Whom did you kiss?縦書き表示RDF


次は、コナンくんと蘭ちゃんを登場させてみたいなぁ・・と次のお話を書かせていただいています。
今更、映画ネタなのですが、私の一番好きな作品なので、これは書かないとと書いてみました。
もしよろしければ読んでやってください。

Whom did you kiss?
作:ERIKA


あなたは誰にキスをした?

 
「俺昨日キスしてしもた。」

今日の昼休憩、その言葉は、あたしをいっきに地獄の底へと突き落とした。


昼休憩、生徒たちはそれぞれ自分のグループで集まり、昼食をとる。
和葉は親友の泉ゆりを含め4人で固まり、おしゃべりに花を咲かせながらもお弁当はちゃんと食べていた。そこから少し離れた窓側に、彼女の幼馴染の服部平次を含む男子の塊があっという間に、弁当を食い漁っていた。

そこまでは、いつもと変わらない日常だった。


「俺昨日キスしてしもた。」
平次は、塊の一人、悪友の市川勇樹に周りで弁当に夢中の友人たちに気づかれぬよう、告白した。
「・・・ほへ???」
まだまだ育ち盛りの勇樹は、おかずを口に入れたまま、呆けている。
「そやから、キスしてしもたって言うとるやろ。」
「・・・・・。」
(聞き間違いか?いや、そうやなくて、・・・ってコイツなんて言うた!?!?)
勇樹は口から零れ落ちそうだったおかずを、見事に口の中へと戻す。
「・・おい。聞いとんのか?」
「・・ぁああ、・・・で、誰とや?」
女に関して鈍感すぎるこの男が、キスをしたとなると、彼女しかいないとは思うが・・・。
「・・言わん。」
「おい、なんでや?ここまでバラしとんのやから、なんでそこを隠すんや。そこが肝心やないか。」
「そんなん言えるか!」
周りに聞こえないよう、細心の注意を払いながらぎりぎりの小声で会話する。
「なら、なんで俺にそんなこと言うんや。」
「困ってるからにきまっとるやろうが。」
「だから、相手を言えといっとんのじゃ!」

「「「服部、誰とキスしたんか、早よ言え!!!」」」
「「え゛??」」
周りの友人には聞こえないよう、話しているつもりだった。しかし、平次の地声のでかさを、勇樹は興奮ですっかり忘れてしまっていた。つまり、最初の言葉から聞かれていたということで。

「・・・おおおおまえら、ぬぬぬ盗み聞きすんな!!」
「なにを言うとんのや、服部。」
「そうや。最初から丸聞こえやったぞ。」
「で、誰なんか俺らにも教えんかい!」
「・・・・・・。」
「はいはい、まぁどうせアイツなんやろ?」
「遠山やな。」
「ななななななちゃうわい///!!!」
「なんやと?!」
「お前、遠山じゃ物足りんって言うんやないやろな?」
少しばかり(?)嫉妬が混じる。
「じゃあ、誰なんや!」
平次に視線が集まる。
「・・・・・は、初恋の女や。」


「「「「「なんやとぉ〜!!!!」」」」」
「おい、遠山とまじで違うんか!?!?」
「・・・初恋の女って言うたやろ。」
どこか目が泳いでいるような気もするがと勇樹は思う。
「は、はっとりが、・・・初恋の女とキスしたって言うてるぞぉ〜!!!」
バキッ
「アホォ!!!お前静かにせんかい!!!!( 怒)」
友人一名、死亡。

叫んで平次にシバかれた友人の声は、もちろん和葉にも届いた。

「ちょっ、・・・今の聞こえた??」
「き、聞こえてしもた。」
「・・かずは?・・大丈夫?」
ゆりや友人が心配そうに和葉を見たが、
「・・・京都におる平次の初恋のヒトのことやろ。」
精一杯に平気を演じているが、和葉は自分が笑えてないことに気づいていない。
「和葉とちゃうの?」
「・・・あたしは、・・平次とキスなんてしたことないもん・・だいたい、平次とはただの・・・幼馴染やし。するわけないやん。」
( じゃあ、ほんまに服部君、その初恋のヒトとキスしたんか!?あんの、ドアホが。)

