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辺境の老騎士 作者:支援BIS

第6章 フューザリオン

132/184

第9話 群雄集結(前編)

 1

 ヴォドレス侯爵からの密使が帰って行った二日後、軍令官から新しい指示が来た。
 六月末ごろシンカイ、ゴリオラ合同軍は皇都を出発する、ロードヴァン城に集結した兵力も同じころ出発できるよう準備を進めるように、という指示である。
 それだけしか書かれていない。
 が、公文書に挟み込むように、「シンカイ騎馬千二百」と書かれた紙片が入っていた。
 アーフラバーンによると軍令官自身の筆跡だと思われるとのことだ。

 アーフラバーンは、せっかく集まった領民が動揺しないよう心を配り、とにかく家畜と畑の世話に力を入れさせるよう、デュッセルバーンに命じた。
 もともとは子どもを除いて六百人前後が住んでいたロードヴァン城の街に、やっと三百人少々の住民を集めることができている。
 職人は圧倒的に不足しているが、まずは農業が優先である。
 また三男を、オーヴァを渡ったヒマヤの(みなと)に派遣し、油と魚の干物を買い集めさせ、さらに川向こうから仕入れておくよう伝えさせた。
 さらに四男をガイネリアに派遣し、小麦と塩と酒を買い求めた。 
 そして、部下たちを比較的近距離にあるゴリオラの街や村に派遣し、食料を買い集めさせたのである。

 その後、各地から騎士たちが集結し始めた。
 が、その集まり方が少し妙だという。
 ゴリオラ皇国の中で東寄りの位置にあり、従ってロードヴァン城に集結するべき騎士たちの集まりが悪い。
 裕福で有力な、したがって兵の多い諸侯が、姿をみせない。

「ふん。
 様子をみておるのでしょうよ。
 勅命には逆らえないが、愚かしい戦で損害は出したくないのですな」

 とはアーフラバーンの評である。
 逆に、皇都のほうが近いはずなのに、わざわざこちらに集結した騎士たちがいるという。
 彼らに共通しているのは、勇名を鳴り響かせた騎士たちだということだ。

「本隊に合流すれば、あとは命じられるままに動くしかありませんからな。
 気骨のあるやつは、こちらに来たがるのも無理はありません」

 と言いながら、アーフラバーンは目に妙な光を宿していた。
 さらに、来るはずのない騎士たちが来た。
 その代表が〈北征将軍〉ガッサラ・ユーディエルである。

 ゴリオラ皇国の北方にはトルスという国とダッキという国がある。
 この二国は豊かなゴリオラ皇国を食い荒さんとしており、常に戦争状態にあるのだ。
 このうちダッキを防ぐために派遣されているのがガッサラである。
 交代の将軍が派遣されない限りは任地を離れられないはずなのだが、現にここにいる。
 しかもあとから精鋭百五十騎と歩兵三百がやって来るという。
 任務地を放棄したのだ。
 いいのかと()いたアーフラバーンに、

「大丈夫、大丈夫。
 オドスト三兄弟が必死で防ぐわ。
 今までさんざん煮え湯を飲まされたのだから、今度ぐらいは頑張ってもらわんとな。
 うわっはっはっはっは」

 と返事をしていた。
 バルドには何のことだか分からなかったが、あとでガッサラ本人から事情を聞いた。
 オドスト家は、ゴリオラ北部の自治領主で、三代前、ゴリオラ皇王に帰順した。
 だが油断もすきもない家で、あるときにはダッキの諸族長と共謀して近隣の領地を食い荒らし、あるときには皇軍の派遣を乞うてダッキ軍を牽制する。
 特に現領主となってからはひどい。
 領主は三人兄弟で、それぞれ重要な城を守っているのだが、のらりくらりと言を左右しては税の上納を拒み、派遣軍を食い物にしておのれの腹を肥やしている。
 そしてゴリオラ、ダッキの両軍を戦い合わせながら、自分たちは高みの見物をしているのである。

