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一介の台湾人のエッセイ

台湾の大衆小説がかなりラノベっぽい件~武侠小説に興味ありませんか~

作者:キリタニ
 台湾の大衆小説と言えば、何を思い浮かべますか?

 娯楽文化、特に若い層向けのコンテンツにおいて、台湾はかなりの程度に日本の影響を受けています。
 特に大衆小説では、「軽小説」というジャンルがあります。
 名前から分かる通り、ライトノベルです。
 題材としてはファンタジー、恋愛、バトル、VRMMO等々、表紙も可愛らしい女の子が多くて、タイトルを除いたら日本のラノベと区別できないかもしれません。

 しかし、今回私が紹介したいのはそういう「軽小説」ではありません。
 「武侠小説」です。

 「武侠小説」とは、台湾だけでなく、中国、香港にも人気を博し続けている大衆小説の一ジャンルで、武術に長け、義理を重んじる人々を主人公とした小説の総称である。

 WIKIの紹介を借りれば:

 武俠小説における「俠」とは、己の信条に則って正義のために行動しようという精神のあり方であり、そこに手段としての武術、すなわち「武」が加わったものが「武俠」である。よって、これら2つの要素を兼ね備えた小説が武俠小説ということになるが、実際には武俠小説と呼ばれている作品の全てがこの条件を満たしているわけではなく、武俠小説の定義は極めて曖昧である。基本的には冒険小説であり、スピーディな展開と武術によるアクション描写が数多い娯楽小説である。

 とのことです。
 日本の小説で例えるのなら、剣客ものや時代ものだと考えれば分かりやすいかもしれませんね。



 ではなぜ武侠小説を紹介するのですか?
 それは武侠小説こそが、上記の軽小説というジャンルが確立されるまで、一時大衆小説界を支配していたジャンル、そして日本のラノベといろんなところでは共通しているからです。
 武侠小説の隆盛期は西暦1950年から1980年まで、日本の影響をさほど受けていない、完全に別系統な筈なのに、現代の日本のラノベとの共通点が多いという現象は実に興味深く、日本の皆さんにも是非知っていただきたいと思います。


 武侠小説といえば、金庸先生です。
 武俠小説最大の作家で、中華圏ではその名を知らぬ者がいない、金庸先生を欠けてはこの時代の大衆小説を語れないほどの人気作家です。
 その作品は映画、テレビドラマ、漫画など色んなメディアにも進出し、近年ではその作品を研究する学者もいます。
 ここでは、金庸先生の作品を借りて、日本のラノベとの共通性を説明したいと思います。


 天龍八部(てんりゅうはちぶ)

 三人の主人公が織り交ぜる物語です。
 主人公その一は行く先々で美少女と出会い、その度恋に落ちるけど、結局美少女たち全員が父の愛人の娘、つまり腹違いの妹だと判明。父親何してんすか……。
 だがしかし、喜べシスコンども! 主人公の国では腹違いの妹と結婚してもオールオーケーです!はい妹ハーレムでした。
 ちなみに妹の一人目は常に覆面していて、素顔を見られたら相手を殺すか嫁ぐか二択しかないヤンデレ。

 主人公その二は生真面目な坊主だったが、その真面目さが気に喰わないというキャラクターが居て、なんとしても主人公を破戒僧にしたくて、肉を食わせ、女を宛がえ、武術を習わせと色々不思議な行動に出た結果、主人公その二はめでたく童貞喪失、そして凄まじい武術達人になった。
 私も結構真面目ですから、いつかそういう人に出会いたいなと思っています。

 ラノベというより、エロゲですね。



 笑傲江湖(しょうごうこうこ)

 私が最も好きな金庸小説です。
 主人公は幼馴染の妹弟子に片思いしてたが振られて、その後色々あって最強な剣術を習得して邪教のお姫様と恋に落ちる。
 その邪教のお姫様は想像を絶するツンデレで、主人公に一目惚れしたけど、彼と一緒に歩くのを見られるのが恥ずかしくて、道中主人公と姫に出会った邪教の者たちに、「自分で目玉をくり抜け」と命じるほどのツンデレ+ヤンデレっぷり。

 最強ものとヤンデレはもはや定番ですね。




 射鵰英雄伝しゃちょうえいゆうでん

 やや頭が足りないけど質直な主人公が、子供の頃よく馬鹿にされたけどやがて最強の師に出会って、小悪魔ヒロインに振り回されながらも最終的に英雄になるという話です。
 小悪魔ヒロインは一途だけど、敵役を罠に嵌めて下半身を潰すか発狂させるか、主人公以外の人には結構容赦がない。




 この三つの作品は金庸小説の中にも特に人気で、何度もテレビドラマ化されました。
 そしてこれらを見れば、幾つか分かることがあります。

 まず、金庸先生の主人公は、大体最初は弱かったけど、何かの偶然で凄い武術を習得しちゃって、最強かそれに近い存在になります。
 ラノベのチート主人公と成り上がりものに似ていますね。
 そして、主人公にヒロインはつきもの、特にツンデレ、ヤンデレが多々見られます。最も、金庸先生のヤンデレの多くは平気で残虐のことをしでかすほどやばい人物なので、そこは好みが分かれますね。
 これら個性的なヒロインは当時(西暦1950~1970ほど)でも斬新で、多くの人達を魅せていました。
 ラノベのヒロインとの共通性は……言うまでもありませんね。シ○ナをはじめ、ツンデレはもはやラノベの一大ジャンルですし。


 勿論、ここでは武侠小説の僅か一部しか語れません。
 しかし、異なる時代、異なる土地で生み出す異なるジャンルが、同じ要素を持っているのは事実です。
 そこにはやはり、大衆が求めて続けているものがあるのではないでしょうか?
 現在進行式でなろうで執筆している身としては、とても気になります。もし良ければ、皆さんのお考えを伺えたいと思います。

 それに、ここの紹介で武侠小説に興味を持てるようになって頂ければ幸いです。
 日本ではあまり有名ではありませんが、金庸先生の作品はほとんど日本で出版されますので、ご一読しては如何でしょう?

 それにそれに、このエッセイで私に少しでも興味を持てるようになりましたら、是非とも拙作《不死の姉とネクロマンサー》をよろしくお願いします。
 最強ものでも成り上がりものでもありませんが、魅力的なヒロインとシリアスな冒険を目指したいと思います。




 では、ダイレマのキリタニでした。


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