ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
第四章『それぞれの裏、さまざまな真実』65
  ★飛矢折★
 スタンミサイルで無力化した武霊と武霊使いを次々と倒しながらあたしは星波学園方向に進む。
 最初の頃はスタンミサイルの音と光で視覚と聴覚を奪われた人達が相手だったのと、黒樹君の目論見通り三島忠人の目を潰せたのかほとんど動きらしい動きをしなかったので簡単に倒す事が出来た。
 だけど、先へ進めば進むほどスタンミサイルの影響を受けない武霊使いが現れ、更にその武霊は段々とPSサーバントの攻撃力では倒し難い武霊になってきていて………
 操形先輩の刀が岩の巨人の胴の半ばで止まり、操形先輩は反射的に刀から手を離して距離を取るけど、刀で胴半ばまで切り裂かれているのに岩巨人は平然と操形先輩に殴り掛かる。
 避けられるタイミングじゃなかったので、あたしは咄嗟にシールドサーバントに周囲にシールドを展開する様に命令し、シールド展開が終わると同時に、
 「瞬輝丸!」
 瞬輝丸を出し、空中で柄を掴み、出てきた勢いを殺さずに回転して操形先輩を殴ろうとしていた岩巨人の腕を切り落とし、続けて下から斜めに岩巨人を切り裂いて霧散させ、直ぐに瞬輝丸をしまってシールドを解く。
 「そ」
 操形先輩大丈夫ですか?
 と聞くより早く、何かが空か降ってきて、道路を削りながら滑り塀を壊して止まった。
 条件反射的にあたしと操形先輩は銃を出して構え………え!?
 空から降って来たのは……キバだった。
 慌てて近付こうとした瞬間、空から殺気。
 咄嗟に上空を見上げると、半透明の女武者を身に纏った着物姿の女性が薙刀の刃を下に向け落ちてくる。
 間違いなく狙いはキバ。
 あたしと操形先輩はほぼ同時に女武者の武霊使いに向けて銃を連射。
 女武者の武霊使いは、こちらの攻撃に気付くと下に向けていた薙刀を素早く回転させ、銃弾を全て弾いてしまう。
 だけど、それによって落下の軌道が変わり、少し離れた場所に女武者の武霊使いは着地。
 あたし達はすぐさま女武者の武霊使いとキバの間に入り、操形先輩は女武者以外の武霊使いを銃で牽制し、あたしが両手に刀を出して女武者の武霊使いと対峙する。
 ……ふと思ったんだけど………あの女武者の武霊って、あたしの名前の由来となった巴御前が基なんじゃ………少しやり難いかも………って!そんな事より!?
 巴御前の武霊使いに注意を払いつつ、後ろに視線を向けると、瓦礫の中から村雲君だけが出てきた。
 「くそ!黒樹と分断された!」
 そうとんでもない事を言った村雲君は同時に立ち上がったキバに素早く乗ろうとして、唐突にその場から飛び退き、両手から銃を取り出し、地面に向けた。
 「二人とも気を付けろ!地面を水みたいに潜れる奴がいる!」
 村雲君の警告に、地面を注意深く見ると………確かにまるで水の様に波紋が生じている場所があって、そこから機械を身に纏った競泳者を身に纏った日焼け美人が少しだけ顔を出して、地面に潜った。
 レベル3が二人も!?これじゃ……黒樹君を直ぐに助けにいけない!
 「キバとPSサーバントが消えてないって事は、黒樹はまだ無事って事だ」
 そう言いながら、あたし達の背後を守る様に背中合わせになる村雲君。
 「誰でもいい!黒樹の救援に向かってくれ!」
 村雲君のその言葉は、PSサーバント着た全員に通信され………それに答えたのは

  ★夜衣斗★
 全ては一瞬だった。
 レベル3のパワードスーツスイマーにキバを止められたと分かった瞬間、ホステスみたいな女性が身に纏う形でガンマンの武霊を具現化。
 同時にクイックドロー!?