教室中、ザワザワとそれぞれが平次のキス事件にどよめいている。和葉に向けて、全員分
の同情の視線が向けられていた。

5時間目も、6時間目も、和葉は平次が教えてくれない初恋のヒトのことしか考えられなかった。

京都で起きた事件の後、蘭たちを送りに駅のホームで平次は初恋のヒトに会えたと言っていた。
誰なのか知りたくてしょうがなかった和葉は、平次に聞いてみると1500年後にと誤魔化された。
なぜ、平次は教えてくれないのだろうか。
( もう、平次は初恋のヒトと付き合ってるんかな・・ならあたしがいると、邪魔なんかなぁ・・)
和葉の気分は落ちていくばかりだった。

いつも、平次より早く部活が終わる和葉は、いつものように教室で平次を待つべきか迷っていた。
「・・・もう、キスまでいっとったんやな・・もう・・あたしには・・二人の間に入る隙も無いんやろなぁ・・。」
初恋のヒトは、改方の生徒ではないのだろう。そうだとしたら、平次は和葉とではなく、そのヒトと一緒にいるはずだ。
(・・・もう・・幼馴染の力では・・・一緒に帰るのも・・・ムリかな・・・ハハ。)
はぁっとため息をついて、誰もいないのに一人で笑った。

誰もいない家に帰る道のりがこんなに寂しいとは思わなかった。
(いつも、平次がいたしなぁ。)
これから平次の家に遊びに行ったら、あたしの大好きな空間に、平次の彼女もいるんだろう。
(あたし、耐えれるかなぁ。)
そのヒトが悪いわけじゃないのに。
平次の彼女になれない自分が悪いのに。
もう、幼馴染としても、今までのままではいられない。
目の前の景色がぼやけていく。

「おい。」
泣く寸前で、涙を堪えることができた。
「・・へいじ。」
振り向かずに名前を呼ぶ。
「おい。和葉。・・なんでこっち見んのや。」
「べつに、ええやろ。」
一人で帰りたかったのに。
「なんで、黙って先に帰ってんのや。」
「・・・・。」

「こっち、見ろや。」
いつまでも自分のほうを振り向かない和葉に、平次は腕を引っ張り、振り向かせる。
「・・・なんで泣いてんねん!?」
止めれたと思っていた涙は、いつの間にか流れていた。
「・・っく・・やって・・うっく・・へい・じ・・かのじょ・・できた・・やん・・そやから・・っく・・あたしは・・・きぃきかせて・・」
「俺にいつ彼女ができたんや??」
腕を掴んだ手は離さない。
「・・・きょう・・おひるに・・っく・・・いうてたやんか・・・へいじは・・・はつこいの・・ひとと・・・キスしたって・・っく。」
「おお、したで。」
今、初めて平次の目を見た。痛みで大きく見開いた瞳で。
「・・・・う゛ぅ・・う・・っく。」
平次はさらに泣き出す和葉を見ても、動揺もせず、和葉から目をそらさない。
「昨日の晩にな。」
「・・・なら・・・はやく・・行けばええやん!!・・うぅ・・その・・初恋のヒトの・・とこへ・・・。」
「もう行っとる。」
意味がわからない。なんで平次はずっと、あたしの腕を離してくれないのだろう。お願いだから、認めてほしくなかった。
「・・・・へいじ・・なんか・・っく・・へいじは・・・早くそのヒトのとこ・・・行って・・キスでもなんでもしてくればええやんか!!!」
「お願いやから、あたしのことは、ほっといてえな!!」
行ってほしくなんかないくせに。またいらぬ意地ばかり張ってしまう、自分が嫌でたまらなかった。

「ほんまに。ええんやな?」
お願いやから、行んといて。
「・・・・・う゛うぅ」
ずっと、平次の傍にいたい。
「初恋の女を掴まえて、キスしてもええんやな?」
お願いやから、もう、やめて。
「なら、そうさしてもらうで。」
行かんといて、と声に出そうとした時だった。
掴まれた腕が強い力に引き寄せられ、なぜか平次はあたしにキスをしていた。