 じつは先の辺境競武会の折には、皇王からオドスト家にしばらくガッサラ将軍に代わって対ダッキ防衛の任につくよう命令があった。
 オドスト三兄弟は命令受諾の返事をした。
 これを信じてガッサラは軍の兵に順次休暇を与えていったのだが、肝心のガッサラが出発するときになっても、オドスト軍が現れない。
 彼らは連勝続きのガッサラを痛い目に合わせ、その発言力を弱めさせるため、わざと出兵を遅らせたのだ。
 しかも兵員が減っているという情報をダッキ側に流した疑いもある。
 寡兵でダッキ軍を迎え撃ったガッサラ将軍は、なんとか敵を押し返しはしたものの、満身創痍となって辺境競武会に駆け付けることになった。
 もともと辺境競武会への出場は、連戦で疲れた体と心を休めるようにという趣旨で下された命令だったと思われるが、実際には逆になった。

 今回、ガッサラはオドスト軍と合同でダッキ軍の前線に滞留していた部族を大いにたたいた。
 奪い取った砦を与えるという約束をしたところ、オドスト兄弟は喜々として参戦し、さっそく奪い取った砦に自家の兵を込めた。
 おそらくその部族の長とオドスト兄弟には密約のようなものがあったと思われるが、欲にかられて裏切った格好である。
 そこでガッサラは、皇王から発せられた召集命令を示し、さっさと軍を引き上げてしまったのだ。
 召集命令には、用命で防衛にあたっている軍は除くとのただし書きがあったのだが、それは内緒にした。
 怒りに燃えたダッキ軍が攻め寄せてくるのは明らかで、砦を抜かれれば、オドスト兄弟の本拠地が危うい。
 オドスト兄弟は財産を守りたければ自力でこれを迎え撃つほかない。
 というような事の次第であるという。

 集まったほとんどの騎士たちの名をバルドは知らなかったが、相手はいずれもバルドの名を知っていた。
 結局バルドは彼らと連日酒を酌み交わすことになったのである。

 〈北征将軍〉ガッサラ・ユーディエル伯爵。
 〈剛毛将軍〉ワンゴーグ・マナエタ伯爵。

 の二人は、いずれも百人規模の騎士とその数倍の歩兵を配下に持つ猛将である。
 申し合わせたように、配下をいくつもの分隊に分け、遠回りしてゆっくりとここに到着するようにした。
 ここの食料への負担を少しでも軽くするためである。
 二人の配下を歩兵まで全部合わせると千人近いのだから、この配慮は大いにデュッセルバーンを喜ばせた。
 また、

 〈邪眼〉オストーサ・クリミナ子爵。
 〈赤毛鬼〉ゼナス・ホレイスト子爵。
 〈まだら猿〉ウォルバード・ストアハ男爵。

 彼らは地方領主であり、二十騎から四十騎馬程度の騎士とその数倍の歩兵を連れて来た。
 さらに、

 元近衛隊武術師範キリー・ハリファルス卿。
 元皇都防衛騎士団一番隊長エッケル・アストー卿。
 〈味方殺し〉バンツレン・ダイエ卿。
 〈首狩り〉シンド・エスカリ卿。

 彼らは国中に名の知られた武人である。
 キリー、エッケル、シンドの三人はカーズを見てうれしそうな顔をしてあいさつをしてきた。
 この三人は皇都に在住していて、本隊のほうに編入されそうになったのを、そしらぬ顔をしてロードヴァン城にまでやって来たのである。
 従者もつけぬ身軽さで、長距離をおそるべき速さで駆け抜けてきたことになる。