 撃ち出された弾丸は、キバが両肩のソードアームで防いでくれたが、防ぐとほぼ同時に近くの塀が唐突にめくれ、そこから女武者の武霊を身に纏った着物姿の女性と、忍者を身に纏った忍者?が現れ、女武者が薙刀を、忍者が忍者刀を俺に振るう。
 忍者の攻撃はキバの両腰のソードアームで防いでくれたが、時間差で振るわれた女武者の薙刀の刃がソードアームの腕を切り裂き、キバと俺を繋ぐケーブルが切断。
 そのまま俺の首に刃が迫る。
 PSサーバントの機能で感覚を加速させているから状況を把握は出来るが、元々闘う事に縁遠い俺にはとても反応出来る連携攻撃ではなかった。
 だから!美魅!
 (任せるだわね)
 俺の呼び掛けに応え、PSサーバントを着た美魅の人形態の手だけが背中から飛び出し、PSサーバントの刀で薙刀の機動を変え、即死を免れる事が出来た。
 だが、その直後に忍者の武霊使いによる回し蹴りが俺の腹に入り、後ろに吹き飛ばされる。
 地面に当たる寸前で美魅が完全に背中から飛び出し、俺を受け止めた。
 直後に、パワードスーツスイマーの武霊使いが、キバごと地面から空中に飛び出し、回転を付けてぶん投げた!?
 まずい!キバと分断された!
 更に、女武者の武霊使いがキバの後を追う様に飛び、パワードスーツスイマーが地面に潜る。
 これで無暗にキバの再具現化をすれば村雲に危機が及ぶ………かと言ってオウキを再具現化するわけには………くそ!逃げるぞ美魅!
 (了解だわよ)
 俺の指示に美魅は俺を抱えたまま近くの路地に逃げ込む。
 まさか一気にこちらが知らないレベル3の武霊使いを四人も俺に投入するとは思わなかった。いや、考えれば、思い付いたかもしれないが……青葉さんがたった一人で俺を襲撃した事が無意識の内にその考えを排除させていたのかもしれない………だが、だとすれば、青葉さんの不自然な一人での襲撃は、この為の罠だったと考えるのが自然か………やっぱり咄嗟の思考は駄目だな………
 自分の考え不足を呪いながら、追ってくる忍者の武霊使いに、牽制の為に両手の空いている俺が二丁拳銃で連射。
 同時に近くに念の為に配置していたGMサーバントに目眩ましの為のガスを出させる。
 これで多少は時間を稼げるだろうが………どうする?………レベル3二人相手に逃げ切れるか?
 そう思った時、唐突な突風が生じ、瞬く間にガスが霧散してしまう。
 風の生じた方向を確認すると、忍者の武霊使いが巻物を咥えてでっかいカエルに乗っかってるのが見えた。
 ッチ!やっぱりGMサーバント対策を建てられてたか………
 心の中で舌打ちした瞬間、ぞくっと頭上に気配を感じた。
 PSサーバントの頭部カメラで確認すると、ガンマンの武霊使いが家の屋根に乗ってこちらを見ている。
 反射的に両手の銃を向けるが、その瞬間、ガンマンの武霊使いの両腕がかすみ、俺の両腕に激痛が走った。
 確認するまでもなく、両腕を撃ち抜かれたのは明らかで、次の銃撃を防ぐ為に周囲のシールドサーバントを呼び寄せるが、それらをガンマンの武霊使いに撃ち落とされてしまう。
 シールドサーバントが撃ち落とされている間に美魅は逃げようとするが、その足を忍者の武霊使いが乗っているカエルの舌に巻き取られ、転倒。
 投げ出された俺が立ち上がるより早く、近くにいたシールドサーバント全てが撃ち落とされ、ガンマンの武霊使いと目線が合う。
 判断ミスったな………
 作戦を優先し、オウキを再具現化しなかった事を後悔する俺だが………もう、間に合うタイミングじゃなかった。
 ガンマンの武霊使いの両腕がかすむ。
 思わず目を瞑ってしまう俺だったが…………………?…………………何ともない?
 両腕の痛み以外、痛みを感じないし、意識を失わない。
 恐る恐る目を空けると………目の前には琴野さんがいた。


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。