・それは本当ですか?」

いち早く硬直から立ち直ったセラが、作り笑い全開でハックさんに聞く。
セラみたいな美人に話しかけられて嬉しいのか、ハックさんは若干だらしない笑みを浮かべて答える。

「あぁ、なんでも隣の大陸の聖アルサルム教国の神官達がどんどんこっちに向かってきてるらしいんだ。向こうのことは良く知らないんだが、なんか神気を感じ取れる装置みたいなのがあって、それを感じ取ったとかなんとか・・・」

うーん、これはまずいな・・・バートさんに聞いた所だと、狂信者の集団らしいし。
とりあえず、俺が語り手ということは確実に信頼できる人にしか教えないようにしよう。

俺が念話で桜華達に伝えると、みんなから了承をもらった。
しかしクレス辺りがポロっと口に出しそうだな・・・王都に居る間はネックレスで寝ててもらおうかね。

(いーやーなーのーでーすー!)

(でもなぁ、っていうかそもそも精霊が気軽に人前に出ちゃだめだろう!)

(うぅぅー!!)

かわい・・・じゃなくて、ここは心を鬼にしなければ!

(うーぅーぅー!)

鬼に・・・

(うー!うー!うー!)

(わ、わかった。宿の部屋なら出ていいから、な!)

(むう、それと遊んでください・・・)

(わ、わかったよ・・・)

わーい、とクレスはネックレスの中で喜ぶ。
決して可愛さに負けたんじゃない、可哀想と思ったからだ。うん。

・・・お前ら、ジト目でみるんじゃねぇ!

その後、桜華達にジト目で見られながら、俺とハックさんは他愛もない会話をしながら王都を目指した。




※※※※※※※※※※




「いやぁー、助かったよ!」

「いえいえ、じゃあ俺達は宿を取るんで」

「うん、俺はしばらくここで商売をするから、何かあったら気軽に訪ねてくれ!」

王都についた俺達は、市場の前でハックさんと別れた。
ちなみに王都の中へは、門番に軽いボディチェックされただけで入れた。それで大丈夫なのか?

それにしてもさすが王都というだけのことはあって、人の数が半端じゃない。
カミール町でもすごいと思ったが、ここはレベルが違うな。

どこを見ても人人人、何かのお祭りですか?って聞きたいくらいに人であふれてる。
まぁ、前の世界の住んでたところは、片田舎でのどかだったからなぁ・・・

「ま、とりあえず宿を取るか」

「はーい、それにしても歩くって意外と疲れるのね」

「もー、姉さんだらしないよ?」

首をぐるぐる回しながら言うアグニに、アレスは苦笑する。
それを見た俺は、何か引っかかるものを感じた。

「はて、何かを忘れてるような・・・?」

立ち止まり、考えている俺に気がついた桜華が不思議そうに声をかけてくる。

「九十九、どうかしたのかや?」

「うーん、何かひっかかるんだよなー・・・」

「ふむ、まぁ宿に行ってからゆっくり考えればよかろう」

「それもそうだなー、んじゃ行きますかー!」

後で思い出すだろうと思い、俺は考えるのをやめ、先に行ってるセラ達を追いかけた。




※※※※※※※※※※




「んー!久しぶりのベッドですね!」

「そうだなぁ、野宿は地面に寝袋だったからなぁ」

夕食を終えた俺とアレスは、ベッドの上でくつろいでいる。
女性陣はと言うと、隣の部屋でくつろいでると思う。
さすがに人数が増えてきたので大部屋でも収容できず、男と女で部屋わけしたのだ。桜華達は案の定駄々を捏ねたが黙殺した。

「あー、ふかふかだー・・・」

「ふかふかですねー・・・っと、剣を外さないとですね」

アレスは俺のようにベッドに寝そべろうとして、腰に挿している双剣に気づき、近くにあったテーブルに置いた。

その置かれた双剣を見て、俺は忘れていたことを思い出した。

「あーーーー!?」

「ひゃうっ!?」

いきなり大声を上げた俺に、アレスは悲鳴を上げながらビクッとした。

「可愛い・・・じゃなくて!肝心なこと忘れてた!!」

「な、なんですか・・・?」

「アレスとアグニの里帰りだよ!」

「あ・・・」

王都に来て、一番最初にしようと思っていた里帰りのことをすっかり忘れていた俺達であった。
ちょっと不完全燃焼で申し訳ありません・・・

最近話の構成がうまくできなくて・・・フラグ回収はもう少しあとになる予定になってるけど、早めようかな(´・ω・`)

では感想などなど、お待ちしております!


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