「夏ホラー2007」参加作品です。
2008.5.6
読みやすさを考慮して、企画規定だった前後編を8話分割に変更、若干修正しました。
壱
かごめかごめ
かごのなかのとりは
いついつでやる
よあけのばんに
つるとかめがすべった
うしろのしょうめん だあれ
歌だ。
果てのない、まるで底なし沼のような混沌とした暗闇の中で、楽しげな子供達の歌声が、どこからともなく聞こえてくる。
――かごめ、かごめ、かごのなぁかの、とぉりぃは。
低く高く響く、聞き覚えのある懐かしい旋律に、私は記憶の細い糸を辿った。
ああ、『かごめかごめ』の歌だ。
よく子供の頃、友達と一緒に神社で遊んだっけ。同じ年で一番の親友の新庄沙希。
稚園から大学までずっと一緒で、大人になった今も同じ職場に勤めるほど仲が良い。まるで姉妹のような、沙希。
そして、沙希の妹で六歳下の早苗ちゃんと、神社の神主の孫息子で私より二つ上の東悟。この四人で、放課後はいつも暗くなるまで遊んでいた。
――よあけのばんに。
――つるとかめがすぅべった。
そう言えば、この歌って、どんな意味があるんだろう?
『この歌は、呪い歌だよ』
え?
『これは、呪いの歌なんだ。だから、歌った者には、呪いがかるんだ』
クスクスクス。
楽しげに響く、トーンの高い子供の声には、何処か聞き覚えがある気がした。
誰?
あなたは誰なの?
クスクスクス。
答えは無い。
ただ暗闇に、楽しげな子供達の歌声と、その笑い声だけが響いていた。
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