挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
チートあるけどまったり暮らしたい のんびり魔道具つくってたいのに 作者:なんじゃもんじゃ

4章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

129/146

119 オリオン包囲戦<オリオン北部方面軍5>

現在、活動報告で勝手にイベントしています。
もうすぐ締め切りますが、宜しければ活動報告のほうを覗いてコメントをお願いします。

---勝手にイベント内容---
①ストーリーについて
②ある名前の公募
6月15日24:00までなので宜しくお願いします。
 

 プラムへ進軍したフェデラー・クド・トーレス率いるブリュトイース公爵軍は途中で敗走した味方兵を吸収して進軍を続けた。
 陣容はゲールが指揮する重装歩兵が1000、レビスが指揮する軽装歩兵(奴隷)が4000、ウィックが指揮する騎馬兵が500、カルラの代理であるエリメルダが指揮する魔術師が100。
 ウィックの部隊が哨戒を行い敗走した味方兵を見つけては本体に合流させる。

 ある程度進むと敗走中の神聖バンダム王国兵を追撃してきた聖オリオン教国兵凡そ5千を哨戒中のウィックの部隊が発見し、それを迎え撃って完膚なきまでに撃退した。そしてその後負傷したロッテンハイム中将を回収した。
 治療が終わったロッテンハイム中将はプラム侵攻へ意欲を見せたが彼にはアゼルへの召還命令が出ているのでブリュトイース公爵軍に同行は許されなかった。そしてプラム攻略軍を指揮していたアジャハ大将は未だ消息不明であり、このままアジャハ大将が見つからず戦死扱いとなれば敗戦の責をロッテンハイム中将が負うことになるだろう。

 一方、プラムでは追撃隊5千が壊滅したと報告があり、残った1万5千の兵で防御を固めていた。まさか追撃隊が壊滅するとは思っていなかった守将のモーリー将軍と援軍に駆け付けたバッカス将軍は先の戦いで捕虜にした神聖バンダム王国兵を奴隷化し肉壁とすることを指示した。
 その数凡そ2千。その中に行方不明となっているアジャハ大将が含まれていることはフェデラーはまだ知らない。

 進軍するブリュトイース公爵軍は敗残兵を纏め凡そ1万2千ほどになっていた。負傷していた兵で重傷であった兵はロッテンハイム中将と一緒にアゼルへ送還したが、無傷や軽傷だった兵はそのままフェデラーの指揮下に置かれたのだ。

「司令官殿、プラムまで半日の距離です。兵を休ませたいと思いますが、如何でしょうか?」
「陣地を構築次第順次休息を認める」

 プラムの街は既に情報部による監視体制が構築されており急いで攻めかかる必要はない。それよりも行軍で疲れた兵に鱈腹食事を摂らせ十分な睡眠を与える。

「敵は貝のようにプラムに閉じこもり出てこないでしょう」
「防壁を破壊するしかないか?」
「恐らく捕虜となっている我が方の兵を盾にし我らの攻撃を遮るでしょう」

 エグナシオの予測は正しいと翌日判明した。
 プラムまで数百mの距離に布陣したフェデラーたちは苦虫を噛み潰したような表情をしている。

「情報部の報告によりますれば敵は捕虜にした味方兵を防壁の上に配置し盾としております。これでは防壁へ攻撃ができません」
「狂信者どもは自分たちの死刑執行書にサインをした、と気付いているのか?」
「捕虜の虐待はオーダム条約に違反しております。一応、勧告するべきでしょう」

 神聖バンダム王国や聖オリオン教国だけではなくこの中央大陸に存在する多く国々が批准しているオーダム条約は捕虜の扱いについて取り決められた条約であり聖オリオン教国はオーダム条約を遵守する義務がある。
 目の前の状況はそのオーダム条約に違反する行為だとフェデラーはプラムの守兵に勧告をするのだったが、返ってきたのは矢弾であった。
 これによりフェデラーは予め準備していた作戦を実行に移した。

 フェデラーが手を振り下ろすと同時にプラムの街から爆炎が上がり、そしてやや遅れて爆発音がする。その爆発が次から次に起こりプラムの街中は混乱の極致となった。

「な、何事かっ!?」

 プラムの領主館に詰めていた守将であるモーリー将軍は街中で発生した爆発音に混乱していた。
 この爆発はプラムに忍び込んでいたブリュトイース家の情報部の破壊工作であるが、モーリー将軍には何が起きたのか理解ができなかったのだ。

 一方、防壁を固めるバッカス将軍は敵軍が布陣する門の外側ではなく自分たちの後方である街中に爆発が起こっていることに動揺していた。

「街中に侵入されているだとっ!?」
「ど、どういたしますか?」
「どうするも、こうするも無かろう! 既に敵が街中に入り込んでいるのであれば先ずはそれを駆逐するのみ!」

