首都攻防戦6
日付が変わり、現在午後三時。
城門の前には装備を整え隊列を組み開門の時を待つ兵が四千。
「開門!!」
王子の声が響く。
整然とした兵達からは静かな闘志が漲っている。
勝たなければ国は終わる。ここに居る皆で家族を国を守ると誓い合った兵達。
「王子、御武運を」
頷いて、開門の時を待つ。
地響きを立てて視界が広がっていく。
全員が意を決して、
「突撃ーー!!」
王子の号令の下、我先にと飛び出していく。
「退けぇ!!」
アクセルを吹かして敵兵を蹴散らして前に進む。
敵陣までは距離があったがこっちが出てこないと決め付けていてなんの備えもしては居なかった。
体勢を整える前に敵陣前に殺到する我が楽軍。陣門を破るのも時間の問題。
連携の取れていない攻撃。陣から出てくる敵を蹴散らし突入の機会を窺う。
「王子っ!!」
王子が敵の一角を突破して援護に来てくれた。
「無事か?」
その問いには敵を戴す事で答えた。
「流石だな」
「話している暇はありませんよ」
「そうだな」
王子の下に無群がる跋維兵を次々と倒して、開門の時を待つ。
辺りは赤く染まり、地面さえ見えないほど倒れている兵達。
そして、門が開かれ突入する。
抵抗はあるが、命を惜しんでの時間稼ぎ。命を張り前に出る我が軍の敵ではない。
「追撃を掛けろ!!」
退かず、前に前に。
敵にはこちらの勢いを見せ付けて、恐怖させる。
それがこちらの目的。
その為には、
「続けー!!」
剣を振り上げて、敗走する敵を追い立てる。
「未麻中佐!!」
正面から突進してきた跋維党の指揮官らしき男。
「お前がここの指揮官か」
「跋維党大尉『採等』」
槍を受け、目前で睨みあう。
「その首を頂こう」
「やってみろっ!」
力で押し返し、アクセルを踏み込んで槍を交わす。
速い突き。槍裁きも大したものだ、ただの盗賊のでは無い事を証明する腕前。
だが、
「俺の敵ではない!!」
一閃。
バイクが乗り手を落として走っていく。
「採等大尉が討たれたー!!」
近くの兵の叫びが木霊する。
それが軍全体に広がり、武器を捨て我先にと逃げ出していく。
「西門の方へ銃撃を加えて下さい」
城門に指示を出す。
「東門の敵が城門に近づいたら側面から攻撃を、逃げ出しても追わない様に」
今日五度目の出撃を控える『都井』少佐。
「了解した」
階級は私の方が下だが、将軍の策を遂行できるのは私が適任だと言ってくれたので遠慮なくそうさせてもらっている。
「『周運』少佐佐は大佐の援護を」
「了解」
「『野市』中佐は西門の敵が引いたら追撃する様に伝えて置いて下さい」
都市中央から次々と入ってくる情報を整理して支持を出す。
守るだけなら難しくは無い。
開戦から二時間。日が西に傾いた頃に、
「少尉、前線からの連絡です!!!」
敵陣陥落の報が入ってきた。
南には黒い煙が真っ直ぐに立ち昇っていた。
「勝利は近い。各員、気を抜く事無く奮闘を」
ここを守る五千の兵に陥落の知らせと勝利が近い事を伝える。
黒煙の南に陣取っている将軍に目を向ける。
ここまでは狙い通り。詰めは頼みますよ。
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