ことはある雑誌の広告から始まる。
「『もしも魔法が使えたら』か……」
それは携帯小説大賞の紹介。文才なんか皆無な俺だけど、賞金に釣られて挑戦してみる。
テーマは『もしも魔法が使えたら』。
「何やってんの?」
いきなり横から覗き込んできた。俺の部屋で勝手気ままに寛ぐやつ。
幼なじみの佑紀。
「ちょっと小説を……」
「あんた頭悪いのに? そんなの書けるの?」
失礼だよ。佑紀さん。
少しむっとしたが、確かにおつむのよろしくない俺は反論できない。
「ふーん。『魔法が使えたら』? それが題名なの?」
「そうだよ。……でも、何にも思いつかないんだ。お前ならどうする?」
「どうするって?」
「もしも魔法が使えたら?」
魔法かー。と呟いて何やら考えだした。
「そうだね……」
じっと俺の顔を見つめる。何だよ? 恥ずかしいぞ。
佑紀の顔が目と鼻の先。動揺する俺を楽しむように、悪戯っぽく笑った。
「魔法であんたを惚れさせてやる!」
自分で言って赤くなるなこの馬鹿。俺まで恥ずかしくなるだろ。
佑紀は悪戯な笑顔で俺を見つめる。上目遣いで。顔は真っ赤。
「あんたなら……どうする?」
畜生、可愛いすぎんだよ。馬鹿。
だけどおかげで決まった。
俺なら……
俺が魔法を使えたら……
泣いてんだか笑ってんだか解らない表情の佑紀を見つめる。
もしも魔法が使えたら、この可愛い幼なじみを……
女性にします。 |