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チートあるけどまったり暮らしたい のんびり魔道具つくってたいのに 作者:なんじゃもんじゃ

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政争 side2

 

 煌びやかな衣装に身を包んだ者達が剣呑な雰囲気を醸し出している。
 その中でも上座にあたる席から数えた方が早い席に座る蟷螂のような顔の男は吊り上がった目を瞑り口をへの字にして黙している。

「今回の件はこの神聖バンダム王国にとって由々しき事態である。戦力が著しく低下したと言わざるを得ず、我が国始まって以来の不始末の責任は免れませんぞ」

 20人以上が豪勢な長机の両脇に座っているのだが、この発言をした男は上座から見て左側の真ん中ほどの席に座っている大男である。

「軍務卿の言はもっともであると思いますぞ!」

 軍務卿と呼ばれた男の発言を後押しした者も大柄の男でありこの神聖バンダム王国の将軍の1人であるセバン子爵である。

 軍務卿と呼ばれた大男はエイバス・クド・トムロスキー伯爵である。
 トムロスキー伯爵は神聖バンダム王国の全軍を統括する日本で言えば防衛大臣にあたる軍務大臣と言う役職についており見た目は筋肉達磨である。
 見た目は筋肉達磨ではあるが、このトムロスキー軍務卿は軍略に長けており文武に優れた良将である。

 そしてセバン子爵は神聖バンダム王国の国軍である黒色軍の将軍であり、今回も最前線で指揮をとる事が内定している。

 共に国王派であり、ブリュトゼルス辺境伯とは盟友である。

「まあ、待たれよ。責任を追及するよりも今はボッサム帝国の進軍にどう備えるかを話し合うべきですぞ。ジジャン殿、ボッサム帝国の戦力は?」

「はい、ボッサム帝国軍は国内の戦力を帝都に集結させております。兵力は5万から7万といったところでしょう。だた、その兵力が我が国に向けられるかまでは不明です。もう暫し時間を頂ければと思います」

 数を聞いた途端、室内がザワめく。

 ボッサム帝国は神聖バンダム王国の西に位置する4大国の1つである。
 4大国の中でも最大戦力を保有しているが、同じ4大国の聖オリオン教国と神聖バンダム王国と国境を接しておりこの2国と常に国境紛争を繰り返している。
 兵は精強で知られ特に騎馬隊は最強とも言われている。

「手遅れになる前にボッサム帝国の国境付近に黒色軍を向わせる事は既に陛下の決裁がおりております。しかし黒色軍の兵数は1万5千。最低でもあと5万はほしいところですな」

「ここはブレナン侯爵に名誉挽回の機会を与えようではないか」

「ふむ、希少な帝級のマジックアイテムを子供の玩具にし壊したブレナン侯爵は名誉を挽回する為に全兵力と物資を供出しボッサム帝国を撃退するだけではなく、ボッサム帝国に逆撃を与え領土を奪い取り陛下に献上するべきであろう。そうでなくては今回の不始末の穴埋めなど出来るものではないと思いますがね」

「それは良い。それであれば陛下もお許しくださるであろう」

「帝級マジックアイテムを子供の玩具にできるブレナン侯爵であればボッサム帝国など雑作なくあしらってくれましょう」

 辛辣な言葉が容赦なくブレナン侯爵を追い詰める。

 ブレナン侯爵はワーナーの決闘を利用しクリストフを亡き者にしようとした。
 その秘策として帝級のマジックアイテムをワーナーに託したのだが、失敗しただけではなく希少な帝級のマジックアイテムを破壊されてしまったのである。
 ブレナン侯爵自身、どの様な結果になってもマジックアイテムが破壊されるなどと思ってもおらず、ブレナン侯爵にしてみれば青天の霹靂の出来事であったのだ。

 魔術の階級には下級・中級・上級・特級・英雄級・王級・帝級・覇王級・精霊級・神級がある。
 魔法適性がある者は10人中に3人ほどで、属性適性のある者の多くは下級か中級の適性しか持っていない。
 更に上級の適性がある者は10人中に1人とも言われ、特級になるとその半数にもならないと言われている。
 そして英雄級や王級の適性を持つ者は数十年に数人しか産まれないと言われ、更に帝級や覇王級の適性を持っていた者は過去に勇者と呼ばれた者しか存在しない。

 その勇者レベルと言っても良い帝級以上のマジックアイテムの所持は王家により管理され、特例としてブレナン侯爵家とフェンデル侯爵家に1つずつ所持が許されていたのだ。
 帝級のマジックアイテム1つあれば下手をすれば小国を滅ぼす事もできるのだからこういった管理は当然であり、神聖バンダム王国内でも1・2を争う大貴族のブリュトゼルス辺境伯家でさえ帝級のマジックアイテムの所持は許されていないのだ。

 それほど貴重なマジックアイテムの所持を許されていたブレナン侯爵家の管理責任は重大で、その希少なマジックアイテムを子供に軽々しく与えて良い物ではない。
 しかしブレナン侯爵はブリュトゼルス辺境伯の攻勢に対抗する為に希少な帝級のマジックアイテムを子供に与えその希少なマジックアイテムを壊してしまう不始末を犯してしまった。
 本来であれば許される事ではない。

 つまりブレナン侯爵は苦境に立たされており、更に誰もこれを擁護する者など存在しないのだった。
 幾ら貴族派の重鎮とはいえ、帝級のマジックアイテムを子供の玩具にし、あまつさえ壊してしまったブレナン侯爵の求心力は地に落ちたのだった。

 結果としてブレナン侯爵は全軍事力と財力を注ぎ込みボッサム帝国の大軍を迎え撃ち更にボッサム帝国の国土を奪う必要があるのだ。
 もしこれが出来なければブレナン侯爵家は間違いなく没落すると誰もが思っている。
 そして当事者であるブレナン侯爵もそう思っている。

 
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