ゆっくりと唇が離れていく。

「・・・・なんで・・なんでなん?・・・なんであたしに・・・するん?・・」

「和葉が、ええって言うたんやないか。」

「でも、・・あたしは・・初恋のヒトにって・・・」

「そやから、俺は、初恋の女にしたんやないか。」

「?」

たしかに、あたしはそう言ってしまった。
でも、それは、あたしじゃなくて。

「・・お前、ほんま鈍すぎやで///。」

なんで、平次が照れてるのだろう。
あたしが鈍いっていうのは、だから、それは・・・。

「和葉や。」

「なにが?」

「やから、初恋の女って言うてんのや!」

あたしが・・平次の初恋の女で・・・って。

「なななななな////」

「お前は金魚か。」

「な、平次!!////なんで!?でも、あたしは」

一旦、離れた距離がまた縮んだ。

「俺の初恋のヒトはな、あん時、山能寺の桜の下でな、鞠つきながら、手鞠歌歌おうてたんや。」

あれ?・・・たしか、あの日・・あたしも・・。

「“よめさん”やなくて、“あねさん”や言うても、今でも間違うとるけどな。」

まるたけ えびすに おしおいけ よめさん ろっかく・・

昔、親戚のオバチャンがあたしに教えてくれた手鞠歌。
幼いあたしが間違えて覚えた詞が、平次の初恋のヒトの謎を解いた。
あの時の、桜が舞う景色が甦る。

「あん時の桜。ほんまにきれいやったな、和葉。」

平次の中にも、同じ景色があって。
二人の中には、間違った歌が流れていて。
諦めていた答えを導いてくれた。
時を超えて再会する。
あの時は、声をかけあわなかったけど。
今までに、あたしたちは数え切れない言葉を交し合った。

「うん。」



「でも、平次。」
「なんや?」
「昨日、キスしたの、あたしじゃないって言うてたやん!」
「アホ。そんなん、アイツらの前で言えるかい!!」
「あたしが流した涙返せ〜!!」
「そんなんしょうがないやんけ!!ムリなこと言うなや。」
「返せ〜!!平次のドアホ〜!!」
「涙は返せんけど、これならやるで。」
チュッ。
「///それやない!!」
「アホはお前や。」
「なんやて〜!!」
「もういっぺんしたろか?」
「・・・・アホ。」

一緒に帰る道のりが楽しくて、平次の腕に自然と腕を絡ます。
平次は照れてるようにも見えたけど、こっそり腕に力を込めてくれた。

・・・そういえば、なんや引っ掛かることが一つ・・・

「・・・平次。昨日の夜キスしたて言うてたよね。」
ギクリと体を強張らした平次。
やはり。
「あたし、ご飯頂いて、お風呂もろて、平次の部屋で一緒に宿題してた時、寝てしもうて・・・、まさか・・その時に・・・。」
「ま、まぁ、ええやんけ。結局お前が初恋の女なんやから。」
無神経な言葉に、平次を睨み付けてやると、平次は慌てて腕を解いた。
「なにがええの?・・・告白も無しにキスするやなんて、平次のドアホ!!!最低!!!女の敵や!!!」
平次の足には敵わないけど、逃げる平次を追いかける。
全速力で走っていたら、いきなり平次があたしの方へと走ってきた。ので、思い切りぶつかる。
「もう!!痛いやんか!!!」
「好きやで、和葉ちゃん。」
「も〜〜//////」
「お前はどうなんや。」
「・・・好きにきまってるやん////」
「なら、ええな。」
チュッ。
「アホ////」
満足した顔で、ハハハと豪快に笑う平次が、心底嬉しそうで、あたしも嬉しかった。


次の日。
みんなには、結局、遠山やないか。と冷やかされ、ゆりにはどつかれる平次だった。
そして、止めの一撃は・・やはりこの人。
「平次。あんた、昨日道の真ん中で和葉ちゃんにキスしたんやて?でかしたでv」
「ななななな///なんでそんなこと知ってんのや!?オバハン!!」
「佐々木さんとこの奥さんが教えてくれはりました。なんや、佐々木さんは、原田さんから。で・・原田さんは木村さんで。・・木村さんは・・誰やったか・・」
(くっそう!!この町のオバハンら全員、オカンのスパイかい!!!)



エヘ。すみません。
本当にここまで読んでくださった方、ありがとうございます!!
すぐに、読んでくださってる方には誰なのか、わかりやすすぎですよね(汗)
和葉には、わからないので大変だ!というお話ということで、どうかお許しください。
次は、長編と言ってよいのかわかりませんが、長めなのか・・そんなお話を書かせていただきます。
ありがとうございました。













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