 本来、街中の警戒はモーリー将軍の管轄であったが、そのモーリー将軍がその考えに追随できず連携が取れないのが問題であった。しかし今はそれを考える余地はなかった。
 バッカス将軍は直ぐにモーリー将軍に伝令を出したが、この伝令は尽くブリュトイース家の情報部によって命を奪われ2人の将軍が連携することができなかった。モーリー将軍がバッカス将軍ほどに優秀であれば良かったのだが世の中そんなに上手くは出来ていないのである。

 防壁の上には捕虜が配置されており本格的な攻撃はできないので散発的な攻撃に終始しているが、これは予定通りの行動である。
 後方からの攻撃を警戒しながら前方の敵を退けるのは思った以上に精神が削られるもので、フェデラーは防壁を守る敵兵の精神的な疲弊を狙っているのだ。

 戦いはそのまま夜に突入した。
 元々夜間戦闘を想定していたブリュトイース公爵軍は一定の戦力を温存しており夜になると昼間に攻撃をしていた部隊と温存していた兵を入れ替える。これによって昼夜問わず攻撃が行え更なる敵の精神的疲労を増幅させる。

 本来は攻撃側のブリュトイース公爵軍は1万2千の兵であり、守備側の聖オリオン教国兵は1万5千の兵なので戦力的に聖オリオン教国が勝っていた。数的に有利なのは聖オリオン教国側なのだが、追撃隊が殲滅させられたことから警戒しての籠城策である。
 しかしその籠城策が裏目に出てしまったようだ。

 外からは敵軍の攻撃、中は敵兵による破壊工作。いつ後方を突かれるのか、いつ目の前の敵が本気で攻めて来るのか、3日3晩の攻防により聖オリオン教国兵は精神的に限界を迎えていた。
 そんな状態で夜明けを迎えた早朝、今まで街中でしか発生していなかった爆発が防壁でも起こったのだから兵が半狂乱となり我先に逃げ出そうとしても不思議ではない。
 バッカス将軍は半狂乱に陥った部下たちを収めようとするが、一度閂を外されてしまっては混乱を簡単に収めることは叶わない。
 やっとのことで部下を鎮静化させたバッカス将軍だったが、その時を見計らったように何度も爆発が起こり味方兵がその爆発に巻き込まれる。
 こうなっては収集は難しいとバッカス将軍は城門を開き打って出る判断をしたが、それも既に遅くバッカス将軍に従った兵は1万にも満たなかった。

「司令官殿、鼠が出てきました」
「鼠をあぶり出すのに4日も掛かってしまったが、気を引き締めて当たれ!」

 フェデラーは敵兵を引き付けるように指示を出し、ウードの騎馬隊には門を出た敵兵の後方に回り込み退路を断つように指示する。
 次々に門を出てくる聖オリオン教国兵を迎え撃つフェデラー指揮するブリュトイース公爵軍は魔術師隊による攻撃を仕掛ける。

「せっかく出て来たのだ、盛大に歓迎してやろう」

 魔術師隊を任されたエリメルダの合図で斉射される魔術が聖オリオン教国兵を襲う。
 水の魔術によって地面が泥沼のようにぬかるんでいることで移動速度が極端に落ち、更に土魔術によって落とし穴や膝丈ほどの障害物が築かれ更に移動速度が落ちる。
 そこに火の玉や風の刃によって聖オリオン教国兵は焼かれ切られ只でさえ低かった兵の士気はダダ下がりである。
 そこに連射式クロスボウから放たれた矢が雨あられのように降り注ぎ聖オリオン教国兵は既に戦どころではない。
 こうなると後は無駄な出血を抑える為に乱戦を避け防御を固め魔術や矢によって聖オリオン教国軍の傷口を抉っていくだけである。

 徐々に、徐々に疲弊していく聖オリオン教国軍。趨勢は既に決しておりこれ以上の抵抗は無駄だと頭では分かってはいるものの心情として一矢報いるまではとバッカス将軍は何度も部下を鼓舞し戦いを強いる。
 だが、その時は不意にやってきた。
 後方から悲鳴と轟音がバッカス将軍の耳に届いた。振り返るとぬかるみを全く苦にすることもなく、味方兵を跳ね飛ばしながら突進してくる巨体の獣人が居た。

「バッカス将軍、その首貰い申すっ!」
「なめるなっ!」

 両手の大斧を振り上げ猛進してくる巨体の敵兵を迎え撃つバッカス将軍であったが、すれ違った瞬間に騎乗していた騎馬の首と一緒に胴体が跳ね飛ばされた。
 これによって完全に聖オリオン教国軍は沈黙する。いや、無理やり沈黙させられた。
 しかし未だ防壁の上には聖オリオン教国に捕らわれている捕虜がおり、粗方逃げ出してはいるが聖オリオン教国兵も存在する。フェデラーが捕虜を何とかしなければと考えた瞬間、防壁の上に陣取っていた聖オリオン教国兵が次から次に防壁から落下していく。

「情報部の方も順調のようですね」
「ああ、彼らが居なかったら苦戦していただろう」

 エグナシオとフェデラーはプリッツが率いる情報部員の活躍を褒める。しかし褒めてばかりで終わらせてはいけない。
 プラムの制圧がまだ残っているのだ。

 
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