 2

「うわっはっはっはっは。
 やはりバルド殿がおられたか。
 何となく会えるような気がしておった。
 今夜はゆっくり飲み交わそうではないか」

 これが開口一番の北征将軍ガッサラ・ユーディエルの台詞(せりふ)である。
 豪快に笑う様子をみていると、今ここには酒と食い物以外心配することはないような気がしてくる。
 続々と騎士たちが集まってくるのだが、情報の説明がなされただけで、軍議らしいことはまったく行われなかった。
 相変わらずデュッセルバーンは、住民たちをなだめ励まし、家畜と畑の世話に力を入れている。
 やって来た騎士や従卒たちは、飯代の代わりに働けとばかり、城壁の修理や燃料の切り出しに駆り出された。
 外に積み上げた石も闘技場に戻した。
 バルドも腰の痛みを我慢しながら手伝った。
 パルザムの騎士たちなら、こんな仕事は騎士のやることではないと怒っただろう。
 ゴリオラの騎士は気質が違うのかもしれないし、たまたまここに集まった者たちが特殊だったのかもしれない。
 かき集めた酒と食料は到着するそばからどんどん消費されてゆき、末弟二人は常に走り回っていた。
 バルドは、はてこのままでよいのかのう、と思ったが、ゴリオラの騎士たちが文句を言わないのだからよいのだろう。
 ここは彼らの流儀に合わせるか、と酒を楽しむことにした。
 ワンゴーグ・マナエタ将軍はガッサラ将軍に劣らない酒豪で、恐るべき量の酒を飲んだ。
 もっとも酒の質にはあまりこだわらないようで、がぶがぶ飲み干していさえすればよいようだった。

「がっはっは。
 戦神マダ=ヴェリの化身などというたわごとは真に受けなかったがのう。
 バルド殿。
 貴殿の武威と品格はまさしく本物。
 共に酒を酌み交わしておるだけで、腹の底に力が湧くわい。
 まこと連合元帥(ワジド・エントランテ)の名にふさわしい。
 さあさあ。
 まずは飲んでくだされ」

 五月の三十日になって、軍令官からの指示書が届いた。
 ロードヴァン城に集結した別動隊は七月一日に出発し、コルポス砦を制圧し、そこを拠点にミスラの街を攻め落とし、さらに王都に攻め上がる構えをみせるように、とあった。
 うまい狙いである。
 コルポス砦は城といってよい規模と堅牢な構えを持つが、守備兵力は少ない。
 まさか攻められるとは思っていないだろうから、大軍があれば簡単に落とせる。
 そしてコルポス砦を落とせばミスラは丸裸だ。
 ミスラの街は最近発展著しい。
 じゅうぶんな食料と戦利品が得られる。
 ミスラからさらに王都をうかがうふりをすれば、パルザム側はオーバス側とミスラ側というまったく違う方向に同時に備えなければならない。
 つまり一方への防御力は半減する。

「ふうむ。
 軍令官の心づもりがみえてきましたな」

 と、アーフラバーンが言った。

「一見非情な命令にみえますが、誰がミスラ制圧の指揮を執れとも、何人ロードヴァン城に残せとも、また誰を残せとも言ってきておりません。
 またコルポス砦を落とす期限も設けられておりませんし、攻撃の仕方についても指示がありません。
 要するに、こちらの解釈次第で運用できる幅を大きくしてくれているのですな」

 その夜、初めての軍議が行われた。
 いつぞや歌の試合が行われた部屋である。
 二十人ばかりの主立った騎士が集まっている。

「ルグルゴア・ゲスカス将軍のあの嵐のような攻撃は、地形を選べばしのげると思う」

 と発言したのはキリーだ。

「あれは風を起こしているわけではなく、それ自体が威力を持っている。
 風であれば、地に当たって跳ね返り、こちらの体を浮かび上がらせてしまうだろうが、あれは違う」

「踏みとどまればいい、というわけか」

 と訊き返したのはアーフラバーンである。

「そうです、ティルゲリ伯。
 ただし相当の豪の者でなければ耐えられません。
 吹き飛ばされてしまう人間は邪魔ですから、結局少数精鋭になります」

「ふむ。
 つまり両側に斜面があるような場所、ということか。
 そういう場所があるか」

 とアーフラバーンが後ろを振り向いて尋ねた。
 その騎士は、アーゴライド公爵の息女マルエリア姫がアーフラバーンに嫁ぐ際付けられた騎士の一人で、チートアルノという男だ。
 故国を侵攻しようとしている軍議に参加しているとは思えない落ち着きぶりで、アーフラバーンの問いに答えた。

