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チートあるけどまったり暮らしたい のんびり魔道具つくってたいのに 作者:なんじゃもんじゃ

4章

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121 反撃のスネパス

 

 幻想的な空間、その大きな空間の中央に円卓には9つの椅子が配置されておりその全てが埋まっていた。そしてその円卓を見下ろすように配置された豪華な椅子には顔の皺が特徴的な老人が腰深く座っている。そしてその老人が座る椅子の横には同じく豪華な装飾が施された椅子が存在しておりその椅子は空席である。

「此度、バンダム王国は3方向より、更に極東の蛮族と西のホン王国が神国である我が聖オリオン教国に進軍しております」

 円卓の9人の中で最も老人に近い席の男が老人に対し恭しく一礼し報告をする。
 順次報告される戦況はどれも良いとは言い難いもので4人目の報告が終わったところで老人が口を開く。

「あれを使う」

 一瞬、9人が騒めいたが直ぐに収まり最初に報告をした男が確認をする。

「あれをですか? 宜しいので?」
「構わぬ、ことが済めば廃棄すれば良い」
「分かりました、直ぐに手配致します」

 円卓に座る9人が部屋をあとにすると1人上座に座る老人だけが残る。

「ひひひ、まさかここまで侵攻されるとは思ってもおらなんだが、あれを投入すればそれも解消されるじゃろうて」
「ふふふ、あまり甘く見ない方が良いぞ」
「なんじゃ? お前はあれが失敗するとでも?」
「ふふふ、どうかな?」

 1人しか居ないはずの部屋で会話をする老人。その相手は姿も見えない。

「お手並み拝見、教皇猊下様」
「ふん、バンダムなどにこれ以上好き勝手させてたまるものか、この国はワシのものじゃ!」

 教皇と呼ばれた老人はいったい誰と話しているのか。残念ながら相手の姿は見えない。それを確認しアトレイ・サンは影から影に渡る。
 だが、アトレイ・サンの行動は姿の見えない何者かに筒抜けであった。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 昼間でも日が差し込まないほど鬱蒼と茂る木々を強風が揺らす。そして次は大木と言って差し支えないほどの木が薙ぎ倒される。

「油断しましたね、この私が傷を負うとは。……それで貴方はどこのどなたですかな?」
「……」
「答えては貰えませんか? 筋肉のお化けのような方ですがその耳はエルフですよね? その耳がなければとてもエルフには見えませんが、エルフが何故オリオン教に味方するのですか?」
「……」
「またダンマリですか? っ!」

 無詠唱で放たれた風の刃がアトレイ・サンを襲うが、その刃を紙一重で躱し斜め後方に大きくジャンプして距離を取るがアトレイを追うように筋肉質のエルフが地面を蹴る。

「見逃して欲しいのですが、無理ですかね?」

 筋肉質のエルフは白銀に美しく輝く剣を横に薙ぎアトレイの目の前を通り過ぎる。目の前を通り過ぎた筈の白銀の剣先から更なる追撃の見えない刃。

「危ない方だ、私は貴方に含むところがないので戦闘は避けたいのですがね」

 見えない刃を闇の霧で防ぎ目の前の筋肉質のエルフの一挙手一投足を注視する。

「教えて下さい。オリオン教においてエルフは下等種族であり抑圧すべき対象。なのに貴方は何故にオリオン教に組するのか?」
「……」

 喋っているのはアトレイのみ。筋肉質のエルフは一切声を出さずアトレイに攻撃を仕掛ける。アトレイは喋りながらもギリギリのところで筋肉質のエルフの攻撃を避ける。
 2人の攻防によって森が切り開かれていく。森にしてみればいい迷惑であるが、2人の攻防、いや、筋肉質のエルフの一方的な攻撃が止む気配はない。

「これほど私を追い込むとは貴方はエルフですよね? 服を着ていても分かるほどの筋肉質の肉体を持った貴方がエルフだとは認めるには些か私の常識が邪魔をしていますがね」
「……」

 少しずつ傷が増えていくアトレイに対し筋肉質なエルフは疲れを知らないかのように白銀の剣を振り、そして魔法を無詠唱で発動させる。
 致命傷はないもののアトレイの種族特有の超回復が追い付かない傷が増える。

「その剣は……どうりで傷の治りが遅いと思いましたよ」
「……」
「まさか聖剣をお持ちとは。どこから手に入れたのですか? と聞くのは野暮ですね」
「……」

 聖剣など所持している国は数が知れている。当然、その中には聖オリオン教国が含まれており、しかも記録上では2振りの聖剣を所持しているのが聖オリオン教国なのだ。
 そんな希少な聖剣が今、目の前で自分に向けられており、しかも聖剣での切り傷は吸血鬼の超人的な回復力を無視して治りにくい傷を与えることで有名なのだ。
 吸血鬼にとって銀での攻撃は弱点であるが、それは下位の吸血鬼に対してであり真祖であるアトレイには効果は殆どない。しかしそれが魔銀ミスリルになると真祖のアトレイでも少なからずダメージを受け更に回復力が落ちるがそれでも効果は薄い。そして聖剣となれば真祖の吸血鬼であるアトレイでさえ一般人が鉄の剣で斬られたように傷を負い、更に超人的な回復力もなりを潜める厄介な性質がある。

「どうやら貴方は聖オリオン教国の中枢に近しい者のようですね。エルフなのに……とは聞きません」

 その瞬間、筋肉質のエルフから膨大な魔力の動きを感じたアトレイは防御結界を幾重にも発動させる。
 森全体を吹き飛ばすのではないかと思えるほどの炎が立ち上る。その中心でアトレイは結界を発動させては破壊され、発動させては破壊され、を繰り返していた。

 
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