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第一章『武霊のある町』23
 武霊達が俺に飛び掛かる瞬間、俺と武霊達との間にコウリュウのブレスを防いだシールドサーバント達が割り込ませ、力場を発生させる。
 力場に弾き返される武霊達を確認して、俺は駆け出す。
 武霊達によって押さえ付けられているオウキの下へ。
 シールドサーバントの防御のおかげで何の障害もなくオウキの近くに来ることができた。
 振り返り、追ってきた武霊達と高神を見る。
 『予想通り』、スライム武霊はのろのろと高神達と大分離れて付いてきていた。
 「なーあにぃ?追い駆けっこはもう終わり?」
 ニタニタと怖く気持ち悪い。
 だが、その笑みもすぐに終わる。
 俺はあまりにも思惑通り事が進んでいるで、思わず笑みを浮かべてしまった。
 「何、笑ってんだ虫!!」
 怒りの表情を浮かべて叫ぶ高神に、俺は、
 「ブレイク!」
 と言ってやった。
 高神がそれに疑問符を浮かべる前に、海岸の方で『爆発』が起きた。
 その爆発は、スライム武霊の中から生じ、スライム武霊を一瞬で消滅させる。
 実はドッペルゲンガーサーバントには、自爆機能が付いる(おとりになったドッペルゲンガーサーバントに喰い付いた敵を一気に殲滅する為に付いている)。それを最も効果的に爆発させる為に、わざとスライム武霊に喰わせた。と言うわけだ。
 なぜそんな手間の掛り、危険な事をしたのかと言うと、あの携帯電話を操る謎の男がこう言っていたからだ。
 『高神の武霊は、本体の武霊がいないと出した武霊をしまう事が出来ない。また、その特殊な能力故か、一日に一度具現化するのが限度の様だ』。
 と。つまり、本体のスライム武霊を倒し、今出ている武霊を全て倒しさえすれば、高神麗華を自警団が捕まえる事が容易になる。
 その為に、出ている武霊達に邪魔されず、確実に倒す方法として、ドッペルゲンガーサーバントを使用したわけだ。もっとも、高神が所有している全ての武霊を出すのは流石に予想外だったが……。
 後は、『次の一手』に全ては掛かっているわけだが……。
 「・・・・あは。なぁに?私の武霊を倒したぐらいで勝ち誇ってんの?虫が」
 そう言って、高神は笑みを止め、異様なほど無機質な無表情になった。
 「もう、いらないわ。その武霊」
 ぞっとするほど何の感情もこもっていない冷たい声。
 次の言葉を容易に予想でき、俺は慌ててシールドサーバントに俺を完全に囲んで守る様に命令した。
 「死ね」


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