「セイオンからオーバス砦に向かうとき通らねばならない道が、まさにそういう道です。
 パダイ谷という所です。
 セイオンからパルザムの王都に向かうには、ライドの街を経由する経路と、オーバス砦を通る経路があります。
 ライドの街を経由するのは遠回りですし大軍が通るには向きませんから、侵攻軍はオーバス砦に向かうと思います。
 ですから必ずパダイ谷を通ります。
 ここを通るには隊列が細くならざるを得ません。
 ただし谷の斜面は底ではなだらかですが、上側はひどく切り立っています。
 猿でも滑り落ちてしまう崖なのです。
 しかも崖の反対側はとんでもない悪路なので、奇襲しようにも軍では近づけません」

 ガッサラが口を挟んだ。

「ふんっ。
 近づけないのでは仕方がないわい。
 その手前はどうなっている」

「はい。
 草むらです。
 そこよりさらにセイオンに近づけばほとんど遮る物のない平原ですので、大軍で近づけば相当遠くから発見されます。
 そのさらに西側には岩山が連なっていますが、こちらは通らないでしょう」

「だがそれでは少数でいったところで同じだな。
 結局発見される。
 ならば全兵力で突貫して物欲将軍までの道を切り開くしかないか」

 その言葉に異を唱えたのはワンゴーグ将軍である。

「ガッサラ。
 それだと物欲将軍はゴリオラ軍を盾に使うぞ。
 われらは皇王陛下に突撃することになってしまうわい」

 それからしばらくのあいだゴリオラの騎士たちはあれこれと意見を戦わせた。
 バルドは、思わぬ上座に座らされ、黙って議論を聞いていた。
 聞いてはいたが、その内容を理解しかねていた。
 そもそもこれは皇王の勅命によりパルザムに攻め入るための軍議ではないのか。
 アーフラバーンは、バルドをここに招いたとき、騎士として正しい振る舞いをしたいと言った。
 だがそれでもアーフラバーンはゴリオラ皇国の騎士なのであって、選択肢はおのずから限られる。
 国主への忠誠を持たない騎士は騎士とは呼べない。
 ましてゴリオラ皇国では皇王の権威は極めて強い。
 その詔勅は神聖不可侵といってよいと聞く。
 逆らえば族滅を招くというのである。
 この議論はいったいどういうことなのだろう。
 アーフラバーンだけではない。
 皆がどんな立場で議論をしているのか、バルドには理解できなかったのである。

「どうにも決着がつきませんな。
 致し方ない。
 総大将のお考えを聞かせていただくことにしましょう」

 とアーフラバーンが言うと、全員がバルドのほうを見た。
 なに?
 総大将だと?
 何のことだ。
 どうも妙な位置に座らされるとは思ったが、いわば年長者を尊重した場所なのだと思っていた。
 どうしてこの軍団の指揮を執ることがあると思ったりできるだろうか。
 いささか動揺しながら、バルドは言った。
 ゴリオラの騎士がパルザムの国土を侵す軍の指揮をわしが執るというわけにはいくまいよ、と。
 するとアーフラバーンは立ち上がって右こぶしを左胸に付けて言った。

