サラダにあなた
あなたぁ、サラダできたわよ…うふふ。
今日はあなたが食べたいって言ってた海藻サラダにしてみたの。
ワカメにジャコも振りかけて、仕上げに…分かる?ほら、食べてみて?
あら、そうだったわね。あなたの両腕は、一昨日切り落としたんだったわ。
これじゃあ食べれませんものね…はい、あーん。
コラ!何怯えてるのよ!震えてないでちゃんと食べなさい!
うふふ…分かった?
そう、あなたの…髪の毛よ。
海藻サラダに、あなたの髪の毛乗せてみました~。
どう?どう?おいしい?
おいしいんでしょう?そうでしょう?何?
…うふふ、そうよね?まだまだ「あなた」はたくさんあるんだから、好きなだけ切り取って上げるわ。
遠慮しないで、たくさん食べてくださいね…。
「おい、誰としゃべってるんだ」
「あら貴方。帰ってたの」
「どうしたんだ、自分の髪の毛咥えて、鏡を見ながらニヤニヤ笑って」
「気に障った?」
「流石の君と言えども、僕には気味が悪いな」
「御免なさいね…お詫びに今日も、ご馳走にしましょう?何処か食べたいものはある?」
「そうだな…じゃあ今日は、腿の肉をもらおうか」
「うふふ…はい、どうぞ。遠慮しないで、たくさん食べてくださいね…」