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甘い林檎
作:Maria


「この林檎、すごく甘いよ。きっと病みつきになる。」





そして彼女は、禁断の毒林檎を口元へ…





煌めく(どく)が糸を引く…。






そして彼女は眠りに落ちた。






「おはよう。起きてよ〜」






ここは…どこ?






私は一体…





「おはよう、白雪姫♪」





白雪姫…?






「君は、毒林檎を食べたんだ。」






私はついに、禁断の林檎を…






魔女に毒林檎を食べさせられてしまった白雪姫は、王子様からの甘い口づけで目覚めるの。





「毒を解いて欲しい?毒を解くには、王子のキスがなきゃ…ね。」



あぁ、あの物語は嘘つきね。





だってほら、毒なんて全然解けやしない。






それどころか、もっと毒が体中に廻ってく…





もっと、もっと、もっとって…



体が火照っていくの…





あんなにダメだって思っていたのに…





見ているだけでいいって…





私が魔法に落ちるはずなんかないって、思ってたのにな…。





逢いたいのに、会えない。



近づきたいたいのに…



手を伸ばせば伸ばすほど、君は遠くへ行ってしまうの。





こんなはずじゃなかった。



毒林檎なんて…





その毒林檎は甘い蜜の味がする。
一度味わえば、二度とは引き返せない。
魅惑の林檎。



今ならまだ間に合うのだろうか。
毒が完全に廻ってしまうその前に…



「今から会えない?会いたいなぁ、俺。」



「苦しいの…。だから私…」





息が出来ないの。
体が熱いし、頭がくらくらするんだ。





「だったらなおさら。俺に会わないとね。会いにおいでよ。俺が治してあげるよ。」





あぁ…





毒林檎なんて、口にするもんじゃない。








いまさら気が付いたってもう、遅い。






だって…






もう毒は、体中へ…














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