「これは失礼いたしました、わが(ディ)エントランテ。
 はっきり申し上げておくべきでした。
 われらこの戦、ゴリオラがパルザムを侵す戦とは思っておりません。
 軍事同盟にはわれらも賛同の手を挙げたのであり、その手はいまだ下ろしていないのです。
 ならばパルザムは同盟国であり味方にほかなりません。
 味方に背中から突然斬りつける者に騎士の名誉がありましょうや。
 敵は物欲将軍であり、シンカイ軍です。
 われらは騎士の名誉にのっとって戦い、ゴリオラ皇国の信義を立て抜く所存です。
 それに、私は援軍としてパルザムを訪れた際に、かの国の実情の一端に触れました。
 パルザムはわが国とはちがい、王都を落としたからといって国を落としたことにはなりません。
 パルザムでは恐るべき密度で有力諸侯が都市を構えており、それが延々と南方に広がっています。
 たとえ一万二千の軍勢をもってしても、そのすべてを制圧することはかないますまい。
 まして長期間にわたり征服者として統治することは、まったく不可能です。
 しかしその諸都市をすべて落とさなければ、パルザムを征服することにはなりません。
 つまりゴリオラはパルザムを併合できない。
 とすれば、大軍をもってだまし討ちをした結果得られるものは、血で血を洗う報復です。
 未来永劫、わが国はパルザムと戦い続けることになり、疲弊していくでしょう。
 わが国にそのような道を歩ませてはならないのです。
 たとえ同士打ちをしてでも。
 ワジド・エントランテ・バルド・ローエン。
 どうかわれらをお導きください」

 ほかの騎士たちも立ち上がり、右手を左胸に付けてバルドに(こうべ)を垂れた。
 バルドは巨大な岩石の塊が脳天に落とされたかのような衝撃を受けた。
 騎士の名誉にのっとって戦う。
 言うのは簡単だ。
 だがこの場合、それは君主たる皇王の勅命に反した戦いを行う、ということだ。
 そんなことが、できるわけがない。
 驚きで身がしびれたようになっているバルドに、さらにアーフラバーンは言葉を継いだ。

「まことに畏れ多いことながら、皇王陛下は心を操られている可能性があります。
 また元老や大貴族たちもです。
 黒い大きな馬車に入った者は、心を操られる。
 信じがたいことですが、さまざまな情報からしてそれは事実であると考えるに至りました。
 しかし幸いなことに、黒い大きな馬車に入ったのは、この国の脳髄にあたるかたがたばかりとはいえ、ごく一部です。
 ほぼ序列にしたがって黒い馬車に入ったようで、つまり、ヴォドレス侯爵より位階が低い貴族は操られていません。
 ということは、皇都から出発するゴリオラ本軍の現場指揮官たちは正常であり、何とかこの愚かな戦争をやめさせたいと、その機会を狙っているはずです。
 軍令官がこちらに自由裁量を与えているのも、そのためだと思われます。
 また皇都の外にいた元老がたや有力諸侯も、黒い馬車の(わざわい)をのがれています。
 何かきっかけを与えればよいのです。
 そうすれば彼らも動いてくれるでしょう」

 だが、そうはいかないかもしれない。
 この男たちは討ち死にし、反逆者の汚名を着せられ、一族は皆殺しの目に遭うかもしれない。
 そうなる可能性のほうが高いだろう。
 それなのに、シンカイ軍を討つというのか。
 そこまでの覚悟ができるものなのか。
 何をもってすれば、今アーフラバーンがしゃべったような言葉が出るのか。
 ひょっとしてわしは、こやつらに寄ってたかってだまされているのではないか。
 という思いさえもが浮かんで来た。
 次にバルドの胸に浮かんできたのは、だまされてもよいではないか、という熱い思いである。
 この言葉の真実を疑うぐらいなら、だまされて死んだほうがましではないか、と思った。
 思いが定まると同時に、混乱していた思考がすっきりとさえわたった。

 腹を決めたバルドは、手で合図して全員を座らせ、黙考した。
 この戦の勝利条件は何かといえば、やはり物欲将軍を倒すことだ。
 ここに集結した全兵力をもって戦うやり方を考えてみる。
 だめだ。
 軍と軍との戦いでは勝てる形がみえてこない。
 それに、命令に従っているだけの兵士たちには、少しでも危険の少ない道を歩ませたい。
 やはり一対多の集団決闘にもっていくしかない。
 そのためには、いきなり物欲将軍の近くに現れて、決闘を申し込む必要がある。
 それが可能な場所はどこか。
 また、人数が多すぎれば決闘とみなされないだろう。
 何人までなら決闘が成り立つか。

 答えを得たバルドは目を開き、言葉を発した。




11月13日「群雄集結(後編)」に続く
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